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6.需要を作り出す東京都の太陽熱政策パッケージ
                     山下紀明(ISEP主任研究員)

 前回のSEENでは欧州太陽熱エネルギー会議(estec 2009)での議論を紹
介しました。今回は東京都で進められている需要プル型の太陽熱の政策パッケ
ージについてご紹介します。
 太陽熱利用については国の後押しはほとんど無く、自治体においては設備設
置に対しての補助金と普及啓発が主でした。東京都ではISEPも積極的に協
力した2006年の「再生可能エネルギー戦略」、2007年の「気候変動対策
方針」の策定などを経て、「太陽エネルギー利用拡大会議」を開催し、太陽熱の
拡大のための課題と方策を検討してきました。(太陽光についても同時に検討)
 その後もISEPをはじめとするNPOや事業者、業界団体との協力・連携
を経て、次のような全国的な制度が構築されています。これは都内だけでなく、
日本全体の太陽熱業界の復権のために必要と考えられることから、働きかけを
行い、実現してきたものです。

(A)グリーン熱証書制度(太陽熱利用システムからの熱の環境価値を認め、
証書の形でやり取りを行うための仕組みであり、太陽熱の導入について金銭的
メリットを与える)
(B)太陽熱利用システム認証制度(製品の品質を担保するための制度)

 さらにこれらの制度を活用し東京都内において次のような制度が策定されま
した。
(1)一般住宅向け・・・上記(A)と(B)を活用した太陽熱利用システム
補助
(2)大規模建築向け・・(イ)自然エネルギー導入の検討義務付け(ロ)マン
ション性能評価制度(環境性能を表わすラベルの表示に太陽光・太陽熱の有無
を追加)
(3)公共建築物・・・省エネ・再エネ導入指針(公共建築の新築・改築にあ
たっては特に太陽熱の導入を促進するガイドライン)

 また来年度から始まる東京都の排出量取引のクレジットとしてもグリーン熱
証書制度が認められることが期待されています。
 これらの制度には「再生可能エネルギー戦略」で示された、需要側を重視す
る需要プルコンセプトと熱の特質を生かすという考え方が生かされています。

 こうした東京都の太陽熱関連施策をまとめると、以下の3つの特徴がありま
す。
(ア)再生可能エネルギー戦略からの需要プルコンセプトを継続して生かして
いること
(イ)太陽熱業界全体の活性化のための全国的な仕組み作りに連携して貢献し
ていること
(ウ)新たな制度を作るだけでなく、上述(2)のような既存の制度にも入れ
込み、各対象に応じて補助や義務付け、ガイドラインといった形で総合的に太
陽熱普及の仕組みをパッケージ化していること。

 こうした各制度作りが進められていますが、現時点では太陽光と比べ補助申
請件数も少なく、今後もさらなる普及のための取組が求められています。今後
の課題として環境金融の視点も重要です。太陽光発電では中小企業での導入促
進のための減税措置があり、太陽熱利用システムについても適用されることが
期待されます。

 最後に、ISEPが事務局を務めるグリーンエネルギー購入推進協議会の主
催で、これらの太陽熱の取組とグリーン熱証書に関するセミナーを8月27日
(木)に開催します(参考リンク参照)。残念ながらすでに満席となっておりま
すが、その様子はSEENやウェブサイトで紹介してまいります。

参考リンク
東京都環境局 太陽エネルギー利用拡大連携プロジェクト
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kikaku/solar/index.html
グリーンエネルギー政策環境セミナー 眠れる巨人 太陽熱とグリーン熱利用
の拡大を目指して
http://www.gepforum.jp/event/090827GEPFseminar/090827GEPFseminar.html

                     山下紀明(ISEP主任研究員)


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