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資料「核燃料サイクルについて」
                           福島県提出意見

核燃料サイクルについては、今後の原子力発電に対し大きな影響を与えるにも
かかわらず、いまだ十分な議論がなされていない。
 再処理及び直接処分それぞれがもつ長所、短所を客観的に明らかにするとと
もに、国民的議論を経て、今後のあり方を決めるべきである。
【理由】
○ 策定会議委員の多くが業界代表者など再処理推進論者で占められており、
適切な議論がなされるのかとの疑念が報道されていたが、残念ながら的中して
しまった。
○ 複数のシナリオに基づく検討が7月末に始まったが、4ヶ月もたたずに再
処理路線継続の結論が出されてしまった。
○ 核燃料サイクル政策は、今後の原子力発電に対し、その存在そのものに大
きな影響を与えるものであり、慎重かつ十分な議論が行われるべきである。
  マイナス面を十分説明しないまま再処理路線を強引に進めることは、原子
力発電に対する国民の不信を一層深めるものである。
○ 核燃料サイクル政策について10項目の視点で複数のシナリオが比較評価
されたが、その結果は、再処理は直接処分に比べて経済性以外で劣る点はなく、
また、政策変更費用を考慮すれば、経済性でも勝る可能性があるというもので
あった。これほど圧倒的に再処理が有利ならば、日本でも世界でも激しい議論
が行われてこなかったはずである。今回の評価は、再処理が有利となる面ばか
りが強調されているのではないかとの疑問を持たざるを得ない。
  再処理と直接処分の長所と短所の比較をもっとわかりやすく丁寧に行うべ
きである。
○ このたびの原子力政策大綱案については、次のように多くの疑問点がある
ことから、多数決的な決め方をするのではなく、策定会議の委員の主張が異な
っている点を丁寧に拾い上げ、国民にわかりやすく提示するとともに国民的議
論を経て、今後のあり方を決めるべきである。

1−1 安全性
「安全性」について、「再処理する場合には放射性廃棄物を環境に放出する施設
の数が多くなるが、それぞれが安全基準を満足する限り、(略)シナリオ間に有
意な差は生じない。」としているが、これは事故がないことを前提にしたもので
はないか。
 事故を考えた場合、使用済燃料に閉じ込められている放射性物質を溶解する
再処理と使用済燃料をそのまま処分する直接処分とが安全性において同等程度
とは言えないのではないか。

1−2 エネルギー安定供給性
安全性が確保されることを前提にしているが、欧米では再処理施設の事故やト
ラブルが数多く報告されており、事故は起きうるものであるという前提に立っ
た場合、ほとんど唯一と言ってよい再処理施設に依存する再処理政策に問題は
ないのか。事故やトラブルにより使用済燃料の受入れが中止されたり、稼働率
の低下により単位あたりのコストが著しく増大することも考えられるのではな
いか。
 また、ウランの備蓄やテイルウラン濃度の低減など他の選択肢の検討が十分
になされていないのではないか。

1−3 経済性について
直接処分のコスト計算が行われ、核燃料サイクルコストについて再処理が直接
処分より1.5倍から1.8倍高いとの結果が出された。しかしながら、政策変更
コストとして、政策変更→使用済燃料搬送中止と既搬入分の返送→原子力発電
所の停止、というケースを想定して計算をし、これを考慮すれば経済性でも再
処理が劣らない可能性があるとしている。このような極端なケースを想定して
既存政策継続の論拠とすることは、妥当なのか。
 また、巨額の投資をする前に十分検討すべきであったのに、直接処分等多様
な選択肢について検討を怠ってきた責任をどのように考えているのか。
 さらに、これまでの投資を無駄にできないとして、再処理政策に固執するこ
とは、将来を見誤ることにならないのか。

1−4 高速増殖炉の実現可能性について
 「エネルギー安定供給」及び「環境適合性」では、「高速増殖炉サイクルが実
用化すれば」全量再処理の優位性が一層高まるとされている。
 高速増殖炉については40年近くにわたって約1.7兆円もの巨額の研究開発費
を投じてきたにもかかわらず、実用化の前段階である実証炉についてさえ、依
然として目途が立っておらず、その実現可能性については、疑問がある。高速
増殖炉サイクルがなければ、1から2割程度のウランの節約に対し膨大な投資
を行ったことになり、再処理の意義は大きく揺らぐ。
 今回の大綱案では核燃料サイクル開発機構が行っている「実用化戦略調査研
究」の成果を評価してとしているが、核燃料サイクル政策を前提としている核
燃料サイクル開発機構が実施した調査をもとに、やはり核燃料サイクル政策を
推進している原子力委員会が評価するのでは適正な評価は期待できないのでは
ないか。第三者による事業評価を行うべきではないか。
 また、平成6年に策定された原子力長期計画においては、「2030年ごろまで
に実用化」とあったのが、今回の案では「2050年頃から商業ベースでの導入を
目指す」とされたが、その理由が十分に説明されていないのではないか。

1−5 核不拡散性について
既にわが国は40トンものプルトニウムを保有し、その処理の目途もたっていな
いのに、なぜ新たなプルトニウムを生む再処理施設を急いで稼動させるのか。
 「事業者にプルトニウム利用計画の公表を求めるので、利用目的のないプル
トニウムが分離されることはない」としているが、国として定量的な処理見通
しを示すべきではないか。

1−6 環境適合性について
資源の回収といっても使用済燃料のうちごく一部の放射性物質しか利用される
に過ぎなく、また、軽水炉でのプルトニウムのリサイクルは2から3回が限度
とされてい
る。
また、全量再処理では、使用済MOX燃料が繰り返し再処理、再利用されると
いう仮定がとられており、使用済MOX燃料の環境に対する影響は考慮されて
いない。使用済MOX燃料は、現実的にはいずれ直接処分される可能性が高い
と考えられる。
 これらの点を考慮すれば再処理のほうが環境適合性があるとは言えないので
はないか。

                                福島県

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