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6.「お笑い原子力ムラ敦賀」(3)
  日野 行介(毎日新聞大阪社会部記者 今年3月まで福井支局敦賀駐在)

 「原発依存の街」、福井県敦賀市で原発マネーに頼るのは市役所に限らない。
民間企業も同様だ。
 敦賀港の近くに2棟が連なった平屋建ての赤れんが倉庫がある。米国の石油
会社が1905年に石油貯蔵庫として建設し、その後は地元の海産物会社が倉
庫として長く利用してきた。戦災を受けた敦賀にあって、貴重なレトロ建築と
して市民から親しまれている。この倉庫は現在市役所の所有だが、使い道が無
いままに放置されている。海産物会社から市に所有権が移る過程でも原発マネ
ーが介在している。
 03年5月、敦賀市は突然「日本原電が赤れんが倉庫を4億円で買い取り、敦
賀市に寄付する」と発表した。日本原電にとって何ら経済的利益は無く、寄付
の理由について、「地域振興に貢献したい」としか説明しなかった。
 しかし、この寄付は以前からウワサが出ていた。この海産物会社は若社長の
父親が当時、商工会議所の会頭を務めていた地元の名門企業だが、過大な設備
投資がたたり経営難に陥っていたからだ。
 この会社の決算を調べると謎はすぐに解けた。02年3月期決算で、02年度中
に入金確実な「未収金」として倉庫の売却益約3億9000万円が既に計上し、こ
の決算を黒字に持ち込んでいる。その結果、00、01年に続く3期連続の赤字決
算を免れていたことも分かった。4億円という買収額について、原電は「厳密
に不動産鑑定した結果」と説明するが、明らかにウソ臭いことが分かる。
 この海産物会社に取材を申し入れると、出てきたのは若社長と地元の地銀か
ら派遣されている役員。既に銀行の管理下に入っていた。決算のことを問うと、
若社長は観念したように「苦肉の策と言われても仕方ない。3期連続の赤字は
避けたかった」と明かした。3期連続の赤字決算となれば、金融機関がこの会
社への債権を第1分類(正常債権)から第2分類(要注意債権)と評価を変え、
一気に経営が傾く可能性があった。その後、若社長は開き直ったように、「事
故が起きれば風評被害もある。我々はそんな迷惑施設を受け入れているんだ」
とまくし立てた。「そのぐらいの利益を受けても当然だろう」という訳だ。関
係者が後に明かしたところによると、不動産鑑定で出された適正額は2億円だ
ったという。
 倉庫の現物寄付を受けた敦賀市もどちらかと言えば「被害者」だった。寄付
から2年経っても、使い道は決まっていない。使おうにも、建物が老朽化して
いるため補強工事には数億円かかる見通しだ。当然ながら市の持ち出しとなる。
「タダほど高いものはない」。敦賀市内にある原発寄付の施設はほぼ例外無く
赤字だ。一部の市議会議員からは市の財政を守るため寄付を制限するよう求め
る意見も出始めている。


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