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3)炭素税の06年動向と今後の行方
    足立治郎(「環境・持続社会」研究センター(JACSES)/炭素税研究会)

 炭素税に関する06年の動向として最も大きなものは、年末に、自民党で環
境部会・農林部会・経済産業部会・国土交通部会が合同で07年以降検討する
ことが決まったことだ。環境省・農林水産省・経済産業省・国土交通省は、そ
れぞれの部会をデータ提供など様々な面でバックアップしている。従って、今
後、炭素税の検討が経産省・国交省でもより進む可能性がある。07年、「炭素
税」と経産省所管の「石油石炭税」、国交省所管の「道路特定財源」との調整議
論もより活発化しよう。

 ただ、それによって炭素税導入がすぐそこになったか、というとそうではな
い。上記4部会/4省庁の考え方には、まだ大きな隔たりがある。さらに、炭
素税導入賛成にもかかわらず、消費税増税論議を優先したい(消費税増税と炭
素税導入を同時におすのは、納税者の反発を呼ぶことを懸念)との思惑も見え
隠れする財務省の議論の本格参加には至っていない。上記4部会だけで財務省
や国民も納得できる炭素税の制度案を構築することは至難の業だ。(注)

 環境省は、06年に行った税制改正要望で、炭素税(環境省は「環境税」と
呼ぶ)導入も掲げたが、同時に道路特定財源見直しやその他いくつかの温暖化
対策のための税制グリーン化スキーム(バイオ燃料支援のための揮発油税等の
非課税化等)も掲げた。それも、炭素税導入議論はいずれ本格化するがそれは
まだ先で、まずはとれるところからとっていこうとの思考故であろう。

 今年の京都議定書目標達成計画見直しの中に炭素税を組み込もうとの声も極
めて小さい。ただ、温暖化対策としての炭素税導入オプションへの理解は、経
済界などに徐々に広がっている。その典型が06年1月に出された、炭素税導
入にも好意的な経済同友会による提言「環境配慮型の税体系を考える-地球環
境を保持する国民的ビジョンの構築に向けて」の発表であった。(これは、一部
の産業界リーダーの強力なイニシアティブによるものであった。日本にも、立
派な産業界のリーダーはいるのである。)

(注)特に、温暖化防止のための環境税/炭素税をすでに導入した国々と同様
に、経済/雇用や低所得者への影響を考慮し、「バッズ課税・グッズ減税」の考
え方に基づき、炭素税導入とともにその他の税や社会保険料の軽減を行う方法
(税収中立)を採る場合、上記4部会/4省庁の合意だけでは無理で、財務省
の参画が欠かせない。もしドイツのように、その税収を年金保険料負担軽減に
充てるなら(炭素税研究会は、環境省の炭素税案よりも高税率の炭素税を課し、
その税収を温暖化対策費に加え、年金財源にも充当することを提唱)、自民党厚
生労働部会や厚生労働省との調整/合意も必要となろう。


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