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2.COP14レポート
                     北橋みどり(ISEP研究員)

 ポーランドのポズナンで行われていた、COP14(第14回気候変動枠組
条約締約国会議)、COP/MOP4(第4回京都議定書締約国会議)は、大き
な進展がないまま12月13日に閉幕しました。
 来年コペンハーゲンで行われるCOP15で、京都議定書の次の枠組みを合
意するための今後1年間の作業プログラムがなされました。しかし、長期の世
界全体の温室効果ガスの削減目標など重要な議題の多くは持ち越され、コペン
ハーゲンの合意を加速させる役目を果たすことはできませんでした。

■削減目標
先進国に強く求められていた中期目標の設定に関しては、日本が「来年の適切
な時期に発表する」とし、カナダ、オーストラリアからの目標を表明もなく、「2020年までの25~40%の削減幅」と明確に記述されることがありま
せんでした。長期目標に関しては、メキシコが2050年までに50%の削減
の意向を示すなどのシーンもありました。しかし、「世界全体で2050年まで
に温室効果ガス排出量を半減」という文言は、先進国の十分なコミットメント
がないままに削減目標を求められることを懸念する途上国の反発もあり、こち
らも合意に至りませんでした。

■日本の交渉について
 この会議で、日本は「化石賞(Fossil of the Day)」をたびたび受賞するこ
ととなりました。温室効果ガスの中期の削減目標を示さない、削減の基準年を
1990年から現在へ変更する提案を行う等の交渉への後ろ向きな態度が主な
理由です。また、シャワーを浴びる時間を短くすることなどの国民運動を国内
対策の柱のひとつに位置づけていることに大使、削減意欲が疑問視する声も出
されました。
 日本政府が提案していた、「セクター別のアプローチ」については、効率を指
標とする考え方等に一定の賛成もありましたが、その積み上げによる低い削減
目標に難色を示す声もあり、最終的に文書から外されることとなりました。

■その他の議論
 すんなり終わるかと思われた会議ですが、途上国が温暖化の影響に対応する
ための資金(適応基金)の拡大をめぐり、交渉は最終日夜中までもつれ込みま
した。資金拡大のためにクリーン開発メカニズム(CDM)に適用されている
課徴金(share of proceeds)を共同実施(JI)や排出量取引にも適用するべ
きというG77+中国、適応対策にも優先順位をつけて行うべきとする先進国
などと議論がかみ合わず、やはり議論は持ち越され終わりました。
 「途上国における森林減少からの排出量削減(REDD)」の議論では、森林
減少対策の際に先住民族の権利や、生物多様性へ配慮するという記載が削除さ
れた時があり、会場にいた、先住民族やNGOからの反対が相次ぎ、後日、文
書に再び盛り込まれるという一場面もありました。

 交渉では自然エネルギーというキーワードが語られることはほとんどありま
せんが、先進国の削減ポテンシャルも、途上国の持続可能な発展にも自然エネ
ルギーの推進が欠かせないことは言うまでもありません。COP会場内では、
多くの自然エネルギーに関するサイドイベントが開催されていました。また、
時を同じく発表されたEU候変動パッケージでは、EU全体で再生可能エネル
ギーを20%に引き上げることを盛り込んでいます。
 しっかりと国内の削減目標や施策を持ち、(「化石賞」の表彰式でもらえる)
石炭トロフィーでなく、自然エネルギーを掲げ、世界を持続可能な社会へと導
けるようにしていきたいですね。

                     北橋みどり(ISEP研究員)


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