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6.プロジェクトフラッシュ

1)「自治体政策から核燃料再処理を考える」
   核燃料サイクル国際評価パネル(ICRC)、青森報告会レポート
                    石森由美子(ISEP研究員)

2月5日に、核燃料サイクル国際評価パネル(ICRC)は「自治体政策から核
燃料再処理を考える」と題し、青森県での報告会を行いました。当日は大変な
大雪にもかかわらず、多数の参加者が集い熱心に耳を傾けていました。前半の
ICRC委員による報告では、まず京都大学助手の藤村陽氏が「核燃料再処理
に関するICRCの評価」結果を報告し、続いて九州大学教授の吉岡斉氏が「青
森県民にとっての再処理事業推進のリスク」そしてISEP所長・飯田哲也が
「青森県への提言」として6項目の提言を発表しました。後半のパネルディス
カッションには県議会議員の鹿内博(しかないひろし)氏、地元農業者の哘清
悦(さそうせいえつ)氏の2名が登壇し、それぞれ報告を行いました。

<立地地域住民にとってのリスク>
今回の報告会では、青森県が県民に対し再処理事業やアクティブ試験によるリ
スク情報を正しく伝えていない現状が浮き彫りにされました。藤村氏は県が抱
えるリスクについて「青森県は再処理工場稼動により、大気、海水への定常的
な放射能放出や事故、英仏で問題化している高レベル放射性廃液の蓄積問題、
再処理工場・MOX工場で発生する廃棄物(略称TRU)の処分の問題に直面
するだろう」と指摘しました。また吉岡氏は、「稼動による『安全・環境リスク』
に加え、事故や事件による再処理事業の行き詰まりと、それに続く再処理事業
破綻によって再処理工場は閉鎖、さらに使用済み燃料、分離・抽出したプルト
ニウム、再処理廃液などが永久に据え置かれることになれば青森県が「核の廃
墟」となる、と説明し『再処理事業破綻リスク』も重大な県民被害をもたらす
だろうと説明しました。これについて鹿内氏は、「アクティブ試験開始は、他の
地域が経験したことのない全く未知の世界に入るという説明を県民は受けてい
ない。青森県のイメージや農林水産物の売り上げにも様々な影響が懸念される
ことを、県民に訴えて行きたい」と述べました。また哘氏は、「三村知事は“攻
めの農業”を掲げているが、プルトニウム政策と農業政策は両立できない。既
に風評被害は発生しており、これからも県に対して農業者の立場から核燃料再
処理問題を追及していきたい」と語りました。

<青森県への提案>
ICRC委員からは「アクティブ試験は幸いにもまだ始まっておらず、踏みと
どまることは尚可能である」というメッセージと共に、次のような具体的提言
が発表されました。1)県独自の核燃料サイクル調査研究を行うこと、2)国
に対しては再処理事業推進の必要性についての「子供だまし」の説明を撤回さ
せ合理的かつ現実的な説明責任を果たすことを要請すること、3)政府が説明
責任を果たさない場合は、核燃料サイクル政策の見直しを要請し、地方自治体
の損失については政府が補償をするよう要請すること、4)日本原燃および電
気事業連合会に対しても、国の説明に準拠した従来説明を撤回し、説明責任を
果たすことを要請し、5)六ヶ所再処理工場のアクティブ試験実施については
安全協定の締結を無期限に保留すること、そして、6)六ヶ所再処理工場が無
期凍結状態にある間、使用済み核燃料の返還協議を進める。電気事業者が中間
貯蔵施設の操業を要請してきた場合、再処理事業を前提とした計画でない場合
には、県の調査研究に全面的な支援を行うことを条件に、緊急避難的に受け入
れを検討してもよい、の6項目です。

報告会翌日には、青森県知事へ提言書の申し入れを行いました。この3月にも
アクティブ試験が開始されると言われていますが、福島県のイニシアティブと
並び、青森県でも独自の調査研究を行い、国と対等の立場で協議・交渉を進め
る姿勢を期待したいと思います。

本提言書は今後ホームページで公開する予定です。また今後も島根県や静岡県
に対し同様の提言活動を行っていく予定です。ICRCの活動、報告書、昨年
12月の佐賀県への提言書などはhttp://www.takagifund.orgをご覧下さい。

                    石森由美子(ISEP研究員)


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