上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
3.家電省エネラベルの行方
                      大林ミカ(ISEP副所長)

東京都が2002年から普及に取り組み、2005年に条例化(表示義務化)
された東京都省エネラベリング制度について、国の制度に取り込む動きが起こ
っている。総合資源エネルギー調査会の下にある省エネルギー基準部会に設け
られた、小売事業者表示判断基準小委員会で、すでに三回の議論が行われてお
り、四回目、最終回と予想される次回は、4月5日に開催が予定されている。

現在、家電の省エネ性能を表示するものとしては、省エネルギーセンターが管
轄する省エネラベリング制度があり、省エネ性能を一覧できる「省エネ性能カ
タログ」も発行されている。省エネラベリング制度は、相対評価ではなく、省
エネ法に基づいて国の定める省エネ性能を達成した度合いがそのまま表示さ
れ、達成したものについては緑、 達成していないものについてはオレンジの
省エネ性マークが表示される。年間消費電力量などエネルギー消費効率も表示
されている。

環境エネルギー政策研究所は、東京都の温暖化防止政策に協力してきたが、省
エネラベルについても、2001年頃から欧州の省エネ政策の一環としての省
エネラベルの紹介と導入のきっかけ作りを行ってきた。2002年には省エネ
ラベルについての委員会に参加している。都のラベルは、相対評価でABC表
示、性能達成度を棒で表しているところが、欧州省エネラベルの精神を継いで
いるが、家電商品の価格とランニングコスト(10年間の電気代)を合わせて
表示して点で、消費者への情報伝達という観点からは優れているといえるだろ
う。また、表示を2005年からは義務化している。実際、欧州省エネラベル
の担当者であるIEAのポール・ワイデ氏もランニングコストを示した東京都
のラベルに注目、感心していた。

しかし、今回の国の動きでは、単なる達成率の表示から相対評価とはなった
が、ランニングコストの表示は1年間の電気代となり、ABC評価は星の数で
の表示となりそうである。また、現在の省エネラベリング制度も自主的な表示
であるため、相対評価を取り入れた新しい制度も、義務化ではなく努力義務で
しかない。省エネラベルは、事業者にとってはマイナス情報の場合があるし表
示の手間がかかるが、一方の消費者にとっては、どの商品にも表示されている
ことや他店と比較できるようにする必要があるために、自主的表示では制度上
の限界がある。

東京都を筆頭に、省エネラベルに取り組む自治体は、昨年から全国協議会を組
織し、各自治体の情報共有やレベルの統一に努めている。まだ最終取りまとめ
はされていないが、国による新しいラベルの導入に伴って、先進自治体のそれ
ぞれの取り組みが阻害されるようなことがあってはならない。特に、高知県な
どのように市民が自治体に働きかけ、見回りなどの市民の努力によって家電量
販店へ導入キャンペーンを行ってきた自治体にとって、今回の新しいラベル制
度の導入は、動きの鈍化ではなく、全体基盤の整備という枠組みの設定へと前
向きに動かなくてはならないだろう。省エネラベルの使命とは、消費者に、こ
の商品を購入し今後使用し続ける際に、本当に省エネになるのかどうかをわか
りやすく伝えることだろう。現在国が提案しているものに比べると、東京都の
現行ラベルは、この情報を的確に伝えていると自負できるものである。

東京都省エネラベリング制度
http://www.koho.metro.tokyo.jp/koho/2005/07/kiji/ene.htm

総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会第4回小売事業者表示判断基
準小委員会
http://www.meti.go.jp/committee/notice/0003504/0003504.html

                      大林ミカ(ISEP副所長)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://isepseenarchive.blog88.fc2.com/tb.php/224-62e2da0c
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。