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1. 風発 「エネルギー福祉とエネルギーデモクラシー」
                       飯田哲也(ISEP所長)

このところ、地域の「新エネルギー政策」や温暖化防止行動計画の見直しなど、
都道府県レベルで行うエネルギー政策に関わる委員会や検討会に呼ばれたり、
相談を受ける機会がとみに増えている。それも、これまでのような行政がアリ
バイ的につくる計画ではなく、実質的に機能する枠組みを真剣に求めており、
望ましい変化が起きつつあるように思える。

ただし、共通して、「旧いパラダイム」がまだとても色濃い。「プチ経産省」「プ
チNEDO」のような「新エネルギー開発」「新エネ技術実証」のオンパレードな
のである。そもそも国の新エネルギー政策がお金ばかりかかって、それほどの
効果が上がってないのに、お金もない地方自治体が国のミニチュア版をやって
も、成功するはずもないし、あえて地方自治体が取り組む意味もない。

これまで日本は、極めて中央集権的に、上から、供給側から、「見下す目線」で、
徹底的に「産業の産業による産業のためのエネルギー政策」を行ってきた。そ
れはそれで意味もあり、そうしたマクロなエネルギー経済の視点も欠かせない
のだが、その陰で地域や生活者の視点がまったくと言っていいほど無視されて
きたように思える。このことは、予てから指摘しているように、「日本には(低
温)熱政策が不在」であり、既存のエネルギー供給業界の草刈り場となってい
る現状を見れば明らかだろう。そこを紡ぎ直すことこそが、地方自治体のエネ
ルギー政策の役割ではないか。

そのためには、地域の「新しいパラダイム」が必要であり、その一つとして「エ
ネルギー福祉」と「エネルギーデモクラシー」を提唱している。エネルギー福
祉(wel-being)とは、快適でクリーンで経済的なエネルギー環境を指す。とりわ
け住宅の温熱環境を住まい手の目線から再構築することが中心的な課題だが、
少し拡張すれば、自動車優先の交通やまちづくりの見直しや、エネルギー開発
と地域社会のあり方なども視野に入るだろう。エネルギーデモクラシーは、す
でに旧著で問うたように、エネルギー政策とエネルギーそのものの選択が地域
や一人ひとりの市民に拓かれていくような社会のありようを指す。

エネルギーは、マネーや情報と並ぶ「現代社会の通貨」であり、その社会の政
治経済体制に応じた体制や仕組み、方向性が定まる。日本社会のそれは、あま
りに中央集権的で旧い産業主義に寄りすぎていたが、この特集を通じて、日本
の地域社会における変化の息吹を感じ取っていただけると思う。

                       飯田哲也(ISEP所長)


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