上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2)太陽熱温水システムとグリーン熱証書
                    山下紀明(ISEP研究員)

・太陽熱温水システム
先日、太陽熱温水システムのメンテナンスを中心に行う個人事業者の仕事を見
せてもらう機会があった。太陽熱温水システムは石油ショックを契機として導
入され、ピーク時には年間約83万台が生産されたが、現在は年間10万台を
下回っている。原因として、原油価格の低下、為替の円高、他の給湯機器との
競争、一部の悪質な訪問販売などが挙げられているが、業界団体であるソーラ
ーシステム振興協会でも有効な振興策を提案できておらず、市場が縮小しつづ
けているのが現状である。
 前述の事業者はすでに生産が終わった機種の故障にも、安易に買い替えを進
めるのではなく、修理で対応し、顧客との信頼関係を築いていた。現在も営業
を続けている太陽熱事業者の多くが、地域密着型を掲げており、その現場を垣
間見ることができた。一方で、強引なメンテナンスや他社の名前を語る悪質な
業者が消えていないことを嘆いていた。
中国では太陽熱温水システムが年間700万台以上も販売され、世界生産量の
4分の3を占めている。欧州でもドイツやオーストリアなどを中心として、年
間100万台以上が販売されている。あるメーカーでは、機器そのものの利便
性の向上はもとより、施工店やメンテナンスについても重要性を認識していた。
日本での再興に向けても、製品の利便性や経済性の向上はもとより、利用者が
安心できるサービスやメンテナンスの仕組みを構築する必要があると感じた。

・グリーン熱証書等を活用した自然エネルギー熱利用の拡大
2005年度ISEPでは、環境省の地域協同実施排出抑制対策推進モデル事
業として表題のプロジェクトを行った。電気に比べ促進が進んでいない太陽熱
やバイオマスなどの自然エネルギーの熱利用を促進する仕組みを構築すること
を目的とした。
 電力に関しては自然エネルギーの価値を評価して取引する「グリーン電力証
書」の仕組みがあり、企業による購入やイベントでの使用などが行われている。
同様に自然エネルギーにより生産された熱の環境価値を評価し、取引する仕組
みを検討したが、これは海外でもほとんど例が無く、先進性の高いものである。
 まずオーストラリアやテキサス州などでの参考となる事例の調査を行い、基
本的なスキームの整理を行った。次に日本の地域レベルでの導入に関する課題
について整理し、東京都や岩手県、自然エネルギー事業者と研究会を開催し、
具体的なパイロットモデルを検討した。東京都では太陽熱温水器によるスキー
ム、岩手県では木質バイオマスからの熱とグリーン熱証書を組み合わせたスキ
ームなども検討した。また「グリーン熱証書」との取引も視野に入れ、昨年度
実施した「グリーン電力証書」の個人用および地方自治体での利用スキームに
関して、主に東京都において、更なる展開のためのフォローアップを行った。
特に、グリーン熱証書の検討では、グリーン熱の定義、その認証基準の素案、
認証組織のあり方、計測方法と「グリーン熱」の価値の考え方の整理を行い、
パイロット的な利用の見通しを得た。
 これらのスキームを面的に広げていくことで、グリーン熱証書を通じた二酸
化炭素削減の有効性は非常に高くなると考えられる。

                    山下紀明(ISEP研究員)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://isepseenarchive.blog88.fc2.com/tb.php/232-3d38eb50
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。