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1. 風発 日本に溢れかえる「不都合な真実」
                        飯田哲也(ISEP所長)

前号で取り上げられていたアル・ゴアのドキュメンタリー映画『不都合な真実』
の試写を見る機会を得た。この映画は、少なくとも「3層構造」でできあがっ
ている。第1層は、手遅れになりそうな勢いで人類が気候に影響を与えている
事実が、科学的裏付けをもって、分かりやすく示されていることだ。今年2月
にNHKが制作・放映して好評を博した『気候大異変』がこの第1層だけで構
成されていることを考えれば、ほとんどの人は、これだけでも大きな衝撃を受
けるだろう。

第2層は、その科学的に明らかな事実がいかにしてねじ曲げられているのか、
その政治工作のウラ側が示され、その「ウソ」が徹底的に暴かれていることだ。
一見奇妙に聞こえるこの映画のタイトルの所以である。振り返って見れば、日
本は「不都合な真実」だらけである。エネルギー政策には何の役にも立たない
核燃料サイクル然り、プルサーマル推進の国策捜査の生け贄となった佐藤前福
島県知事辞任然り、「高く不安定な新エネ」という神話然り、風力発電排除の屁
理屈でしかない系統影響然り、既得権益維持のための「日本型」電力自由化然
り、破綻が約束されている京都議定書目標達成計画然り、けっしてクリーンで
はないガス会社潰しのオール電化住宅然り、である。

そして、この映画の第3層は、観る者に「ミッション」という感覚を強く伝え
ていることだ。ゴアが気候変動問題に取り組んできた半生を振り返りながら、
息子の重大事故を契機にして、単なる「環境派議員」から、議員という仕事を
通じて「ミッション」を果たす存在への昇華が描かれる。終盤に、女性参政権
やベルリンの壁崩壊など「人類の進歩」の歴史が次々にフラッシュされ、最後
に気候変動問題を人類が解決できないはずはないというメッセージが突きつけ
られる。心ある人なら、誰でも自分自身の責任を自覚する場面だろう。

日本に溢れかえる「不都合な真実」に対して、正確な情報や正しい道を示すだ
けでは、タコツボの一つに留まってしまう。そのウラ側を暴くだけだと、単な
る批判者として遠ざけられる。社会的なミッションを掲げ、共感者を増やし、
人々と社会を動かすこと。「原子力立国計画」など、日本のエネルギー政策が狂
気の時代に入りつつある今だからこそ、あらためて自分たちの仕事に自信と進
むべき方向性を再発見させてくれたアル・ゴアの映画に感謝したい。

                        飯田哲也(ISEP所長)


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