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5.持続可能なエネルギー・金融イニシアティブ(村上芽、日本総合研究所)

(会議概要)

6月1日と2日の2日間、持続可能なエネルギーと金融をテーマとした会議(SEFI)
が本会議場近くのポストタワー(ドイツポストの高層ビル)で開かれた。この会
議は昨年10月の「2003国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)東京会
議」に続く位置づけである。UNEP FIには日本からは、15社が署名している
(2004年6月現在)。

SEFIには、世界銀行グループを中心とした国際開発金融機関、政府、政府系金融
機関、民間金融機関、民間エネルギー事業者、NPOなどが参加し、日本からは日
本政策投資銀行、国際協力銀行、GEN、環日本海経済研究所と日本総合研究所だった。

(主要な視点)

自然エネルギー向けに、2003年には発電だけで200億ドル(発電関連投資の6分の
1)が投資され、今後の10年には年間850億ドルが必要とも言われている 。従っ
て、それをどうファイナンスするかは喫緊の検討課題である。世界的に見て自然
エネルギーの成長率は目覚しいが、資金調達については?新しい技術であるこ
と、?初期投資が高いこと、?新しい政策であること、?収益性が低いこと、な
どが投融資の障害になっている。

会議では、?リスクマネジメント、?ベンチャーキャピタル、?コンシューマー
レンディングとマイクロファイナンス、?炭素ファイナンス、?輸出入金融、?
パブリック・プライベートパートナーシップ、?インフラファイナンス、?中小
企業向けファイナンス、?投資フォーラムの各テーマが、パネルディスカッショ
ン方式で議論された。

投融資の方法や関係者は、まず先進工業国向けか発展途上国向けかで二分され
る。後者では特に、「Off-Grid」と呼ばれる送電インフラ未整備の地域向けの小
規模・分散型投資が注目されている。参加者の関心は、全体としては先進国の自
然エネルギー政策の行方と「金融は政策変動リスクを取りにくい」などのリスク
関連と、個別にはCDM・JIをはじめとした京都議定書の仕組み(特に欧州では来
年1月から排出権取引が始まるため)、クリーンテクノロジーベンチャー投資、
途上国での小規模・分散型投資に集まっていた。

(持続可能なエネルギーファイナンス のために何が必要?)

参加者の関心事が多様だったために、会場の雰囲気としての合意はあまり感じな
かったが、発言の中で目立ったものとしては、「補助金や税制優遇はもちろん促
進剤として重要。しかしもっと重要なのは、長期的な政策の安定性や制度の透明
性、分かりやすさ」というものだった。特に、事業や投資実務に携わっている参
加者からのものである。エネルギーインフラのための投資回収期間は一般的に長
いため、追い風の政策でもころころと変わると感じてしまえば臆病になってしま
い、政策頼みの事業計画では特に高リターンが必要な投資資金は近づきにくくな
る。筆者の感想だが、金融業界は例えば市場の過去のデータに基づいて何かを判
断することが身についているために、ころころ変わるものでも慣れていれば「ぶ
れの範囲内」と思えるところが、特に自然エネルギーについては風況の変動幅を
理解する方がよほど簡単、と受けとめられているのではないだろうか。

まとめとして、閉会式でのドイツ・トリッティン大臣が挙げた、ファイナンスを
促進するための4つの共通の前提条件を紹介したい。
? 初期投資を安くすること(製造コストの引き下げ)
? 安定的な法的枠組み(固定価格買い取り制か何かはともかく、長期安定性が
重要)
? 明確なターゲット(数値目標)
? 途上国向けの追加的な資金(国際金融機関を通した資金の流れ)

あえてこれに付け加えるとすれば、「自然エネルギーをメインストリームへ」と
いう雰囲気づくりが特に保守的な業界には必要だろう。(UNEP FIに署名してい
る欧州の銀行でさえも、持続可能性に関する企画担当部長は社内からは変わり者
だと思われているらしい。)

本会議でも再度金融は議題に上る。法・制度的な枠組みとお金の流れは、社会的
な価値観の表裏一体の表れだと考えるが、グリーンなお金の流れへの主体的な関
心がさらに高まるような、気の利いたまとまりになることを期待したい。

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