上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
5.プロジェクトフラシュ

1) シンポジウム「大都市での自然エネルギー利用を東京から考える」報告
                    洞口夢生(ISEPインターン)

 去る3月21日、春分の日に開催された本シンポジウム「大都市での自然エネ
ルギー利用を東京から考える」では、「自治体によるエネルギー政策」に焦点が
置かれた。シンポジウムの進行は2つのパートに分かれ、前半は登壇者による
プレゼンテーション、その後パネルディスカッションという形式で進められた。
プレゼンテーションでは、東京都環境局企画担当部長の大野輝之氏、国連環境
計画・金融イニシアテイブ特別顧問の末吉竹二郎氏、株式会社チームネット代
表取締役の甲斐徹郎氏、および環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏の
4名よりそれぞれ報告があり、下記にその簡単な概要を示す。
 大野氏からは「東京都の再生可能エネルギー政策」として、東京都が今後進
めていくエネルギー政策の具体的なビジョンについて報告があった。日本の自
治体の中でも自然エネルギー政策においてかなり進んでいるとの評価を受けて
いる東京都のビジョンは、非常に興味深いものであり、具体的な数値は避けた
が、東京都は将来欧米並みの自然エネルギー導入目標値を設定するとのことで
あった。
 末吉氏からは「環境金融の新しい流れ」として、現在新たに生まれつつある
金融界での環境問題を考慮した投資について報告があった。欧州では既に企業
の環境問題に関する情報が機関投資家の投資基準に影響を与えており、金融の
分野で新しい価値基準の概念が生まれつつあるとのことであった。
 甲斐氏からは「都市における住まいと自然エネルギー」として、都市部の住
居を環境共生型住居へと移行することによる利益について報告があった。体感
を考慮した新しい価値指標や、複数の家族が同時に環境共生型住宅に住むこと
による倍数的な豊かな住宅環境の創出、また、住人同士の自立した共生という
近代の便利さと旧来の人の関係の豊かさを両方含めた新しい住宅形態が創出す
ることができるとのことであった。
 飯田氏からは「自然エネルギー市場という新しいパラダイム」として、現在
世界中で普及しつつある自然エネルギーの市場での発展における適切な政策の
必要性について報告があった。今はグローバルかつ歴史的なエネルギー政策の
変換期であり、世界中で自然エネルギーが政策として促進されている。しかし、
日本は他国と比べ国策としての自然エネルギー導入量が非常に低くなっており、
今後国内自然エネルギー市場の発展のためには、地域からの政策イニシアティ
ブが必要とのことであった。
 後半のパネルディスカッションでは、以上の論点を論拠とした地方自治体の
自然エネルギー政策についてそれぞれの立場から発言があり、特に議論が集中
した論点は2点。
 1点目は、日本の政策の制定過程の問題点について、明確なビジョンが欠如
しているとする日本の政策への鋭い批判があった。
 2点目は、金融・住宅・政策分野における新しい流れについて、現在金融の
環境価値や体感という新しい指標が注目されており、例えば全く新しい価値基
準に基づいた事業を行う企業が創出されると、その基準を考慮しない他の企業
と比べ圧倒的に有利な状況となり、他企業が挙って変化に対応するため、その
小さな変化は全ての枠組みが変化させていくとのことであった。
 シンポジウム全体を通しての感想として、今まさに新しい価値体系・政策構
造の変換の時期が来ており、変換の途上であるからこそ、その変化の把握と広
がりについて有意義な議論ができたシンポジウムであったと感じる。
 今後、この新しい流れが日本でどのように波及していくかについて注目した
い。


++++++++++
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://isepseenarchive.blog88.fc2.com/tb.php/226-46423419
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。