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2.寄稿「長野県温暖化防止条例:環境先進県への飛躍」
                   諏訪亜紀(ISEP客員研究員、
           長野県環境審議会 地球温暖化対策検討会専門委員)

 長野県といえば田中知事の脱ダム宣言に代表されるように、環境先進県とし
てのイメージが着実に広がっているが、温暖化問題についても意欲的な取り組
みが始まっている。2003年に策定された長野県地球温暖化防止県民計画は、
2050年度までに温室効果ガス排出量を1990年比で50%削減することを目標と
し、2010年度の地場産再生可能電力供給目標を10%とするなど、その意欲を象
徴するものとなっている。
 さらに、2005年5月から温暖化防止条例の策定が進められている。これは県
民計画などで謳われた長野県の温暖化対策をより実効性の高いものにするため
に、条例という法的なツールを整備してゆこうという県の姿勢の顕れである。
 条例策定にあたっては、知事の長野県環境審議会への諮問を受け、学識経験
者・市民・弁護士らを含む9名の委員が約8回の専門委員会を重ねながら条例
に盛り込む内容を検討している。その議論からは、温暖化対策というひとつの
切り口を通じて、県民の抱える切実な問題(例:公共交通整備による交通弱者
対策・24時間営業と青少年教育の関連)をも解決してゆきたいとする、委員の
熱い思いが伝わってくる。

 さて、そのような熱い思いに支えられた条例は、全体として何を目指すのだ
ろうか。現時点でまさに理念・目的が議論されている段階にあるが、大枠とし
ては上記の交通弱者対策に見るように社会的弱者を生み出さないことも「持続
可能な発展」の大目的であるとの理念に基づいて各種政策が条例に盛り込まれ
ていく方向にある。また、県民参加を最大化し、透明性の高いプロセスを実現
していくことが共通認識となっている。また、そもそも県民計画には具体的な
法的根拠がなかったため、あらためて県民計画を温暖化条例上で認めることが
検討されている。さらに県民計画などで扱われている施策の実施主体を特定し、
進行状況を市民を含む第三者がモニタリングし、モニタリング結果によっては
施策の強化・追加が図られることが提案されている。環境基本計画の進行管理
としては、これまでも北海道ニセコ町住民部会による施策の進行評価が行われ
ているが、温暖化対策の場面でも県レベルで第三者評価を取り入れる「長野プ
ラクティス」が実際に条例化されれば、透明性の高い計画進行管理の確立に貢
献することは間違いない。
 また、個別の施策についても、単なる努力規定ではなく、対策の実効性を高
める上で有効なツールとなる政策を選ぼうという認識が委員に共有されている。
なお、実効性を高めるという目的の一方、個人の自由や営業活動を妨げること
のないよう、規制的措置だけでなく、経済的措置等も条例施策として柔軟に取
り入れることが提案されている。

 5月から始まった検討委員会も7月26日で第3回を迎える。8月からは条例
要綱を固め、年明けには議会に上程する予定だ。一方で市町村や関係団体への
説明会が予定され、パブリックコメントも随時受け付けられている。「環境先進
県長野」にふさわしい温暖化防止条例の誕生はこれからが正念場を迎える。

                   諏訪亜紀(ISEP客員研究員)


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