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1. 「自然エネルギー2004」開幕! (飯田哲也)

ボン(ドイツ)では、本日からいよいよ「自然エネルギー2004」が開幕する。
ISEPでは、さまざまな方からの寄稿を織り交ぜて、日々の動きをお伝えする。

すでに5月28日あたりから、地球の友などが主催する「若者エネルギーサミッ
ト」(YES 2004)や「第2回世界自然エネルギーフォーラム」(World Council for
Renewable Energy, WCRE主催)などの事前イベントが始まっており(長谷川報告
を参照してください)、中央駅や街角のあちらこちらに自然エネルギー2004のポ
スターが貼られているなど、ボンは「自然エネルギーサミット」一色になってい
る。会議参加者には市内の公共交通がすべて無料で開放されるというオマケつき
だ。

自然エネルギー2004は、1日から4日にわたる本会議のほか、自治体リーダー会
議、国会議員会議、自然エネルギービジネスフォーラム、自然エネルギーファイ
ナンス会議の4大関連イベントを筆頭に、さまざまな機関の主催するサイドイベ
ントが数多く予定されている。当研究所でも2つのサイドイベントを共催してお
り、そのうち本日は、ドイツ(マルティン・ルター大学)や韓国(キョンボク国
立大学、テグ市ソーラー都市会議)の協力を得た当研究所主催の円卓会議を行
う。

自然エネルギー2004の特徴は、従来からの国連の公式会合のレジームから「半
歩」外に出ていることである。国連の公式会合は、あくまでも「政府」間会合が
中心であり、環境NGOも「市民社会」(Civil Society)と持ち上げられてはいるも
のの最後は政府間交渉の中には入れないし、国会議員ですら交渉に関与できな
い。ところが、ヨハネスブルグサミットの経緯もあって、国連の公式会合ではな
いがゆえに、多様な関係者が対等に近いかたちで参加し、討議できる新しい国際
会議の構造を見ることができる。それが自治体リーダー会議や国会議員会議であ
り、とりわけ「マルチステークホルダー会合」と呼ばれる会合である。当研究所
からも大林副所長が正式参加をしている。

とはいえ、会議の後半2日間は、閣僚級会議が予定されていて、やはりそこが自
然エネルギー2004のヤマ場であることは間違いない。したがって、その「政治的
宣言」の草案をめぐって、早くも日本政府の「暗躍」が始まっている。宣言の中
にある「自然エネルギーを最重要なエネルギーに位置づける」という文言に日米
が強く反対し、自らの「新エネルギー政策」を正当化するために「クオータ制
度」(いわゆるRPS制度)の文言を盛り込むことを日本政府が強く主張して譲ら
ないらしい。日本でははっきりと失敗している政策を、何の論理的・事象的な説
明もないまま、ゴリ押しする傲岸で自己都合しか考えていない対応にはあきれか
える。

こうした政府の対応から浮かび上がるのは、政府が社会全体から見れば明らかに
正統性のない振る舞いをしているにもかかわらず、それを法形式的に「正統性」
し、場合によっては「悪用」すらしていることだ。こうした「政府の劣化」は、
自然エネルギー政策に限らず年金制度などでも見られるし、日本政府にも限られ
ない現象だ。それを考えると、自然エネルギー2004の会議事務局の用意した「政
治的宣言」の草案は、すべての条項で「政府と省庁は」という主語で始まってい
るという点で、古いレジームに引きずられすぎていることに限界がある。最終日
に向けて、この宣言の文言をめぐる論争や駆け引きが加熱するだろうが、仮に
「こちらが勝った」ところで日本政府はそれを無視してサボタージュするだろう
し、「向こうが勝った」場合には、政府はプロパガンダに利用することだろう。

この自然エネルギー2004を出発点として、こうした旧来の「政府間交渉」という
レジームを超えるフォローアップの枠組みをつくることを目指すべきではない
か。すでに、実質的に正統性を失いつつある政府をスキップするか、少なくとも
その「妨害」を回避するようなかたちで、地方自治体やNGO・市民団体、事業者
など、多様な当事者が国境を越えてコミットでき、協力し、率先できるような新
しい関係と枠組みこそが求められているように思う。私たちの未来を自ら再生可
能とするために。

■自然エネルギー2004(http://www.renewables2004.de/)の日程と構成
6月1日 本会議1日目
 I. 開会セッション
 II. 様々な関係者による協議
  A. 自然エネルギーの意義と可能性
   A1 政策フレームワーク
   A2 規制措置の確実性
  B. 自然エネルギーの促進にむけて
   B1 「将来」のファイナンス
   B2 キャパシティ・ビルディング
6月2日 本会議2日目
 IV. A 自然エネルギーの市場を育てる政策(電力部門)
  . B.自然エネルギーの市場を育てる政策(熱と運輸部門)
 V. A. 自然エネルギーへの融資オプション
  B. 研究開発、制度、能力
6月3日 本会議3日目
 閣僚級円卓会議
  A. 自然エネルギー市場拡大政策
  B. 自然エネルギー融資への融資オプション
  C. 研究開発、制度、能力
 会議採択事項へ向けた議論
6月4日 本会議最終日
 閣僚級円卓会議
 パネル1.エネルギーサービスと100年先を見越した社会へむけて
      -自然エネルギーと省エネルギーの役割
 パネル2.地球温暖化問題に対する自然エネルギーの貢献

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