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2)南信州で広がる地域エネルギー
              柳沼佑貴(おひさま進歩エネルギー株式会社)

飯田市を含む南信州地域で新しい地域エネルギーの動きが始まっている。
南信州の15自治体などが主体となり計画した「南信州・地球温暖化防止エコ
推進事業」が、10月1日に環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」
に採択され、10月18日、補助事業の受け皿となる南信州広域の地域協議会
が立ち上がった。協議会は南信州15自治体と南信州広域連合、県の出先機関
である下伊那地方事務所、そして環境NPOの南信州おひさま進歩、地域の金
融機関である八十ニ銀行、飯田信用金庫で構成され、官と民がパートナーシッ
プを組んで事業を行う、いわゆるPPP(パブリック・プライベート・パート
ナーシップ)事業という形をとり、南信州という広域で自然エネルギーや省エ
ネルギーを推進していく。

事業内容は主に自然エネルギーや省エネルギーなど地域に根ざしたエネルギー
の導入である。その導入方法として環境省からモデル性を買われたのが「市民
出資」と「サービサイジング」という二つの事業形態である。
そもそもこの事業形態は、南信州地域最大の自治体である飯田市が2004年
から2006年の3カ年にかけて行ったモデル事業の流れを受けており、飯田
市のまほろば事業の一部を請け負う形でNPO法人南信州おひさま進歩を母体
に誕生した「おひさま進歩エネルギー有限会社」が市内で太陽光発電と小規模
エスコ事業を行う際に取られた手法である。この市民出資というファイナンス
モデルを用いたサービサイジング事業は成功を収め、日本各地から大きな注目
を集めている。今回の広域での事業は、この成功事例が飯田市から近隣15市
町村へと波及する形となる。

市民出資というファイナンススキームの特徴は、市民から出資を募って事業を
行うことを通じ、身近なお金を社会貢献に結びつける仕組みである。銀行や郵
貯、国債など従来型の投資は資金の使い方が不透明で、場合によっては戦争や
環境破壊の資金調達に使われる可能性がある。市民出資はより直接的に投資先
を選べる方式であり、社会や環境のためにお金を回したいという「意志のある
お金」が社会で活かされる仕組みである。今回の市民出資は、全国市民の「温
暖化防止のために何かしたい」という想いを「持続可能な社会モデル」への投
資という形で実現させることになる。

サービサイジングの特徴は「モノ」を売るのではなく、「機能」や「効果」を売
るという形式にある。たとえば大手電機メーカーが行っている照明関係のサー
ビサイジング事業では、電球というモノを売るのではなく、「明かり」という機
能をサービスとして提供する、という考え方である。メリットは、サービス提
供者にとっては、機器を専門性の高い管理者に最適な維持管理をさせることが
できる点、利用者にとっては機能の維持やファイナンス面での支援など総合的
なサービスを受けられる点で、事業者及びサービスの利用者の双方に利益を生
じさせている。自然エネルギーや省エネルギーの導入には、利用者にとって様々
な課題が伴うが、この事業形態を取ることにより、専門家による総合的な支援
の提供と、地域での自然エネルギーや省エネルギーの最適な普及拡大が可能に
なる。

追加的な特徴として、今回の事業ではサービサイジングにおける初期投資に市
民出資のお金を使うことで、利用者は初期投資なしで自然エネルギー、省エネ
ルギーの導入が可能となり、地球温暖化防止対策を講じられる点が挙げられる。

「南信州・温暖化防止エコ推進事業」は10月22日から地域内での事業の公
募を開始し、協議会には応募案件が続々と集まってきている。いわば、地域エ
ネルギーの芽である。はじめにも述べたように、この協議会は官・民両方の主
体から構成されており、当然蓄積される情報も非常に豊富である。これまでの
経験と情報を生かして協議会が事業を推進するインキュベーターとしての役割
を果たして南信州一帯が持続可能な社会のモデルとして少しでも前進すること
を期待したい。

              柳沼佑貴(おひさま進歩エネルギー株式会社)


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