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【第1部 「国内外の自然エネルギー政策の動向」】
                     石川陽香(ISEPインターン)

 今年7月にREN21から発表された最新の「自然エネルギー世界白書20
10」によると、2009年も引き続き自然エネルギーへの投資や、自然エネ
ルギー設備の導入は世界的な伸びを示しており、特に2004年頃から各国で
の固定価格買取制度などの政策の導入により発電設備容量が指数関数的に増加
していることが示されている。こうした状況は今後とも続くと考えられており、
IEA(国際エネルギー機関)は2050年までに発電の50%を再生可能エ
ネルギーにするブルーマップシナリオを発表している。その実現に向けて、今
年発足したIRENA(再生可能エネルギー国際機関)では、これまで先進国
を中心に蓄積されてきた再生可能エネルギーのノウハウを、途上国を含む全世
界に広げるための基盤づくりを行っている。世界的な再生可能エネルギーの急
成長に対して、「自然エネルギー白書2010」では、日本国内の政策や導入の
現状を真摯に見つめ、将来のビジョンや地域のポテンシャル等を示している。


■基調講演:「Global Status of Renewable Energy Markets, Industry and Policies and Prospects for Japan」
講演者:Eric Martinot(Lead Author;REN21 Renewables Global Status Report,ISEP/WWI)

 ISEP研究部長のEric Martinot(エリック・マルティノー)氏からは、自
ら編纂をし、REN21から今年7月に公表された「自然エネルギー世界白書
2010」の内容をベースに世界の再生可能エネルギーの最新動向が紹介され
た。昨年1年間の再生可能エネルギーの発電能力に対する投資の増加により、
太陽光発電や風力発電などの発電設備容量の大幅な伸びが見られ、それらを促
進する各国・各自治体の政策が紹介された。そして、IEAが2008年に発
表した長期シナリオ(ブルーマップシナリオ)は、2050年までに、世界の発
電の約50%が再生可能エネルギーになるという低炭素シナリオを描いている
ことも示された。自然エネルギービジネスの雇用創出効果により、地域経済が
発展し、産業の競争力を高めることができる。今後、太陽光発電の買取価格が
さらに下がり、電気自動車なども取り込んだスマートグリッドでのエネルギー
貯蔵技術等の開発がされることにより、今後5年から7年はこの分野の成長が
続くと楽観的に捉えることができるという見解も提示された。

・発表資料(英語)
http://www.re-policy.jp/sympo20100701/101Martinot.pdf
・REN21:自然エネルギー世界白書2010(英語)
http://www.ren21.net/globalstatusreport/g2010.asp


■講演:「IRENAと再生可能エネルギーの動向」
講演者:Hugo Lucas(Program Manager,IRENA)

 IRENA(再生可能エネルギー国際機関)プログラム・マネージャーのHugo
Lucas(ヒューゴ・ルーカス)氏から、IRENAの体制や活動を中心とした紹介
があった。IRENAは、多くの発展途上国を含む加盟国に対して再生可能エ
ネルギーを導入する際のポテンシャルや政策立案などについてアドバイスを提
供しようとしている。そのために、IEA、UNEPなどの国際機関の専門家
と連携して情報を収集し、技術ロードマップを作成する。IRENAでは、国
際的に固定価格買取制度の普及を促進する活動を行っており、ドイツ、スロベ
ニア、スペインなどでの固定価格買取制度についての成功事例や失敗事例など
について各国の政権担当者へ情報を提供している。政策動向についても経過を
追って、トレンドを含んだ情報を各国の政権担当者へフィードバックすること
が重要であるとの認識を示した。

・発表資料(英語)
http://www.re-policy.jp/sympo20100701/102IRENA.pdf
・IRENAホームページ(英語)
http://www.irena.org/


■講演:「世界の再生可能エネルギーの技術展望と普及シナリオ」
講演者:Hans J. Koch(IEA RETD)

 IEAの再生可能エネルギー技術部門(RETD)の責任者で、デンマーク
気候エネルギー省のハンス・ヨルゲン・コッホ氏は、再生可能エネルギーの技
術が世界中に普及する可能性について言及した。世界の平均気温の上昇を2度
までに留めるという共通の目標を実現するには長期エネルギーシナリオ(RE
TDシナリオ)に従って、地球上の様々な社会がそのコストを負わなければな
らないという認識を示した。このシナリオ実現のためには市場の力だけでは無
理であり、電力供給と暖房冷房などの熱供給、そして交通の3つの分野での導
入メリットの定量化や、国際間の協力と政策の枠組みが必要であるとした。ま
た、系統電力拡充のための長期計画やその性能の向上、電力会社を含めたステ
ークホルダーの対話、教育の活動も重要であるという認識が示された。

・発表資料(英語)
http://www.re-policy.jp/sympo20100701/103IEA-RETD.pdf
・IEA RETDホームページ(英語)
http://www.iea-retd.org/


■報告:「日本国内の動向~自然エネルギー白書2010より~」
講演者:松原弘直(ISEP/JREPP事務局)

 最後に、ISEPの主席研究員である松原弘直氏から自然エネルギーに特化
した日本初の「自然エネルギー白書2010」について紹介が行われた。主要
な点は以下のとおりとなる。
 国内の自然エネルギーの導入の中で、太陽光発電については2006年度以
降、導入が伸び悩んでいるが、補助金の復活や新たな余剰買取制度の影響で昨
年度から盛り返している。国内で最も普及が進んでいる小水力発電(出力1万
kW以下)は、近年はほとんど導入されていないという状況である。最近注目
されているバイオマス発電は廃棄物発電の割合が非常に大きい。国内のポテン
シャルが大きい地熱発電は2000年以降新規の設備導入は無い。世界の再生
可能エネルギーに対する投資と発電容量は伸び、そして積極的な政策実施が行
われている一方で、日本は自然エネルギー導入状況の立ち遅れを今後どう取り
戻していくのか、政策上多くの課題がある。

・発表資料
http://www.re-policy.jp/sympo20100701/104JSR2010.pdf
・自然エネルギー白書2010
http://www.re-policy.jp/jrepp/JSR2010/

                    石川陽香(ISEPインターン)
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