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6.プロジェクトフラッシュ

1)「自然エネ省エネ起業セミナーの報告」
                      竹村英明(ISEP研究員)

ひと月遅れになってしまいましたが、3月に行われた自然エネ省エネ起業セミ
ナーの報告をします。もともと飯田市のおひさま事業は大きな利益を目指すの
ではなく、自然エネルギーの普及と地域の活性化に寄与するということが大目
標でした。「環境と経済の好循環」の意味はそういうことであろうと。したがっ
て、ただ単に太陽光発電設備をつけたり、省エネのエスコ事業を広げるだけで
なく、それが地域の雇用や新しい産業育成にどうつながるのか・・ということ
も大きなテーマです。
 そういう地域活性化のための人材育成、飯田に根付く新しい事業の発掘、そ
して雇用の拡大という大目標にむけてWWB(Women's World Banking)ジャパ
ンの協力により企画されたのが「自然エネ省エネ起業セミナー」です。参加者
は総勢で25人。北は青森県から南は大阪、飯田市近隣からの参加もかなりあ
りました。

・快晴の天竜峡でスタート
初日の天気は快晴。絶好の行楽日和で東京方面からのバスは渋滞に巻き込まれ、
いきなり45分遅れに。しかしコーディネーターをお願いしたWWBジャパン
の奥谷京子さんが機転を利かせ、「起業度チェック」の診断で見事にさばいて何
事もなかったように発進。起業度チェックは自らの弱点にも気づかされ、実に
勉強になりました。参加者全員が揃ったところで奥谷さんからのオリエンテー
ションがあり、ちょっと肩ほぐしの「自然エネルギーQ&A」。そのあと牧野飯
田市長のあいさつでしたが、大部分が飯田市外からの参加者だったので、バッ
チリ「飯田に住もう」と宣伝されていました。

・起業は女性の方が強い
奥谷さんの話はテンポ良く立て板に水のごとく話すという印象でした。飽きさ
せない、ひきつけて離さない・・という感じで。具体例をあげながら、いろいろ
な起業例とくにWWBジャパンでやってきた女性たちの起業事例を紹介してい
ました。体験の中から実用ヒット商品を生み出すカリスマ発明主婦、自転車の
盗難を防いでご近所の底力にも登場したオリジナルペイントチャリ、量り売り
の「土」販売(観葉植物用、根菜類用・・など希望に応じてブレンド)など。
年間2000件以上の農作業に手伝い人を送り、指定管理者制度で三ヶ所の福
祉施設運営まで任されることとなった学生・シニア耕作隊を組織した女子学生
というのもありました。どうもベンチャー起業を成功させる能力は女性の方が
高そうです。
 奥谷さんによる「成功するための起業のコツ」をご紹介します。
1)良いことだけではお金にならない。
2)運動は嫌われる。
3)早く宣言して自分を追いつめる。
4)さんぽちゃんのように会社カラーを3色で決める。
5)会社の特徴をひとことで言える「ことば」を持つ。

・エスコ実践の場を初披露
翌日の視察では最後に「エスコの現場」へと向かいました。といっても行き先
はおひさま進歩エネルギーのオフィスなのです。オフィスが入っている「いと
うや」ビルが着手第1号になりました。ここで施工・検査進行中の設備を実地に
見学してもらいました。電圧調整装置、蛍光灯電子式安定器(デモセットあり)、
冷凍庫室外機のエネカットがここにはあります。
いとうやの社長さんからもあいさつをいただき、まずはキュービクルがある最
上階に皆さんを案内、そこにつけられた電圧調整装置を見てもらいました。と
いっても幅50cm、高さ1m程度の箱があるだけ。中は二つの巻かれたコイ
ルがあるだけです。それだけで106Vほどの電圧を100V近くに落として
電灯回路に流します。電力会社は供給義務もあって常に少し強めの電圧で送っ
ているのですが、これを電圧、電流とも下げることで10%程度の電気を節約
します。電子式安定器はつけてないものとつけているものを電力メーターで比
較します。針が一回転する時間を比較するのですが、つけていないと35秒で
つけていると45秒、その差10秒は消費量では20%以上の削減ということ
になります。いとうやさんでは、職人さんから照明が明るくなったという評価
を受けています。実はルクスは変化していないのですが、ちらつきがなくなっ
た分そう感じられたのでしょう。スイッチ即点灯という付随的効果もあります。
冷凍機の室外機についているエネカットは、冷却配管に水を霧状にかけて気化
熱で配管を冷やすというもの。これから夏場になって活躍するものです。

・いよいよ起業プラン
 起業セミナーの2週目のテーマは、実際に起業プランを立ててみることです。
残念ながら、20人を超える参加者の中で起業プランを出したのは数人でした。
奥谷さんの話にあった悉皆屋の現代版、エネルギーに関する何でも屋、グリー
ン電力証書を活用した太陽光発電システム販売、地域交流の場「よりまえカフ
ェ」、塚平鉄工のペレットストーブ商品化、この4つが提案として出されました。
 起業プランをめぐるグループディスカッションでは、参加者がこの4つのプ
ランに別れ、さらに具体化し実現可能性を高めるために議論しました。当初は、
単なる思いつきかな・・と思っていたプランがみんなで議論している間に、いろ
いろな新しい情報も加えられ、現実的なプランとなって行きました。

・今後のテーマはソーシャルファイナンス
 最終日は午前中、プレスオルタナティブの片岡勝さんの一般公開講座。一般
参加も含め80人ほどの人が会場を埋めました。片岡さんの話は、冒頭から「人
にあわせない」、「マーケットにあわせるとだめになる」、「良いことをやってい
ると思ってるビジネスはつぶれる」、「自分がやりたいことをやれば良い」、「人
とうまくいきそうなときにはちょっと引く」、「売れ出したら危ない」などなど、
型破りな多くの示唆を与えるものでした。
 お金のまわり方の順番で、まず地域貢献、次に助け合いと生きがい、三番目
に経済・・というのもビックリ。この考え方で片岡さんは次々に事業を手がけ、
いまは年間16億円を動かす事業家になりました。儲かりだしたら使うことを
考え、使わないとビジネスにはならないとも。本来の投資とは社会に必要なこ
とをやるためにに皆が(力を)持ちよること・・という言葉はとても含蓄のあ
る言葉でした。
 おひさま事業に深く関係する地域との関係では、1)すりよらない、2)地
域を理解しない、3)地域からも理解されようとはしない・・ことという驚く
べき極意でした。地域の中で目だって目だって、マスコミに注目され、地域か
らの注目された石見の温泉宿の若女将、人手2000人を動かし、いつの間に
か行政から頼まれる存在になった学生耕作隊。まだまだ刺激的な話があるので
すが、紙面の関係でこの辺にしておきます。

・おわりに
今回の起業セミナーを全体評価として言うと、単にお勉強をしたというのでは
なく、実際に事業化の具体例がいくつかまとまり、それにむけた動きが開始さ
れたということです。またもう一つは、自然エネルギー起業を支える技術的に
もマインド的にも強いネットワークが生まれたということです。本当に大きな
成果を残した起業セミナーでしたが、これ1回で終わらせることなく、今年度
この夏にも第2回にチャレンジしたいと思っています。

                      竹村英明(ISEP研究員)


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