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3.寄稿2「ようこそ、グリーン電力ビジネスの世界へ」

                正田 剛(日本自然エネルギー株式会社)

 私たちの会社では、4年半前から「グリーン電力証書」を販売する仕事をし
ている。まだ耳慣れない方も多いかも知れないが、これは風力・バイオマスな
どの自然エネルギーで発電したという実績(自然エネルギー発電量)を「グリ
ーン電力証書」という形で企業などに販売するプログラムである。この証書に
は発電量と発電期間が記入されており、普通の電気より少々高いプレミアムを
払って証書を購入した企業は、自社で使っている電気をその分自然エネルギー
に変えたとみなし、環境貢献活動として内外にアピールをすることができる仕
組みである。

 日本では、これまでにおよそ50の企業・団体がこのプログラムに加入し、毎
年一般家庭14,000軒分ほどの電力消費にあたる証書が発行・購入されている。
自然エネルギー全体の量からすると、まだそれほど大きな数字とは言えない。
単純に導入促進効果からみれば、太陽光発電や風車などの建設補助金、さらに、
いろいろ議論はあるものの2003年度から導入されたRPS法などの方が量的には
上だろう。しかし、グリーン電力証書にはそういった政策とはまた別の持ち味
がある。証書を進んで購入した企業が、自社の社員意識向上にこれを活用した
り、その購入実績を使って、ユニークな「自然エネルギー利用製品」を社会に
提供し、社会全体の自然エネルギーへの理解を高める効果があるのだ。

 例えば、四国のタオルメーカーでは、これを使って工場をグリーン電力化し、
「風で織るタオル」を発売。米国にも新規輸出されるヒット商品となった。ま
た、ライブハウスが導入して「グリーンパワーコンサート」を開催したり、レ
コーディングスタジオの導入により「グリーン電力CD」が発売されるなど、
さまざまなシーンで社会に自然エネルギーの利用をアピールしている。まだ小
さな動きではあるが、このように、私たちの商品である証書を使って、企業が
積極的にPRを行っていただくのをみると、この事業をやっている幸福感をつく
づく感じるのである。

 しかし、これまでグリーン電力証書には、ビジネスとして大きな弱点があっ
た。それは、実際にお金を出す企業の税務処理の問題である。企業が受け取る
「証書」は、現在のところあくまで民間の仕組みであり、公的な評価を得たも
のではない。このため、税務署から見れば、「確かにいいことには間違いないけ
ど、お金を払って企業が手にするのは、公的価値のはっきりしない証書1枚で
すよね。これは、神社に寄進をして、お札をもらうのと見分けがつかないでし
ょ」という理由で、企業の支出が(原則として)寄付金扱いになってしまうと
いう問題である。

 実際に、「100万円の経費を払う」と「100万円の寄付をする」のでは、後者
の方がはるかにハードルが高いことはわかるだろう。このため、仕組みに興味
は持ちつつも、「寄付金である」ことがネックになって導入に踏み切れない企業
が実に多く存在したのである。

 この問題をクリアする一つの方法は、証書に「公的評価」を与えることであ
る。例えば、証書を買うと環境税が戻ってきたり、企業のCO2排出量からそ
の分を差し引いて国に報告できたりという仕組みを、政策の側で用意する。そ
うすれば、企業は公的価値のはっきりした証書を買うことになるため、寄付金
ではなく経費で落とせるようになるだろう。グリーン電力の市場は、それだけ
で何十倍にも広がるはずである。

 日本自然エネルギーでは、これまでも何度となくこのような提案を行ってき
たが、残念ながら未だに中央政府レベルでの公的評価は実現していない。理由
はいくつかあり、その根本には、日本では環境価値を取引するといった法的枠
組みがなく、環境税もCO2排出量報告も未だに議論の途上であるという、温
暖化防止政策全体の取り組みの遅れがある。しかし、理由の一つには、これま
でグリーン電力証書を販売するのが日本自然エネルギー1社しかなく、「1事業
者のみが発行する証書に公的価値を与えることはできない」というものもあっ
た。

 しかし、ようやくというか、嬉しいことに状況が変わりつつある。この4月
以降、「自然エネルギー.コム」と「PV-Green」の2社が新たに参入し、太陽光
発電によるグリーン電力証書の販売を開始するというニュースである。

 日本自然エネルギーとしては、ライバルの誕生とも言える出来事であるが、
まずはこのような参入の動きを歓迎したい。ようこそ、グリーン電力ビジネス
の世界へ。一緒になってグリーン電力証書の市場と、社会的評価を高めていき
ましょう。

 ※グリーン電力証書の仕組み・加入実績等についてはhttp://www.natural-
e.co.jp/を参照されたい。

                正田 剛(日本自然エネルギー株式会社)


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