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4.自然エネルギー政策研究・実践のコミュニティ
        古屋将太(Aalborg University PhD student/ISEP fellow)

7月半ばから日本に一時帰国しています。北欧の快適な気候に比べて湿度の高
い日本の暑さを再確認しています。
今回は、これまでの私が経験的に見聞きしてきた海外で自然エネルギー政策研
究・実践にかかわる人々や組織のコミュニティの一部を挙げてみようと思いま
す。

■デンマーク
デンマークの自然エネルギー政策研究コミュニティとして、もっとも人材が集
積しているのが、オールボー大学の「持続可能なエネルギー計画管理グループ
(Sustainable Energy Planning & Management Group)」です。エネルギーシス
テムモデリングツール「Energy PLAN」開発者のヘンリク・ルンド(Henrik Lund)、
制度経済学と文化人類学のアプローチで自然エネルギー政策の分析を行うフレ
ッド・ヴェルプルンド(Frede Hvelplund)の2人を代表として、豊富な研究・
教育の実績があります。
実践コミュニティとしては、フォルケセンター(Nordic Folkecenter for
Renewable Energy)が中心的役割を果たしています。ここには、自然エネルギ
ーの政策・技術・ビジネスについて学ぶことを志す人々が世界中から集まり、
プレーベン・メーゴー(Preben Maegaard)の教えを受けています。
もうひとつの実践コミュニティの中心がサムソ・エネルギー・アカデミー(Samso
Energy Academy)です。ここでは、自然エネルギー100%を実現する上でのノウ
ハウを学ぶことができます。
ちなみにディレクターのソーレン・ハーマンセン(Soren Hermansen)はオール
ボー大学の非常勤講師も務めています。

■スウェーデン
スウェーデンの自然エネルギー政策研究コミュニティとしては、ルンド大学
iiiee (International Institute for Industrial Environmental Economics)
が代表的です。前ディレクターのトーマス・ヨハンソン(Thomas B. Johansson)
をはじめとして、現在スウェーデン・エネルギー庁長官を務めるトーマス・コ
バリエル(Tomas Koberger)も非常勤講師として所属しています。
その他に、チャルマーズ工科大学(Chalmars University of Technology)のス
タファン・ヤコブソン(Staffan Jacobsson)による産業・科学技術政策分析ア
プローチも豊富な研究実績を生み出しています。

■オーストリア
オーストリアでは、ザルツブルク大学のフォルクマー・ラウバー(Volkmar
Lauber)による自然エネルギー政策の比較政治学が有名です。特にEUレベル
の政策形成プロセスに関して注目すべき研究実績が多くあります。(ちなみに、
彼のPhD学生とデンマーク国内での大学講義で同席したことがあります。)

■ドイツ
ドイツの自然エネルギー政策研究・実践コミュニティは、あまりにも広大なの
ですべてをフォローしきれませんが、現在山下主任研究員が所属しているベル
リン自由大学環境政策研究所(Forschungsstelle fur Umweltpolitik)には所
長ミランダ・シュラーズ(Miranda Schreurs)、ルッツ・メッツ(Lutz Mez)を
代表として豊富な研究・教育実績を生み出しています。(ドイツについては山下
主任研究員が詳細を取り上げてくれることを期待しています。)

■カナダ
北米のなかでもカナダのオンタリオ州は、現在もっとも研究・実践の集積が進
んでいる地域です。前回も取り上げたOSEA(Ontario Sustainable Energy
Association)の事務局長クリストファー・スティーブンス(Kristopher
Stevens)は、コミュニティ・パワー運動の牽引者としてオンタリオでの実践を
推進しています。
また、同州のヨーク大学にはJose Etcheveryを中心として、自然エネルギー政
策研究・実践の人材が集積しており、クリストファーや昨年TOLRECで来日した
リリー・リアーヒ(Lily Riahi)もヨーク大学の出身です。

■ 韓国
東アジアでは、韓国のキョンポク国立大学のキム・ジョンダル(Kim Jong-Dall)
による政策研究が代表的です。先日も彼と学生のグループがISEPを訪問し、
東アジアでの自然エネルギー政策研究・実践について知見を交換しました。

これらの人々や組織は必ずしも相互につながっているわけではないのですが、
その多くが「小規模分散型の自然エネルギー普及」や「地域の自立的な取り組
みの推進」といった自然エネルギーの根底にある価値意識のようなものを共有
しています。
個人的には、こうした人々や組織を通じて知識や各地の情報を得るだけでなく、
彼らにとっても意味のある研究・実践の成果を還元していきたいと思います。

         古屋将太(Aalborg University PhD student/ISEP fellow)
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