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1.  風発「ロッカーから出てきた秘密文書」
 (飯田哲也、ISEP所長)

「ロッカーの中から出てきた」という秘密文書が原子力ムラを揺るがしている。

6月21日に始まった原子力長計策定会議では、核燃料サイクルか、それとも直接
処分かという、日本の原子力政策の決定的な選択が論点となっている。電力会社
原子力ムラは、19兆円と試算された核燃料サイクルの費用のうち、主に再処理
によって生じる5兆円の費用負担を国民に押しつける制度措置を6月の電気事業
分科会で固め、同じく6月に始まった策定会議で早々にお墨付きを得て、政治的
に揺れる六ヶ所再処理工場問題で逃げ切ろうとしていた。

一方、「現代の戦艦大和」と評される、およそ無意味な六ヶ所再処理工場に対し
て、河野太郎代議士や佐藤栄佐久福島県知事をはじめとして、その他の自民党政
治家や民主党の若手代議士、若手経産省官僚などの「本流」からも核燃料サイク
ル路線を問い直す声が大きくなりつつあり、六ヶ所再処理工場は政治問題として
浮上しつつある。

とくに、再処理・核燃料サイクルと直接処分との費用の比較は最も重要な論点な
のだが、3月17日に福島瑞穂社民党党首が参議院予算委員会で再処理をしない場
合の費用を質問したところ、政府参考人の日下資源エネルギー庁長官(当時)は
「私どものところ、日本におきましては再処理をしない場合のコストというのを
試算したものはございません。」と答弁していたのである。

これだけ重大な政策選択に際して、代替案とのコスト比較すらしないまま、既存
の政策を押し切るというのは、公共政策をあずかる行政として無責任極まりない
だけでなく、およそ現代の民主国家の水準とはいえない。しかしこれまでは、そ
れがまかり通っていたのである。

そのコスト試算をした研究文書の存在を新聞記者に指摘されて、経済産業省は
「ロッカーの中から出てきた」と答えている。それも、1994年と1998年の2つも
である。文書の内容は、7月3日の新聞報道のとおり、直接処分に比べて再処理
は4倍も高いというものだった。この秘密文書の発覚によって、核燃料サイクル
は虚偽答弁というスキャンダルと政策の正統性の両面が問われることになり、政
策としても見直しは必至だろう。

ところで、「ロッカーの中から出てきた」という言い逃れを、そのまま信じる人
はいないだろう。同じく「ロッカーから出てきた」薬害エイズと同様に、「見え
透いたウソ」にすぎないのだが、メディアを含めてほとんどの人が「ウソ」と了
解の上で見逃している。「報道して良いこと」と「そうではない事実」との間の
線引きが少しずれるだけで、客観的な事実の検証からはほど遠い。こうして、こ
の国のフィクションはねつ造されていくのである。事実に対する誠実さを取り戻
すことが必要だろう。

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