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6.連載「お笑い原子力ムラ敦賀」?
  日野 行介(毎日新聞大阪社会部記者 今年3月まで福井支局敦賀駐在)

 原発のある自治体に行ったことがあるだろうか。原発はその多くが大都市か
ら遠く離れた過疎地にある。しかし街中を歩くと、不似合いなあまりに巨大な
公共施設が立ち並ぶ光景に気付くだろう。体育館、ホール、温泉施設、野球場
…。建設費は高いもので50億円近い。だが一様に利用者は少ない。
 こうした巨大ハコモノ施設の建設費の原資はその多くが電気料金。一定分が
国から特別税として天引きされて特別会計にプールされた後、原発のある自治
体や計画のある自治体に「電源3法交付金」として支払われる。このほかにも
電力会社が納める巨額の固定資産税、果ては億単位の「匿名寄付」まである。
 こうした巨額の原発マネーが入り、インフラ整備が進むことで住民福祉が向
上するというのが、過疎地が原発を誘致する最大の理由だ。では原発を誘致し
た自治体は本当に幸せになったのか。日本原子力発電の敦賀原発1、2号機、
核燃料サイクル開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」、新型転換炉「ふげん」など
4基が立ち並び、3、4号機の増設工事も昨年から始まった福井県敦賀市のケ
ースをこれから連載で見ていきたい。
 市内中心部にある市立敦賀病院は、原発15基が集中する福井県嶺南地域の中
核病院だ。現在は約73億円をかけて増築工事中で、この原資も3、4号機増設
に伴う電源3法交付金、そして日本原電からの匿名寄付金を当て込んでいる。
この増築工事には当初から市民の異論が強かった。この病院では医療過誤事件
が続出、不信感がうずまいていたためだ。「建物ばかり作っても中身が整わなけ
れば無駄。良い医者を呼んできてほしい」という声も多かった。
 だが3、4号機増設計画が関西圏の電力需要低迷を背景に遅れに遅れていた
ため、地元建設業界は予定していた建設工事が中々入らないことに業を煮やし
た。損失を補てんするかのように病院増築計画を求める声を強め、同市は03
年度に着工した。
 増築完了後の07年度からは当然病床数が増える。だが皮肉なことに、この病
院に医師を派遣している金沢大学病院が常勤内科医6人を04年度で引き揚げ
ると通告。敦賀市当局は大混乱に陥っている。過疎地の自治体病院の医師不足
は全国的にも深刻で、6人の常勤医師を補充することができず、当面は外来診
療日や内科の病床数を減らして対応する方針だが、07年度になれば医師を確保
できる見通しも薄い。市民の不安が的中した形だ。3月の定例市議会はこの問
題で大揺れで、それを見た同業他社の記者はつぶやいた。「これじゃ建物ばかり
立派で料理人がいない高級料亭だ…」。

  日野 行介(毎日新聞大阪社会部記者 今年3月まで福井支局敦賀駐在)


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