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4.「Reform Group Salzburg Meeting 2006への参加」
                      山下紀明(ISEP研究員)

オーストリアのザルツブルク郊外に位置し、背後に美しい湖と山を望むレオポ
ルツクロン城において、Reform Group Salzburg Meetingが8月28日から9
月1日にかけて開催された。エネルギー政策に関する研究者によるワークショ
ップであり、当研究所所長の飯田も運営委員の一人である。

今年の大テーマは「Climate Protection, Energy policies, and Wind Power
Innovation Courses in Comparison(気候変動防止、エネルギー政策、風力発
電の革新過程の比較」であり、セッション毎にチェルノブイリ以降の原子力、
カスピ海地域のエネルギー政策などのテーマで発表が行われた。例えば後者の
セッションでは以下のようなタイトルが並んでいた。

・西ヨーロッパの石油及びガス供給におけるカスピ海地域の影響
・EUとカスピ海地域の石油及びガス分野での協力
・カスピ海のガス資源とEUのエネルギーセキュリティ
・石油の政治経済とアゼルバイジャンの石油国家化
・中国にとってのカスピ海地域のエネルギー資源の重要性

ここでのキーワードは地政学的要因(geopolitical factor)であった。カスピ
海地域はヨーロッパと中東に近いがゆえのエネルギー供給のチャンスとリスク
があること、さらに今後は中国においてもエネルギーセキュリティ上の重要な
地域となりえることなど、現代はグローバル化の時代と言われるが、やはり地
理的な距離が政策や政治そのものに与える影響を強く意識した。

当研究所からは、筆者とインターンの古屋(法政大学大学院2回生)が若手研
究者のセッションにおいてプレゼンテーションを行った。筆者は「日本の地方
自治体の再生可能エネルギー戦略の新しい潮流?東京都のケース」として、今
春発表された東京都再生可能エネルギー戦略の先進性とその影響について、古
屋は「日本における市民風車とコミュニティエネルギープロバイダーの発展と
その社会的影響」として市民風車などの出資者と事業者や地元関係者が作り出
す新たな関係性について述べた。

今回のワークショップでは、化石燃料と国家の体制との関係も活発に議論され
ており、アゼルバイジャンの参加者は自国が一部のエリートにより利権がコン
トロールされる国家になるのではないかと危惧していた。筆者は普段の業務に
おいては日本の自治体の自然エネルギー政策などに関わっているが、エネルギ
ー、特に化石燃料と国家体制や戦争という世界の大きな問題を強く再認識する
こととなった。

自然エネルギー2004ボン国際会議において、開催国ドイツのウィチョレク
ツォイル経済協力開発大臣が「太陽へのアクセスをめぐる争いはない」として
自然エネルギーが持続可能な発展に貢献する中心的な役割を果たすことを宣言
したことが思い起こされ、その推進の重要性を感じた。

※今回のワークショップへの参加は平成18年度地球環境基金の助成を受けて
います。

                      山下紀明(ISEP研究員)


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