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5. プロジェクト・フラッシュ
(ISEPが内外で取り組む活動からトピックスを拾って紹介します。)

<< Focus/重点プロジェクト >>
市民エネルギー調査会8/1シンポ議事概要
畑直之(市民エネルギー調査会事務局)

市民エネルギー調査会(以下、市民エネ調)は、環境NGOやエネルギーの専門家
から成るオープンソースの集まりであり、ISEPが事務局・コーディネートを担っ
ている。日本のエネルギー政策に対する議論を喚起するため、政府・総合資源エ
ネルギー調査会需給部会で策定中の「長期エネルギー需給見通し」に対して、持
続可能な代替シナリオを6月に発表した(本メールマガジン・SEEN No.6(2004
年7月5日発行)参照)。

ここでは、市民エネ調が持続可能なエネルギー政策に向けた議論のベースを作る
ために、8月1日東京で開催した、各セクターのパネリストを招いてのシンポジウ
ムの様子を簡単にお伝えする。

シンポでは、まず、飯田哲也・市民エネ調座長(ISEP所長)が、市民エネ調のエ
ネルギー・シナリオについて説明した(内容は、末尾の市民エネ調HPを参照のこ
と)。続いて黒田昌裕・総合資源エネルギー調査会需給部会長(慶應義塾常任理
事)が、政府・総合資源エネルギー調査会の「長期エネルギー需給見通し」(以
下、「見通し」)について、個人的意見も含め、「見通し」そのものよりもその
背景や考え方を中心に次のように説明した(次はご説明のごく一部である)。
「1998年及び2001年の‘見通し’策定では2010年の京都議定書目標達成が重視さ
れ、それを達成するための目標シナリオを描き、特に2001年には98年や今回と異
なり一般均衡モデルで経済の予測を行った」。

2つの説明に対してパネリストの山地憲治氏(東京大学)、谷口正次氏(国連大
学ゼロエミッションフォーラム、元太平洋セメント株式会社)、笹之内雅幸氏
(トヨタ自動車株式会社)、正田剛氏(日本自然エネルギー株式会社)、及び
コーディネーターの吉岡斉氏(九州大学大学院教授、総合資源エネルギー調査会
需給部会委員)から以下のようなコメントがあった(次に紹介するのは頂いたコ
メントのごく一部である)。

「総合エネ調と市民エネ調はよく似ており、話し合いができる距離に近づいてき
たと思う。経済が変われば当然エネルギーは大きく変わるが、エネルギーが変
わっても経済はそれ程変わらないのではないか」「シナリオという言葉が出てく
るが、そのシナリオによる‘作品’が見えない。‘豊かさ’という言葉が両方に
あるが、物的豊かさを今後も延長するのは大変だ。あるべき姿をみて、フォア
キャストでなくバックキャストで組まないといけない。また、シナリオの定義を
正確にしないといけない」「国の機関だけでなく色々なセクターが意見を出すこ
とはいいことで、最終的に良い‘解’を見つけていけばいい。ポーター仮説は違
うという意見もあり、特にCO2のようなグローバルな問題で同仮説が成り立つか
は慎重に検討すべきだ」「市民エネ調の‘いきカエル’だとなぜ経済再生なの
か。‘ゆでガエル’と比較するとエネルギーの差は明確だが、産業競争力の差は
不明確だ。CO2制約のもとで環境特性のよさが日本の国際競争力のひとつだとい
うのは同意するが、そういう産業を少し伸ばすだけで経常収支や失業率が大幅に
改善されるというのは説得力不足だ」(これらに対する市民エネ調のコメントは
紙面の制約で省略する)。

市民エネ調に対してかなり厳しいコメントも少なからず出されたことで、むしろ
幅広い有意義な議論ができ、「持続可能なエネルギー政策に向けた議論のベース
を作る」というシンポの目的はおおむね達せられたのではないかと考える。市民
エネ調のシナリオ提言と今回のシンポが、政府の審議会や環境NGOだけでなく、
様々な研究者やシンクタンクがそれぞれの視点からエネルギー・シナリオを提示
し、国民的議論を行ってその中から望ましいシナリオを選択するという、民主的
なエネルギー政策策定プロセスへ向かう端緒となれば幸いである。

(※市民エネ調の発表資料及び8月1日のシンポジウムの当日資料はすべてホーム
ページ(http://www.isep.or.jp/shimin-enecho/)からダウンロードできる)

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