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3.イベントレポート:自然エネルギー政策公開セミナー
            『全量全種の固定価格買取制度の実現に向けて』
                    矢嶋孝裕(ISEPインターン)

 2010年3月12日、法政大学市ヶ谷キャンパス内の薩た(さった:「た」
は土へんに垂)ホールで「自然エネルギー政策公開セミナー『全量全種の固定
価格買取制度の実現に向けて』」が開催された。このセミナーには、東京都、経
産省や環境省だけでなく、国家戦略室の梶山氏や、題名にもあるように、全種
の自然エネルギー分野からも専門家を招き、日本における自然エネルギーの代
表が一堂に会する貴重な機会となった。
 登壇者の発表を聞いていて顕著であったことは、日本の自然エネルギーにま
つわる規制等の政策のいびつさである。
 一例を挙げると、現行の固定価格買取制度は住宅用太陽光発電余剰電力に限
られており、小型風力等が併設されていると買取対象外となるなど、本気で自
然エネルギー利用を促進したいのかわからない制度となっている。
 日本において、自然エネルギーの利用を促進し、温暖化対策の柱とするため
には、やはり全量全種のFIT(固定価格買取制)が必要であろう。全量全種
FITを導入すると、事業の計画が立てやすくなり、それにより、金融機関や
投資家が自然エネルギー事業に投資しやすくなるため、全国各地で自然エネル
ギー事業が安定した形で爆発的に普及する可能性が開かれる。そして、そのた
めに、全量全種のFITだけでなく、自然エネルギーの種類ごとにそれぞれ詳
細な制度設計が必要となる。
 自然エネルギーの普及政策については様々な反対や慎重論が示されるが、そ
れらのいくつかは社会的な要因から説明できる。以下2点をあげる。
 第一に、全量全種のFITに対しては、「国民の負担が◯◯円になる」との慎
重論がみられるが、現在の電力供給制度を支えるために、燃料費調整制度や電
源開発促進税など、すでに電気料金以外の負担が利用者に課されていることが
考慮されるべきである。全量全種のFITだけが国民に広く負担を負わすかの
ような広報の内容・手段によって、この問題が出てきてしまったといえるだろ
う。
 第二に、風車の被害についても、日本より風車の密度が格段に高いデンマー
クでは、低周波や景観について大きな問題となるには至っていない。このこと
も日本とデンマークの間の風車の所有に関するルールの違い、という社会的な
要因から説明できる。
 ここで強調したいことは、上述の2つの問題は自然エネルギーに内在する本
質的な事項ではなく、現在の日本の社会状況との兼ね合いから生まれた問題で
あるということだ。そのため、21世紀の日本を取り巻く様々な変化に対応し、
今後、自然エネルギーを普及させていくための適切な政策が導入されるために
は、日本社会自体が変わっていかなければならないと考えられる。

                    矢嶋孝裕(ISEPインターン)
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