上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
1.ドイツと日本の時差 (飯田哲也)

自然エネルギー2004は、トリティン環境大臣による開会宣言を皮切りに始まっ
た。トリティンは、この会議が地球規模の環境保全と「公正」な開発に向けたシ
グナルを送ることを目的としており、自然エネルギーを研究開発からビジネスの
領域にシフトさせることの重要性を強調して、「自然エネルギーの時代」の幕開
けを宣言した。折しも原油価格が高値を更新し続けていることで、否が応でも自
然エネルギーへの注目が高まる中での開幕となった。

本会議における初日の愁眉は、マルチ・ステークホルダーによる対話(MSD)で
ある。長谷川報告にあるように、多様なステークホルダーの参加と討議のプロセ
スは、NGOがオブザーバーとして参加する従来の国連システムを一歩進めた新し
い試みである。ただし、時間の制約もあり、本会議での「対話」は、あらかじめ
発言順も時間も決められたもので、一部からは「対話」(ダイアログ)ではなく
「一人語り」(モノローグ)だと揶揄されている。もちろん、限られた本会議だ
けで評価するのではなく、MSDのベースとなった自然エネルギー2004の国際運営
委員会(ISC)やこの先のフォローアッププロセスを含めた大きな構図から、実質
的な意思決定プロセスの変化を見極めることが必要だろう。

さて、初日はISEPのサイドイベントも行われたので、簡単に報告したい。このサ
イドイベントは、この1月にヴィッテンベルグ(ドイツ)で行われた日本(ISEP
およびGEN)とドイツ(マルチン・ルター大学およびエコ・セントルム)との自
然エネルギー政策会合が出発点にある。2月にはドイツから緑の党のハンス・J
・フェル議員を招いて日本で第2回のワークショップを開催し、そこに韓国から
「ソーラー都市会議」(ISCC)が参加するかたちで、日本-韓国-ドイツという3カ
国共同のサイドイベントとなった。 詳細は、後日報告する予定だが、円卓会議
では、日韓独の3カ国の協働によって、国際社会に対してどのような貢献が可能
か、その具体的なアクションプランを抽出することを目的に討議した。ドイツか
らはヘルマン・シェア議員やフェル議員、韓国からは11月にソーラー都市会議を
主催するテグ市の金副市長、日本からは、河野太郎衆議院議員、鮫島衆議院議
員、奥田衆議院議員、ユーラス堀会長など3カ国からの報告のほか、「第3者」
としてクリストファー・フレイビン(WWI)やグンナー・オレンセン(デンマー
ク)からの貢献を得て、充実したサイドイベントとなった。とりわけ、3カ国と
もエネルギー資源に恵まれず、競争力のある技術集約的な産業を抱え、さらには
フランスの家族社会学者エマニュエル・トッドによれば同じ「直系家族」に類型
され、類似の政治文化を持つとされているなど、3カ国には共通点が多く、日韓
が後を追いかけることは時間の問題であるとの確信を持った。11月にテグ市で次
のワークショップを持つことを約束して、サイドイベントを終えた。

この日は、突然に、トリティン環境大臣とのNGO会合に参加することとなった。
ドイツ環境フォーラムのユルゲン・マイヤーとWWFのジェニファー・モルガンを
「団長」にわずか7名のNGO代表者との「戦略会合」である。短い時間で必ずし
も十分な意見交換ができたわけではないが、NGOが会期中にカギを握っている環
境大臣と、こうしたダイレクトのコミュニケーションが取れることも、かたちを
変えたMSDの開かれたプロセスの一つといえよう。

それに比べて、NGOから要請していた日本政府とNGOや国会議員との会談につい
て、「合う時間がない、合う意味がない、合う必要がない」と拒否していた経産
省だったが、奥田議員の取り計らいで外務省が間に入り、3日夜に会談すること
となった。時機としては「事後報告」のタイミングである。トリティンとの会合
と比べると、政治的な意思決定において、まだまだドイツとの時差は大きい。

ところで、ISEPの活動を支えるスタッフを紹介しておこう。MSDに登録参加して
いる副所長の大林ミカさんを筆頭に、事実上の事務局長として取り仕切っている
笹桃さん(笹川桃代さん)、ロジとコンテンツの両面で超人的な活躍をしている
小圷一久さん、ボランタリースタッフにはドイツ留学中の近江まどかさん(元A
Seed Japan)と逢沢澄香さん(京女飯田ゼミ生)という陣容で、サイドイベント
がトラブルもなく運営されたほか、国会議員の登録やアテンドなども滞りなく対
応されている。河野太郎さんからあらためて指摘されたのは、女性の方が圧倒的
に多いという事実であった。感謝。

<< 6月1日(火)本会議プログラム >>

テーマ:【開幕セッションと関係者の対話】
(マルチ・ステークホルダー・ダイアログ、MSD)

本会議I オープニングセッション(9:00-10:00)

本会議II 関係者間の対話(MSD)(11:00-13:30)
II-1自然エネルギーの重要性、価値、貢献
II-2自然エネルギーの促進へ向けて:政策フレームワークと規制措置の確実性

本会議III 関係者間の対話(MSD)(15:00-18:30)
III-3 将来への財政措置
III-4 能力開発(キャパシティ・ビルディング)

----
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://isepseenarchive.blog88.fc2.com/tb.php/36-71998c4b
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。