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2)第二セッション
    朴映熙(ISEPインターン/京都大学大学院地球環境学舎修士課程)

◆講演「世界における地域自然エネルギー政策」
                  エリック・マーティノー(ISEP)
 午前中の第1セッションに引き続き、「世界における地域自然エネルギー政策
というテーマでISEPのシニア・リサーチ・ディレクターであるエリック・マ
ーティノー氏の講演が行われた。マーティノー氏はREN21(Renewable Energy
Policy Network for the 21st Century)が発行するRENEWABLES GLOBAL STATUS
REPORT(世界自然エネルギー白書)の主筆であり、現在Global Status Report
on Local Renewable Energy Policies(地方自治体の自然エネルギー政策に関
する世界白書)草稿版を作成している。講演の内容は主にそれらの内容にもと
づき、世界各国の自然エネルギー政策や普及状況が披露された。
 その中で、特に太陽熱利用や風力発電において中国の躍進が際立ったという。
中国は農産物などを輸出して自国に必要な物資を輸入してきた時代から一歩進
み、自国の技術でエネルギー自給率を向上させようとする時代を迎えたようで
あった。
 なお、新規設備への投資、風力発電の新設など2008年自然エネルギー使
用においてトップランナーであるアメリカは、今年からオバマ政権の経済政策
「グリーン・ニューディール」が始動したので、今後、どのような変化が生ま
れてくるのかが一層楽しみである。
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◆パネル討論「都市圏の先駆的な気候変動政策の連携・協力」
 第二セッションのパネル討論は「都市圏の先駆的な気候変動政策の連携・協
力」がテーマ。コーディネーターを務められた千葉大学教授の倉阪秀史氏を始
め、東京都の宮沢浩司氏、横浜市の田中信一郎氏、神奈川県の池貝隆宏氏、埼
玉県の安藤宏氏、それから海外自治体としてスウェーデン・ヨーテボリのヘン
リエッテ・ソダーバーグ氏が登壇された。
 セッションの狙いは、都市圏の主要自治体による気候変動及び自然エネルギ
ー政策の政策協調の現状と可能性について討論することであった。日本では、
東京都を筆頭に様々な連携・協力が展開されているようだが、このパネル討論
を通してその最新動向を聞くことができた。
 なお、私の国である韓国では、各々の自治体が自然エネルギー政策を施行し
つつある。大邱(テグ)と光州(グァンジュ)を始め、自然エネルギーや気候変動
対策に積極的な自治体も少なくない。しかし、日本の自治体のような連携・協
力への取り組みはまだ出ておらず、むしろそれぞれのプライドのため競争して
いる有様である。
 自然エネルギー政策や気候変動対策において、海外との連携と情報交換、先
導国のノウハウに関する学習などは欠かせない部分である。しかし、自治体と
いうのはそもそもインターナショナルというイメージとは若干距離感がある存
在として認識されている。こういった弱点は自治体が連携して、国際的な関係
作りや情報交流などを行うことによって乗り越えられるのであろう。そういう
点で日本の首都圏の協力関係は、まだ完成型ではないものの、十分示唆を与え
る。
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◆パネル討論 「国内外の先駆的な政策と取組のケーススタディ」
 このセッションは、コーディネーターを務められた国立環境研究所の藤野純
一氏を始め、スウェーデンべクショー市(Vaxo)のユリア・アールロー氏、デン
マークサムソ島(Samso)のゾーレン・ハーマンセン氏、北九州市の柴田泰平氏、
ベルリン自由大学 ヤン・ベアマン氏、NPO法人環境市民のすぎ本育生氏(す
ぎは木偏に久)が登壇された。国内外の先駆的な事例報告に基づき、都市や地
方自治体のイニシアティブと社会変革の可能性について議論する目的で設けら
れたこのセッションは、各自治体の楽しい冒険話(?)で会場には始終活気の
ある笑い声が響いた。
 まず、海外自治体の事例紹介として、スウェーデンべクショー市のユリア・
アールロー氏が口火を切った。ヨーロッパで最も緑豊かな都市であるべくショ
ー市は、自ら成功の要因として以下の三つを述べた。
a)政治の理念を超えた合意(Political Consensus-decisions)
b)幅広い領域での協力及びネットワーク(Broad collaboration and networks)
c)資源及び資金のサポート(Resources-financial support)。
 次はゾーレン・ハーマンセン氏がデンマークサムソ島の事例を発表した。
1997年から自ら化石燃料からの転換を始め、風力を中心とした100%自
然エネルギー使用への道を歩んできたサムソ島の事例からは、100%自然エ
ネルギー使用という目標は単なる地球環境や気候変動に対する対策ではないと
いうことが感じられた。それは、地域の歴史や経験、住民の願いがこめられて
おり、次なる世代への配慮や未来への希望がギッチリ詰められていた。
 日本からは北九州の事例について柴田泰平氏が発表を行った。工業都市とし
て発展してきた都市は痛ましい経験を通して、今は日本の環境モデル都市とし
て先駆けている。その成功には民・官・産の積極的な協力が基になっている。
 蛇足ながら、私の知人の中で、仕事関係で日本に30年ぐらい住んでいた人
がいる。その人に、「一番住み心地が良かった地方はどこでしたか?」とくだら
ない質問をしたら、「多分、北九州かなぁ」とシンプルな答えをもらったことが
ある。当時には適当に受け流したが、今回のシンポジウムを通してその答えの
意味が何となく分かる気がした。
 パネル討論の中で、コーディネーターの藤野氏から「冒険」、そしてサムソ島
のゾーレン・ハーマンセン氏から「ヒーロー」というキーワードが提示された。
確かに自然エネルギーと気候変動へ取り組んでいる自治体はある意味で冒険を
していると言えるであろう。そして、自発的な取組から試行錯誤を繰り返した
結果、自然エネルギーの普及、持続可能で活気のある地域経済という花を咲か
せた自治体は間違いなくヒーローであろう。皆様もヒーローになってみません
か。

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    朴映熙(ISEPインターン/京都大学大学院地球環境学舎修士課程)


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