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5.お笑い原子力ムラ敦賀(4)
  日野 行介(毎日新聞大阪社会部記者 今年3月まで福井支局敦賀駐在)

 「すべての道は原発に通ず」。15基が林立する世界一の「原発銀座」福井県
嶺南地方で取材するうえでの鉄則と言える。その公共事業の総事業費のうち、
何割が原発財源か、それは表ガネ(電源3法交付金)か裏ガネ(匿名寄付)か
を調べる必要がある。教育も例外ではない。
 高木孝一前敦賀市長の地元に近い、敦賀市木崎に嶺南地域唯一の短期大学で
ある敦賀短大がある。高木前市長が旗振り役となって、1986年に女子短大とし
て開学した。この建設費用約20億円も関西電力、日本原電、動燃(現、核燃料
サイクル開発機構)の寄付で賄った。口の悪い市民からは「タカリ(高木)市
長」とも呼ばれている。
 88年に就任した第二代学長は作家の瀬戸内寂聴さん。彼女の人気もあって、
入学希望者が定員を大幅に超え、順調に成長した。彼女の講義には一般市民も
押し寄せ、常に満員状態だったという。
 この短大に暗雲が漂い始めたのは開学からわずか6年後だった。瀬戸内さん
が突然辞任。関係者の話によると、原子力に対する見解の違いから高木前市長
と瀬戸内さんが衝突したことが原因という。かって「カネが足りなかったら原
子力に言ったらすぐ出てくる」と講演し、社会面を賑わせた前市長だけに、瀬
戸内さんが激怒したのは想像に難くない。
 さらに95年12月、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ火災事故が発
生。どこまで影響があったかは不明だが、翌年の入試は受験者が大幅に減少し
た。その後は定員を割る状態が現在に至るまで続いている。その結果、敦賀市
から同短大への赤字補てん額は毎年増加を続け、現在は何と年間2億円。よく
市の財政がもつものだと感心するが、やはりタダほど高いものはないというこ
とが分かる。
 さて市の財政から見て「お荷物」とも言えるこの短大、有力者たちが後処理
策を巡って暗躍を続けている。その中で後に聞いて最も驚いたのが河瀬一治・
現敦賀市長の考えたもの。
 国立の福井大学は04年度から大学院に「エネルギー原子力専攻」を設置した。
独立行政法人化に合わせて原子力をスポンサーに経営を安定させるのが目的だ。
設置する前に専攻を福井市の現キャンパスと原発が集まる敦賀市に置くか議論
があった。福井大の児嶋真平学長は当初「敦賀市に置くべき」と発言。これを
受けた敦賀市の地元財界も誘致運動を展開した。そのころ河瀬市長は児嶋学長
と秘密裏に会談。敦賀短大を新専攻のキャンパスに使うよう提案していたとい
う。児嶋学長も前向きだったというが、最終的には敦賀設置の話は立ち消えと
なり、福井市に決まった。
 設置から約半年後のこと、地元の下請け会社の幹部が憤慨したように明かし
た。「福井大学から新専攻への資金協力を求める寄付の請求が下請けにまで来
た。仕方なく寄付したが、だまされたような気分だ」。すべての道はやはり原発
に通じている。


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