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3.日本政府との対話:概要(大林ミカ、ISEP副所長)

3日目の本会議が終わってのち、夜9時から、日本政府の滞在するヒルトンホテ
ルロビーで、1時間の予定で環境NGOとの意見交換が行われた。今回参加したの
は、環境NGOからは、飯田哲也・大林ミカ(環境エネルギー政策研究所)、小野
寺ゆうり・神崎尚美(FoE Japan - 以下FoEJ)、中島正明(グリーンピース・
ジャパン)、ロブ・ブラッドレー(気候行動ネットワーク欧州)の6名、経済産
業省側からは、直接の交渉者である資源エネ庁の省・新部新エネ政策課:樋口課
長と井上課長補佐である。残念ながら、交渉団トップの藤田部長の参加はなかっ
た。また、今回の機会を作ってくれた、民主党の奥田健氏と、民主党の鮫島氏も
意見交換に加わった。

まずは、ロブから、欧州のNGOとしての挨拶と会議の意義、また、欧州を中心と
した自然エネルギーの状況、また固定価格買い取り制度の成功、また、具体的で
長期的なターゲットが自然エネルギーを促進することなどが紹介された。その
後、政府からの返答、こちらの提案書の紹介、グリーンピース・ジャパンとFoEJ
からの質問であった。全体的に、対話ベースで進められ、プレゼン後にまとめて
回答を得るという、いつもある会見方式ではなかった。

全般的印象としては、こちらが想像していたよりも政府がポジティブな姿勢を今
回の会議に対して抱いていることがわかった。ポイントとしては、1)特にヨハ
ネス以降、今まで環境問題から語られることの多かった気候変動問題が、ビジネ
スベース、技術移転などのファイナンスの観点から語られるようになったこと、
2)ヨハネスで取られた各国をとりまとめようとする画一的なものではなく、機関
の多様性を前提にしたアプローチがとられていること、3)また、現実的な視点か
ら議論を行おうとしていること、4) 途上国への援助という観点から、2006年
2007年にかけてエネルギーが議論されるCSDでどのような進展があるのか、この
会議は中間地点と言うことで、期待を持って注目している、というものだった。
さらに、政府がすでに12億ユーロを新エネルギーに投入していること(石特か
ら)、途上国にもODA以外で100億円/年の投入を行っていること、固定価格買い
取り制とRPSについては、どちらかの制度を議論するのは二次的な問題であり、
総合的に各国の状況を見ながら政策をとっていくことが重要であることなどが強
調された。現在議論中の「政治宣言」についてはまだ議論中(交渉のディール
中)なので詳しい経過は聞くことができなかったが、フォローアップシステムと
してはCSDが適当という考えだった。また、原子力は、国民の代表である国会が
定めたエネルギー基本法によって基幹エネルギーとされており、日本の国民の総
意として推進していると受け止めていることがわざわざコメントされた(しか
し、強靱なエネルギーセキュリティーという観点からは、原子力だけではないエ
ネルギーミックスが必要ともコメント)。

こちらの提案書に対しては、そのまま受け入れてもらうものでもないが、ター
ゲットがすべてではないことが返答された。JRECに関する質問では、もともとヨ
ハネスブルグのグローバルターゲットの設定から始まっており、現時点でもその
目標があるため、参加は考えていないとの発言だった。「国際行動計画」での
RPS目標数値の明記については、低いとは思っておらず、また、大林の会議3日目
報告でも書いたように、政府が正式に定めたもので、明記は当然であると考えて
いるという返答だった。

会合は、当初の1時間から、1時間半以上に及び、かなり活発な意見交換が行われ
た。自然エネルギーをビジネスとしても促進していくことへの期待など、思った
よりは積極的だったが、しかし、具体的なポイントを見ていくと、従来の政府の
スタンスからは踏み出してはいない。多岐に渡る会合だったため、すべてはカ
バーできないが、交渉担当者そのものは、NGOからはもちろん充分ではないが、
担当として自然(新?)エネルギー推進の視点を持ちながら発言しているので、
原子力が大きな課題となっている政府全体のエネルギー政策の見直しが根本的に
行われなくてはならないのだろうと改めて考えた。

以上、概要としてお知らせする。

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