上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
7.自治体環境エネルギー政策の最新動向
                      山下紀明(ISEP研究員)

 前回のSEENでは世界的な視点での自治体の環境エネルギー政策の最前線
を紹介しましたので、今回は昨年度にISEPが行った自治体環境エネルギー
政策の最新動向について紹介したいと思います。
 自治体における戦略的な気候変動政策とは何でしょうか?端的には、長期か
つ大幅な目標値を持ち、明確な未来像を示すコンセプトを掲げ、その実現に向
けての政策や仕組みをしっかりとパッケージで持つことと考えています。これ
は現状を延長するフォアキャスティングではなく、将来像から進むべき道を定
めるバックキャスティングの考え方に基づいていると言えるでしょう。
 今回の調査では最も基本的な二酸化炭素および自然エネルギーの目標値とそ
の内容などについて、全国都道府県および政令指定都市の動向を調査しました。
主な調査項目は次の5つです。(1)二酸化炭素排出削減目標 (2)自然エネ
ルギー目標値 (3)グリーン電力・熱証書についての取り組み (4)具体
的な温暖化対策・自然エネルギー普及政策 (5)温暖化対策推進主体と連携、
です。

 順に見ていきたいと思います。
(1)自治体の二酸化炭素削減目標値は着実に高まっています。これは環境エ
ネルギー政策への取組みが活発になっていることの表れでしょう。京都議定書
の目標値に合わせ、2010年前後に-6%前後に設定している自治体が大半
ですが、東京都や横浜市など一部の自治体が率先して長期の高い目標値を設定
しています。これは地球温暖化対策地域推進計画や実行計画の策定・改定や環
境モデル都市の申請などにより長期かつ大胆な目標値が検討されていることが
大きく影響していると考えられます。
(2)自然エネルギー導入の目標値も確実に高まっています。自然エネルギー
目標値の設定方法は様々であり、設備導入量、エネルギー生産量、分野ごとの
シェア、供給側と需要側などが主です。二酸化炭素排出削減目標と同じく
2010年前後の目標設定が多いのですが、東京都(2020年20%利用)
や佐賀県(2020年10%)など2桁のシェアの目標値を持つ自治体が見ら
れます。前回も紹介した通り、東京都は、ISEPが提唱してきた「需要プル」
の考え方に基づいた需要側の目標設定を行っており、他自治体でも同様の考え
方での記載が増えています。
(3)グリーン電力・熱証書を活用した支援制度の立上げが各地で行われ、独
自の先進的な制度が生まれています。各自治体で独自の先進的な環境エネルギ
ー政策の開発を進めるとともに自治体間での統一したスキームや連携が期待さ
れます。
 グリーン電力証書はイベント等への利用が中心ですが、さらに、公共施設へ
の一定割合のグリーン電力証書の調達義務付け、電力の競争入札時の加点項目、
太陽光発電の補助スキームとしての利用など新しい仕組みが開発されています。
また東京都ではISEPが概念開発してきたグリーン熱証書を都の政策の中で
実現し、ISEPとともに環境省やグリーンエネルギー認証センターなどに働
きかけ、制度構築に大きな役割を果たし、2009年度からの太陽熱支援制度
に利用しています。
(4)調査項目の中では太陽光発電設備への補助が最も一般的な自然エネルギ
ー普及政策です。温暖化対策計画書制度は創設・改定検討中のものを含め、採
用自治体が増加しています。新築建築物への自然エネルギー導入・省エネ計画
の策定義務はいくつかの自治体で導入・検討が進められています。
(5)では横浜市の温暖化対策事業本部のように連携・推進を担当する組織も
あり、これまで環境部署のみによる環境行政から、全庁的な取り組みが求めら
れることを体現していると言えます。
 これらの調査を通して、今後求められることとして、まず自治体間・地域間、
国との連携推進、政策連携が挙げられます。ISEPとしてもグリーンエネル
ギー購入フォーラムなどを立ち上げて自治体間の連携を推進しており、より一
層の自治体環境エネルギー政策研究の推進を行っていく予定です。さらにポー
タルサイトなどによる自治体の環境エネルギー政策に関する情報提供も有用と
考え、ポータルサイト「自治体グリーン政策の窓」を立ち上げました。
 これらの情報は別記事にて様子が紹介されている3月28日のシンポジウム
において報告を行い、「自治体グリーン政策の窓」でもご覧になれます。
 早速地球温暖化防止条例の一覧があれば非常に有用であるというご意見をい
ただいており、他にもこうしたデータが欲しい、あれば活用されるはずだ、と
いうご意見があればぜひお送りいただければ幸いです。
 ちなみに、前回のSEENを自分で読んでみたところ、あまりに堅苦しいの
で、今回はですます調にしてみました。

参考リンク
自治体グリーン政策の窓
http://www.climate-lg.jp/

                      山下紀明(ISEP研究員)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://isepseenarchive.blog88.fc2.com/tb.php/381-33ebe6c2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。