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4.会議3日目:閣僚参加会合の主なスピーチについての報告とコメント
 ‐「再生可能エネルギーの時代はもうすでに始まっている」‐
 (大石りら、ISEPドイツ駐在研究員)

Renewables 2004は会議3日目午前のプレナリーより、マルチステークホルダーの
“対話”の場面から、(さまざまな代表の見解についての相違や同意について
は、ここでは立ち入らないがそれらを詳細にまとめあげた文書が会議では配布さ
れたことを示唆しておく。http://www.stakeholderforum.org/ にてダウンロー
ド可能。問い合わせや意見は、renewables2004@stakeholderforum.org)いよい
よ『再生可能エネルギーための政策提言』に関して合意形成をめざす民主主義的
な手続きのための次のプロセスへ移行した。

シュレーダー首相のスピーチをはじめ、大臣クラスの参加国代表者のスピーチが
午前中に次々と行なわれるために、会場ではかなりの緊張感が漂い、マスメディ
ア関係者に対してでさえも、入口付近では厳重なセキュリティ・チェックが行な
われていた。

まず、冒頭挨拶のなかで、ユルゲン・トリティン環境大臣が、Renewables 2004
の『行動計画』が再生エネルギーのグローバルな拡大を目指す約130以上の具体
的なプロジェクトを含んでいることの意義を強調した。(最終日には、その数は
165にまで増加。)そして、世界中150カ国のさまざまな代表者に向かって、「再
生可能エネルギーの時代はもうすでに始まっている」と宣言した。

それに引き続いて、ドイツの二大政党のうちのひとつである保守党CDUの政治家
でコール政権時代(1998まで)には環境大臣を務め,現在はUNEPのエグゼク
ティヴ・ディレクターに就任しているクラウス・テプファー博士は、スピーチの
なかで、“ecological stability pact”の導入を提案した。”ecological
stability pact”の狙いは、再生可能エネルギーの目標値の実現と報告義務に拘
束力を確実に持たせるための協定を各国が取り結ぶことにある。

イギリスの首相トニー・ブレアもまたビデオレターというかたちでボン会議に登
場した。最近のイギリスのエネルギー産業界は、あたかも再生可能エネルギー導
入をめぐってドイツと相争うことを突然決意したかのような急速なキャッチアッ
プを行なっていることがヨーロッパで注目されているが、ブレア首相もまた、気
候変動を阻止するためにも、再生可能エネルギーの発展こそが「長期的には唯一
の、かつ最も重要な課題」(“single most important issue in the long
term”)であると断言した。しかしながら、核保有国の首相が「再生可能エネル
ギーこそが発展途上国にふさわしいエネルギーである」と述べるとき、その言葉
に秘められた二重の意味を感じ取らずにはいられないのは、私だけだろうか。

そのあと、世界銀行のマネージング・ディレクターであるピーター・ヴォイケ
は、世界銀行がグローバルな再生可能エネルギー拡大において重要な役割を果た
すことを力説した。そのスピーチのなかで、これから五年間のあいだに、エネル
ギー効率と再生可能エネルギー促進に結びつくプロジェクトに対する経済支援を
年率20%ずつ増加させることなどが述べられた。この発言に対して、グリーン
ピースやWWFなどの国際的なNGOは反発して、化石燃料エネルギー開発のための資
金提供の即時停止などを求めた。(世界銀行による発展途上国における再生可能
エネルギー拡大のための“取り組み”については、
http://www.worldbank.org/energy/ または、印刷物としては、The World Bank
Group's Energy Program - Poverty Reduction, Sustainability and
Selectivity - 参照。)

欧州委員会の環境政策責任者マルゴット・ヴァルストレームは、2020年までに再
生可能エネルギーのエネルギー消費全体の割合を20%に引き上げることをこの会
議場においても明言した。Renewables 2004が開催される約一週間前に、欧州委
員会はその数値の具体的な実現に向けたEU25の再生可能エネルギー促進プログ
ラムの詳細な内容を遅くとも2005年にまで決議する予定であると発表した。(連
邦環境省プレスリリース152/04 B26.05.2004)また、中国が2010年までに再生可
能エネルギーのエネルギー消費全体の割合10%に引き上げることを明らかにした
ことに対して賛辞を述べた。他のプレナリーにおいても、特にアフリカの政府代
表者から中国政府に対して再生可能エネルギー促進と結びついた対外援助につい
て感謝の言葉が多く述べられたことを付け加えておこう。今週のドイツのマスメ
ディアを多いに賑わせたRenewables 2004報道においても、中国政府代表の参加
と目標数値設定はいたるところで大きく取り上げられ、高く評価された。再生可
能エネルギーのほとんどの分野で世界最高技術を誇る日本政府の正式な代表団の
不在を中国政府の参加が埋め合わせてくれたかたちとなったのである。(点じ会
場における中国の幅広いスタンドは、マスメディア関係者がセキュリティ・
チェックを終えた後に最初に目に入いる良い場所にあった。)

最も注目されたシュレーダー首相のスピーチにおいて、石油価格が高騰している
この時期にRenewables 2004が開催されることの意義が強調された。そして、
“グローバルなエネルギー政策転換”は経済的理由からだけではなく、安全保障
の視座からも必要不可欠であると訴えた。「貧困撲滅や経済発展をのぞむなら
ば、脱=中心的な再生可能エネルギーに投資すべきである」と述べつつ、シュ
レーダー首相は、発展途上国との経済協力の枠組みにおいて、今後五年間にわ
たって五億ユーロを再生可能エネルギー拡大のために、そしてもう五億ユーロを
エネルギー効率の上昇のために投資すると約束して、会場全体を沸かせた。(EU
やドイツ政府の再生可能エネルギー拡大と結びついた発展途上国開発援助、また
は、ドイツと他のEUの国々の壮大な共同プロジェクトについては、ISEPニュース
レターの拙文「ドイツ便り」にて順々に詳しく論じる予定。)

スピーチの最後にシュレーダー首相は、京都議定書を発効させるためには、一刻
も早いロシアの批准が望まれることを国際社会に訴えた。これについては、直前
の専門家会議におけるトリティン大臣やそのほかの専門家らの発言によると、ロ
シアのWTO加盟という条件と結びついた同国の京都議定書の批准は確実視されて
いるということである。

(閣僚参加会合にてなされたこれらのスピーチやその他のスピーチは、
http://www.renewables2004.de/en/programme/3_June.aspからダウンロード可
能。)

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