上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
・寄稿2
炭素税の検討状況と今後」
  足立治郎(「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、炭素税研究会)

 「炭素税(地球温暖化防止のための環境税)」は、90年のフィンランドを皮
切りに、英国など多くのヨーロッパ諸国がすでに導入している。日本も、京都
議定書の発効にともない、昨年末に政府内での議論が加速した。結果的には、
05年度からの導入は見送られたものの、継続的に検討することになった。

 炭素税が地球温暖化防止のための切り札のひとつとして大きな注目をあびて
いるのは、CO2削減に努力する個人や企業には経済的なメリットを与えること
により、すべてのCO2排出者に継続的な削減の努力を促すことができる点だ。
このような政策は、他にないといえる。

 ただし、今後、導入の議論は、まだまだ紆余曲折が予想される。なぜなら、
昨年末に出された案(環境省案および自民党環境部会・農水部会合同案)は、
問題が多く、導入反対派のみならず、賛成派であるNGOなどからも批判をあび
たからだ。その主な課題は次のような点だ。
 ・税率が低く(ガソリン1リットル当たり約1.5円)、環境保全効果があまり
期待できない。
 ・軽減措置が多く(軽油に対する2分の1の軽減など)、CO2削減効果を弱め、
公平性の点からも問題が少なくない。
 ・税収を基本的に温暖化対策に活用するとしているが、予算算定基準や評価
制度が示されていないため、本当に効果があがるか疑問。
 ・欧州諸国で一般的な、炭素税の税収を他の税の減税に充てる選択肢が示さ
れず、増税手段の一つに過ぎないとの懸念を払拭できない。

 既存エネルギー税との調整問題が今後大きな政治課題となると考えられるが、
昨年末にはその点の議論がほとんどなされなかった。既存の化石燃料に対する
課税は、経済産業省および国土交通省が所管している。炭素税導入と同時に既
存のエネルギー税を見直すとなると、これら省庁と環境省・農水省・財務省、
さらには、商工族・道路族・農工族を巻きこんだ大議論となり、議論が長期化
することも予想される。

 炭素税が導入された後、企業による新規の設備投資や消費者による商品の買
い換えが実際に始まるには、一定の期間が必要である。早急に炭素税を導入し、
温暖化防止型の経済社会に変革していく明確なシグナルを示すことが重要だ。
効果的で公正な形での炭素税の早期導入のため、市民・NGOの果たすべき役割
は大きい。JACSESや炭素税研究会は、政策提言や情報提供活動に尽力しており、
ぜひ御支援・ご協力をお願いしたい。(なお、論点の詳細は「環境税」(足立治
郎著、築地書館、04年7月発行)をぜひ御参照いただきたい。)

  足立治郎(「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、炭素税研究会)


----
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://isepseenarchive.blog88.fc2.com/tb.php/117-8c381ea2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。