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3. 「プロジェクト・フラッシュ」 自然エネルギー市民ファンド
~世界自然遺産「白神山地」市民風車~

環境エネルギー政策研究所 研究員 柳沼佑貴

白神山地を南北に挟む青森県鰺ヶ沢町、秋田県天王町で「未来の
環境」と「地域の経済」への市民の想いが、風力発電所を誕生させた
。青森県鰺ヶ沢の風車「わんず」と秋田県天王町の風車「天風丸」は、
この瞬間もクリーンなエネルギーを産み出している。

2003年春から始動を開始した全国第2例目、3例目の市民風車には、
発電力1500kW、一般の平均電力量では約900世帯分の発電力を持
つ。総事業費約3億7000万円は一市民にとっては手の届かない大き
なプロジェクトだが、市民の想いと力が合わせれば、これが可能にな
る。
北海道浜頓別にある全国初の市民風車「はまかぜ」ちゃんは2001年
9月に運転を開始した。第一回目の配当を加えた出資金の返還も行わ
れており、市民風車の可能性を実証している。この青森・秋田のプロ
ジェクトはそれに続くものだ。募集は「はまかぜ」ちゃんのスキームを若
干変更し、枠を大きく地元枠と全国枠に分けて、地域の資源を利用し
発電する自然エネルギーの特徴を考慮し、売電によって得られた収益
をより多く地元に還元するよう、予定利益配当利回りに差をつけて行っ
た。
9月16日をもって出資の募集は終了したが、結果的に青森市民風車一
号機「わんず」では地元枠から約490名から1億2000万円、全国枠は
約250名から5500万円の計1億7500万円、秋田県市民風車第一号機
「天風丸」では地元枠は約230名から6700万円、全国枠は約200名か
ら4000万円の計1億700万円の募集が集められた。

市民風車は市民の環境や地域への実践的な取り組みであろう。エネ
ルギーに関しては近年の地球温暖化問題や化石燃料使用による大気
汚染や資源問題、巨大な安全リスクを伴う原子力発電など問題が山積
みである。これらの問題に対する市民の不安が今回の市民風車への
実現を促したのであろう。9月20日から22日の2泊3日、世界自然遺産
「白神山地」市民風車のオープニングセレモニーが行われた。交流会
の場である女性からこのような意見を聞かされた。「今までは電力会社
しか電気を作り出せないものと漠然と思っていたものが、市民風車に参
加すれば、自分で発電所を作ることができる。そしてそれが、環境に優
しい電気を産み出し、地域の活性化につかがり、そして未来の子供たち
のためになる。こんな素晴らしいことはない。」と。市民風車とは閉塞感
あふれる日本社会に希望の明かりを発しているのではないだろうか。

今回の市民風車の働きは多くのメディアに取り上げていただき、その波
及効果は想像以上であった。「うちの地元でも」、「次の風車はどこで立
つ予定ですか?」、「市民風車をぜひやってみたい」といった声は多く、
実際にいくつかのプロジェクトは計画段階であり、これから育むべき芽は
しっかりと植え込まれている。日本では、折りしも今年の春に新エネルギ
ー等の利用に関する特別措置法が実施され、日本における自然エネル
ギーの普及に関しても大きな転換期を迎えている。この法律にはまだ問
題点は多いが、環境負荷が極端に少なく、資源の枯渇問題がない、自
然エネルギーはこれからの社会を支えるエネルギー源として大きな期待
がかかっている。なかでも市民風車のような市民による地域に根付いた
自然エネルギーの重要性は明らかであり、これからの社会のあり方を象
徴する意義のある事業ではないだろうか。さらに多くの地域で、多くの市
民の手によって、よりよい社会の選択ができればと願うばかりである。

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