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4.連載:あおもりエネルギー紀行 第4回
             やっぱり選挙で語られない「環境・エネルギー」
                     森治文(朝日新聞青森総局次長)

 総選挙が始まった。
 青森でも4区で自民、民主が事実上の一騎打ちを演じている。もともと自民
王国の青森だが、民主の追い風は予断を許さない状況だ。
 それにしても六ヶ所村を抱え、風力に原発と、この県にとって重要なテーマ
であるはずのエネルギーや環境問題の何と影の薄いこと! 青森の候補者の口
から出てくる言葉は「暮らしを守る」であり、「景気をよくする」「雇用を生み
出す」であり、もう少し具体的に言えば、「農家への所得補償制度」や、なんと
か手当など。不況が社会を覆う時代だから目先のお金が大事なことはよく分か
るが、何やらみんなで同じようなマニフェストを大声で叫んでいるような気が
してくる。
 全国同じ政党の候補者が金太郎飴のように同じ文言を唱えるのが果たしてい
いものなのか。地域から選出される国会議員の存在意義を環境・エネルギー問
題と結びつけて考えてみた。
 青森では長く、核燃料サイクル問題が国政選挙で争点になり得た。明確に反
対を言う社民と共産の公認候補がいた。推進する自民や煮え切らない態度でイ
エスという民主に対抗すべく、選択肢が存在した。ところが今回、六ヶ所村の
ある青森2区に、その社民と共産が候補者を立てなかった。それぞれの党の思
惑はあるだろう。社民は今回、民主との協力関係にかなり配慮しており、民主
支持者の一部の票を社民に回すという約束があると聞く。
 現実的には、社民が選挙区で勝利するのは至難の業。一方、比例東北ブロッ
クでは今、社民は一議席取れるかどうかの瀬戸際だ。共産党も同じく比例での
一議席獲得に必死だ。自民を政権から引きずり降ろしたいが、民主一人勝ちし
すぎてもと考える人に、「選挙区は民主、比例は共産」と思わせる作戦だ。いず
れも現実的な判断だとは思うが、反核燃票は今回、確実に宙に浮く。一方で、
民主を支援する連合青森のなかで、電力総連は、4年前の青森市長選で反核燃
を掲げた候補を応援したという理由で、青森1区の民主公認候補にくみせず、
自主投票とする執念深さをみせているというのに。

 自然エネルギーもまったく選挙で語られない。環境は票にならないとはよく
言われることだけど、風力発電が盛んな土地でもやっぱりという感じだ。幣紙
のアンケート調査で青森の小選挙区の候補に聞いてみても、どこの公認候補も
だいたい党のマニフェストをなぞるだけ。青森という地方が持つ風力や農林漁
業のポテンシャルを強調し、低炭素社会に貢献しつつ、今問題になっている雇
用や景気回復、第一次産業振興の青写真を描くなんていう政治家が一人でもい
ればいいのにと思う。

 有権者が食いつきたくなる「にんじん」を目の前にぶらさげるだけでは、い
つか、にんじんはなくなってしまう。にんじんを供給する大きなビジョンを示
せないものか。雇用情勢にくわしい地元の研究者は言っていた。青森は、全国
一律の経済政策をあてにしても、いつまでも恩恵に預かれない。例えば、バブ
ルの時でさえ、有効求人倍率が0.7倍ほどだった。利益誘導というと聞こえ
は悪いが、地方選出の国会議員を目指すのなら、訴える中身も東京で作ったマ
ニフェストだけじゃ困るのである。

 マニフェストは大事だと思う。でも、全国どこでも、同じマニフェストを丸
暗記して訴えればいいというものではない。まあ、追い風の吹いている党が、
再生可能エネルギーの固定買い取り制度を導入するというから、青森にとって
は結果オーライなのだけど。

                     森治文(朝日新聞青森総局次長)


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