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2. 連載「光と風と樹々と」(17)「東北新幹線全面禁煙の日来る」
    付録1 映画「不都合な真実」の上映地域は43都道府県に
    付録2 宮城県民が育てた浅野前宮城県知事
               長谷川公一(環境社会学者 東北大学教員)

■東北新幹線全面禁煙に
 仙台に住んでいるので、東北新幹線をよく使う。3月18日から、JR東日
本管内の新幹線や特急列車がすべて、全面禁煙になる。私のように、気管支が
丈夫でなく、タバコの煙に弱い人間にとって、こんなにうれしいニュースはな
い。
 1984年に仙台に来て23年になるが、この23年は、禁煙車両が漸増し、
いつのまにか多数派になり、喫煙車両は次第に消え、ついにゼロになるという
歴史となった。環境問題の中でも、こんな進展は珍しい。JR東日本の英断を
高く評価したい。企業イメージにも大きく資するだろう。
 
■喫煙席しか空いていない!
 仙台に来たばかりの頃は、禁煙車両は自由席車両と指定席車両に1両づつし
かなく、しかも禁煙車両は2両目などのように端の車両だった。禁煙車両はす
ぐにふさがったので、喫煙車両に座ることを余儀なくされ、喉がいがらっぽく
なり咳き込みながらも、約2時間、タバコの煙をがまんさせられることがしば
しばだった。帰宅すると、頭髪にも衣服にもタバコの臭いが染みついて、なか
なか抜けなかったものである。禁煙車両に2時間立ち尽くすか、喫煙車両で耐
えるか、いずれにしろ苦渋の選択を強いられたものである。
 数年前だったか、逆転して禁煙車両の方が多くなったときは、心底うれしか
った。さらに2004年3月から喫煙車両が自由席車両と指定席車両に1両づ
つになったときには喝采したものである。最近は10両編成の「はやて」の場
合、喫煙車両は1両のみ、残り9両は禁煙車両だが、それでも指定券の売れ行
きは禁煙車両の方がよく、禁煙車両が満席で、喫煙車両ならまだ空いているこ
とがよくあった。客側の行動も変わってきたのである。今回の英断は、喫煙車
両からの煙による受動喫煙の可能性に対する乗客からの苦情に対応したもので
もあろう。2002年8月に制定された「健康増進法」の25条で、「学校、体
育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、
飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者
について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙
を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めな
ければならない」と、受動喫煙の防止が明文化されたことの影響もあるだろう。
23年前、小さくなってタバコの煙をがまんせざるをえなくなった非喫煙者は、
いつのまにか多数派になっていたのである。
 「受動喫煙の防止」というかつての非常識が、いつのまにか「常識」になっ
たともいえる。喫煙をめぐる常識は大きく転換を余儀なくされたのである。

■嫌煙権訴訟の意義
 全面禁煙化に至るプロセスの中で、特筆すべきは、嫌煙権運動と嫌煙権訴訟
がはたした役割である。弁護士の伊佐山芳郎らが、1980年4月7日に、当
時の国鉄・国・日本専売公社などを相手に、国鉄車両の半数以上を禁煙化する
ことなどを求めて起こした民事訴訟は、1987年の一審判決で敗訴はしたも
のの、裁判中から国鉄・JRの禁煙車両が次第に拡充される大きな契機となっ
た(そのため原告らは控訴しなかった)。非喫煙者の権利を主張し、交通機関や
公共施設側の法的な責任を追及したことの意義は大きい。

■都市度と喫煙度の反比例
 国内的にみても、国際的にみても、禁煙席の充実ぶりと喫煙者の割合の少な
さは、都市度のバロメータとみることもできる。一般に都市的であるほど、喫
煙者は少なくなり、禁煙席が増え、その逆もまた成立するようである。国内で
も海外でも、いなかにいくほど、喫煙者が増える傾向がある。

■対応の鈍いJR東海
 東海道新幹線を運行するJR東海は、禁煙対策が鈍く、のぞみの場合、禁煙
車両は16両編成中、12両にとどまっている。JR東日本からみると、3年
以上遅れているといえる。
 それでもこの7月から導入されるN700系新型車両は、全面禁煙化される
し、一部の特急はこの3月から全面禁煙化される。
 
□付録1 映画「不都合な真実」の上映地域は43都道府県に
 本MLの昨年11月号、「光と風と樹々と」(16)で、アル・ゴア元副大統
領の映画「不都合な真実」を論じたが、3月17日から仙台市・盛岡市・山形
市でもいよいよ上映が始まる。「不都合な真実」の公式サイトで、公開劇場をチ
ェックしてみると(http://futsugou.jp/theaters/index.html)、青森市・八戸
市・秋田市・福島市でも4月から上映予定である。当初は東京・大阪など大都
市だけだったのが、クチコミとメディア報道によって人気がひろがり、上映中・
上映予定は、ついに43都道府県までに至っている。上映予定に含まれていな
いのは、奈良・香川・徳島・鳥取の4県である。これもまたこんな地味な映画
があたるはずがないという「常識」が転換した好例であろう。

□付録2 宮城県民が育てた浅野前宮城県知事
 浅野史郎前宮城県知事の出馬宣言で、東京都知事選ががぜん面白くなったこ
とは、宮城県民としてはとても興味深い。ただし浅野氏出馬に関する全てのメ
ディア報道が忘れているのは、浅野前県政は、私たち宮城県民が育てたものだ
という当然の真実である。最大の成果である「情報公開」も、彼が単独でやっ
たことではなく、むしろ事実は、市民オンブズマンの要求に応えて、市民オン
ブズマンとのつなひき、かけひきの中で、次第に現実化したものである。事実
関係を調べればすぐにわかることである。半面では人材不足を露呈したともい
えるが、都知事選にスカウトされるような前知事を育てあげたことを宮城県民
は誇っていい。
 そして4月8日の投票日に試されるのは、東京都民である。

               長谷川公一(環境社会学者 東北大学教員)


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