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1. 風発 「脱石油を宣言した社会」
                       飯田哲也(ISEP所長)

 本稿執筆時にスウェーデンで開かれたバイオマス国際会議に参加したのだが、
参加者が1100人を越える大盛況だった。主催者側の予想の倍、前回(2年
前)と比べると3倍増だという。これまでが北欧で閉じていた感があるのに対
して、今回はオーストリアなど中欧を巻き込んだこと、ペレット会議を並催し
たことなどの成功要因はあるものの、やはり石油への懸念が世界的に高まって
いることが大きいようだ。報告内容もエタノール燃料など自動車燃料系が増え、
北米や南米、中国からの参加者が目立っていた。

 参加者は多いものの、冷静に見れば「学術性のある産業メッセ」に過ぎない
会議なのだが、何とペーション・スウェーデン首相が会議冒頭で挨拶をしたの
である。なぜか。2020年までに脱石油を目指すと宣言したスウェーデンに
とって、バイオマス・エネルギーがとくに重要な役割が期待されているからで
ある。

 ところで、このスウェーデンの宣言は、メディアでもほとんど取り上げられ
ることがなかったため、ここで簡単に紹介しておこう。昨年(2005年)
10月に、ペーション首相は、「スウェーデンは2020年までに石油不要のシ
ステムを作る」と宣言し、12月には首相自らが座長を務め、11人のメンバ
ーからなる「石油依存脱却審議会」を招集した。日本では、およそ想像できな
い状況で、ジョークにすらならないだろう。メディアが取り上げなかったのも、
そのせいではないか。

 審議は継続中だが、石油脱却のための施策は、今後、次々に展開されること
になる。スウェーデンは、石油依存度が約35%と、先進国の中では脱石油が
進んでいる方だ。そのスウェーデンでも、脱石油に向けて輸送燃料の転換は最
大の課題だが、すでにバイオ燃料対応のクルマが全販売台数の1割を越えるな
ど、やはり欧州をリードしている。

 こうしてスウェーデンは、脱原発でも、電力自由化でも、気候変動対策でも、
石油脱却でも、バイオマス利用でも、いずれも理想的とまでは言えないまでも、
少なくとも持続可能な開発に向けて着実に社会変化を積み重ねてきている。逆
送する日本社会との彼我の差は、大きい。

                       飯田哲也(ISEP所長)


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