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2. 寄稿1「京都議定書発効に思う」

               藤井 石根(明治大学理工学部機械工学科)

 2003年度末での日本の風力発電累積設備容量はドイツの14,612MWに対し
684MWと5%にも満たない微々たるものである。当然、年間発電量も27.0T
Whに対し1.2TWhとその設備容量に追従した割合となっている。再生可能
エネルギー利用に関し、世界の主要国の中で、日本が首位を占めることで唯一
誇れるものと言えば太陽光発電設備設置容量であるが、これとても2位のドイ
ツのそれとの差は2004年度末で殆ど無くなり、恐らく本年度末には首位の座を
明け渡すであろう。こうした状況が生まれる背景には先ず国のエネルギー政策
目標そのものが曖昧でその場凌ぎの傾向が強いことがあろう。

 発効が心配された京都議定書もロシアの批准でようやく条件が整い、去る
2005年2月16日にその運びとなった。これを祝う催しが日本でも各地で行わ
れた模様であるが、真価が問われるのはこれへの対応であろう。我が国の政府
はかの議定書の取り纏めの際、議長役を務めた関係もあって当然、日本も議定
書の批准国であることは今更言う迄もないが、問題はこの間に何ら効果的な策
が講じられてこなかった事であろう。形式的には新エネルギー利用促進に向け
ての金銭的な補助政策やRPS法の施行なども見られるが、本気で二酸化炭素
排出削減をたとえ微々たるものであっても実現したいとする意気込みのような
ものがそこには無い。現に1990年比で温室効果ガス排出削減量6%減だったも
のが今では14%も減らさなければならなくなってしまった現実はこの辺りの
現実を如実に物語るものである。

 他方、ドイツやデンマークなどの国々では温室効果ガス排出削減に向けての
国家的目標を定め、その目標達成の為の具体的なシナリオの下、着々と歩みを
進めている。その成果の違いの一例を既に見た日本とドイツに於ける太陽光発
電設備設置容量の最近の動向で知ることができる。
多くの問題点があると言え、環境税導入の法案上程も議論皆無の状況で反故に
し、京都議定書発効で国際的な義務となった温室効果ガス排出削減も排出権取
引や省エネルギー技術の国外移転などで当座の辻褄を合わせようとしている。
このような長期的な観点からの戦略が無く、嫌な事は他や後回しにして当座の
己の利益を優先させる。こうした行為は米国とて同類であろうが、これでは国
際的に高い評価や信用が得られる筈も無い。一体全体、我々は何処で生きてい
ると心得ているのか、この辺をよく認識すればその対応の仕方も自ずと変わっ
てくるのではないか。政治の質は国民の質でもある。

               藤井 石根(明治大学理工学部機械工学科)


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