上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2.マルチ・ステークホルダー「モノローグ」?(大林ミカ)

RES2004が始まった。ドイツ連邦政府環境省・経済協力開発省が共催し、154の
国々から3,000人の代表たちが参加している。初日の開会式(?)では、トリッ
ティン環境大臣を始めとして、ボンの市長や、ヴッパタール研究所前所長である
社民党のフォン・ヴァイツゼッカー議員、インドのパチャウリ博士などが次々に
挨拶した。トリッティン環境大臣は、自然エネルギーですでに53,000tの二酸化
炭素を削減していること、ここ数年で太陽光発電のコストが半額になったことな
どを紹介、政策的成功が重要であることを強調し、ヴァイツゼッカー議員は、市
民社会の取り組みを政治によって実現化し、政策に取り入れていくことの重要性
を指摘した。でも、最も印象的だったのは、Greenpeaceが主宰する「ソーラー・
ジェネレーション・キャンペーン」に参加する途上国や先進工業国の10代の若者
たちが、特別スピーチを行った部分だった。地球温暖化の影響で洪水や嵐に見舞
われている南アジアから来た14-5歳の少女は、わたしたち代表団(Delegation)
の交渉が彼らの未来を握っていることをしっかりとした言葉で語った。交渉に関
しても、具体的で法的拘束力のある目標値の設定と、時間設定を伴う具体的なア
クションが必要なことを訴えていた。

開会式後の会議開始の初日は、さまざまなステークホルダーが集まって議論を交
わす場「マルチ・ステークホルダー・ダイアログ」が開催された。驚いたのは、
全部で130人近くの市民社会のステークホルダー(産業界や研究者も含む)から
の代表は、日本人ではわたし一人だったことだ。政府のプレゼンスだけではな
く、環境NGOや企業も含めて、世界の自然エネルギー関連業界での日本のプレゼ
ンスの低さを改めて認識させられた。

会議そのものは、市民社会と政府の対話のはずだったが、実際には「ダイアロ
グ」(対話)ではなく、「モノローグ」(独白、独り言??)に近かった。本会
議で発言を保証されている少ないNGOを除いて、政府と交渉できる唯一の機会な
ので、NGOたちは戦略を練ってどの発言が最も有効かを議論してきた。NGOの中で
も、環境NGO(昨日レポートしたCURESがコーディネート)の発言が重視されてい
たのは確かだが(4つのセッションのうち3つで会議冒頭のサマライズをした)、
ばらばらに意見を述べる各国政府の発言が相次いで、残念ながら対話にはならな
かった。わたし自身は、自然エネルギーを進める枠組みと規制措置に関わるセッ
ションでの発言枠を取ってもらっていたが(タイムフレームを伴う強いターゲッ
トとすでに成功が実証されている政策措置の提言は当然のこととして、フレーム
ワークとしても、従来の政府to政府の枠組みではない市民社会と地域のイニシャ
ティブを促進できる政策の重要性に関する発言)、「マルチ」のステークホル
ダーが決まった時間内に議長の指名で発言するので、結局は、環境NGOは、最初
のサマライズしか発言させてもらえなかった。

その意味では、今までNGOが批判してきたMSDの枠組みが露呈した結果だろう。本
気で自然エネルギーの促進と持続可能性を考えるなら、特に環境NGOを中心とし
たNGOの参加は欠かせない。単に言いっぱなし・聞きっぱなしの議論は必要な
い。

ただ、その中でも、特に規制措置の枠で、CURESが主張した高い目標数値の設定
とそれを実現するための具体的で実効性のある政策措置(もちろん、固定価格買
取制度を指す)は、非常に説得力ある発言だった。残念なのは、日本の直接の政
策担当者が席を外してしまっていたことだ。世界の環境NGOが求める高い数値設
定と強力な政策措置の主張を是非聞いて欲しかった。

その他には、サウジアラビアの「石炭と原子力への補助金が多すぎる」(←石油
をサポートするめに主張。でも石炭と原子力にかかっている資金全体よりも、石
油の補助金や、石油保護・獲得のためにかかっている世界全体の資金の方が、膨
大なんですけど・・・)と、わたしも賛成できる(?)主張や、トーマス・ヨハ
ンセン氏が外部コストを考えたときに自然エネルギーが非常にコスト・エフェク
ティブになるとe5に返答した部分が印象的だった。←この部分は確かに「対話」
だった。

日本政府は、4つ目のキャパシティー・ビルディングの部分での発言を準備して
いたようだが、議長に指名されず、最終サマライズの後で発言した。内容は、主
には途上国へのPVメンテナンスによる貢献を述べていた。もっと強い自然エネル
ギーへの貢献が必要なのは明らかだが、内容より問題なのは、やはり今朝のNGO
のミーティングでも、日本政府が「問題政府」(problematic country)として、
アメリカ、フランス、オーストラリアと共に報告されていたことだった(みんな
は"it's nothing new report."と反応・・・)。

それから、年金問題のせいで、閣僚、副大臣、政務官の海外出張が全て禁止に
なったと聞く。各国が大臣を送り込む中で、やむを得ない事情によるとはいえ、
昨日レポートした政務官の参加も中止になってしまった。

しかし、最初は「時間がない」と断られていたのだが、RES2004に参加している
民主党の奥田議員が外務省に申し入れてくれたことで、日本政府代表団と環境
NGOとの会見が実現しそうなことなど、充分ではないだろうがこちらが働きかけ
てきた「対話」もできそうだ。

まだ会議は始まったばかり。これからの展開に期待したい。

----
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://isepseenarchive.blog88.fc2.com/tb.php/37-c928a046
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。