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5.韓国のエネルギー政策の動向と今後の課題
                 ソン・ボンソク(ISEPインターン)

 韓国は日本と同じく、国内消費エネルギーのほとんどを輸入でまかなってい
る国だ。
 2001年にはエネルギーの輸入依存度が97.4%に達した。原油とLN
Gの輸入量はそれぞれ世界4位と2位に位置づけられている。
 韓半島戦争後(注:日本で朝鮮戦争と呼ぶ)、韓国は産業を興し高度経済成長
を成し遂げるため、膨大なエネルギーを外国から輸入し始めた。1960年代
はエネルギーの大部分を国内の石炭や水力で賄えたものが、2001年時点で
は前述の通り。その中でも石油は77%を中東地域から輸入しており、韓国の
経済は中東地域の政情が握っていると表現しても過言ではない。
一方再生可能エネルギーは、全体消費量の中でわずか2.03%に過ぎない。
しかもそのうち69.2%は廃棄物エネルギー、23.95%は水力発電(大
型を含む)であり、風力発電と太陽光発電はそれぞれ0.29%、0.06%
である。つまり、発電していないのと同じような値だ。
再生可能エネルギーの開発のための予算も2006年現在4310億ウォン
(約560億円:1ウォン=0.13円で換算、以下同)、全体国家予算のわず
か0.25%を占めているのみである。
OECD加盟国のひとつであり温室効果ガス排出量世界第10位である韓国は、
京都議定書の第2次約束期間(2013~2017年)には削減義務の対象国
になると予想されている。これに備え、韓国政府は現在どんな取り組みをして
いるのか。

 韓国政府は2002年12月、「第2次国家エネルギー基本計画」を立てた。
 エネルギーの安定的な供給を目標として、原子力発電を成長させる中(現在
19基を稼動、今後6基を追加建設)、石油依存度を2011年までに47%、
2020年までに42%の水準に下げるのが骨子である。また、新しいエネル
ギー源の開発に拍車をかけると主張しているが、そのエネルギー源というのが
水素エネルギーとメタンハイドレートであり、非常に非効率的で持続不可能で
ある。なぜなら、水素を分離するとき必要な莫大なエネルギーは原子力で充て
ることになり、メタンハイドレートは海底に浅く広い範囲で存在するため、投
資額に比べその便益が非常に少ないからである。今まで全世界で2000件の
開発が行われたが、成功したのはたった3件だった。

 再生可能エネルギーに関してはどうなのか。
 1987年に制定された「代替エネルギー開発促進法」が、その後3回の改
正を経て現在の「新・再生可能エネルギーの開発・利用及び普及促進法」
(2004年改正)となっている。電力総生産量のうち再生可能エネルギーの
比率を2011年までに7%まで上げることを目標として、政府主導で技術開
発への投資や、プロジェクト型事業に力を入れている。
 この法律の中で特に目立つ項目の1つとして、「発電差額支援制度」というも
のがある。
 代替エネルギー発電より供給される電気の発電源別に基準価格を告示し、取
引価格が基準価格を下回る場合には15年間政府が差額を補填する制度だ。
 この法律によると、太陽光発電の基準価格は1kWh当り716.40ウォ
ン(約93円)、風力発電は107.66ウォン(約14円)、廃棄物発酵ガス
発電は65.20ウォン(規模20kW以下、約8.5円)と定められている。
 一見ドイツの固定価格購入制度と同じようなものと思うかもしれないが、実
は実効性を持っていない。需要者の立場から見ると、あまり利益が出ないから
だ。
 第1に、わざわざ太陽光パネルを設置し電気を売るより、むしろ銀行で預け
て利子をもらう方がもっと利益が出る。しかも申し込みに必要な書類も30種
類を越えるわずらわしさがある。また、政府は2006年10月から太陽光発
電の基準価格を677.38ウォン(約88円)に下げる予定である。
 政府の再生可能エネルギーを増やすという政治的なコミットメントがあるに
もかかわらず、政府の現実の行動がこれほど違うと、誰も再生可能エネルギー
で発電しようとしないのはもちろん、市場の拡大も空虚な山びことして終わる
だろう。

 現在石油の価格はたった3年の間に2倍に増えた。今後値段が下がる見込み
はない。
 政府は未だ原子力発電に幻想を抱えているらしいが、原子力発電は放射能の
危険性もあり、持続可能なエネルギーではないことから、未来の代替エネルギ
ーとしては望ましくない。水素エネルギーの場合も、水素を取り出すのにかか
る莫大なエネルギーを充てる方法がない。
 したがって、地球温暖化を防止するための結論は、韓国においても再生可能
エネルギーであると考える。
 韓国エネルギー技術研究院によると、韓国の再生可能エネルギー潜在量は石
油換算で年間に太陽エネルギーが116億トン、風力が1億6000万トン、
バイオマスが1000万トンである。韓国の2004年の最終エネルギー消費
量が1億6000万トンであることを勘案すると、充分に賄えるのだ。

 韓国にもはや選択の余地はないだろう。京都議定書第2次約束期間が迫って
おり、韓国もまた、他の国と同様に、一刻も早く再生可能エネルギーを拡大す
る必要がある。
 「発電差額支援制度」というすばらしい制度があるにもかかわらず、それをき
ちんと生かせないのはもったいない。より果敢な補助金を与えるのはもちろん、
基準価格もさらに上げるべきだ。再生可能エネルギー発電が市場で競争力を持
つまで、投資を怠ってはいけない。なぜなら再生可能エネルギー事業は、単に
環境を守るためだけではなく、地域経済の活性化、雇用創出にもつながるとい
う理由もあるからだ。
 1人当り国内総生産が2万ドルを越えられず、先進国の寸前で無様な姿でも
たもたしてる韓国にとっては、この危機が絶好のチャンスでもある。
 政府の先見の明が、再び光を発するときだ。

                  ソン・ボンソク(ISEPインターン)


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