上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
1. 風発:国際的に孤立しかねない日本の温暖化対策にひそむ「罠」
         (「飯田哲也のエネルギー・フロネシスを求めて」より)
                       飯田哲也(ISEP所長)

 ポーランドのポズナニで開催されていた国連気候変動枠組み条約第14回締
約国会議(COP14)が閉幕した。米国がオバマ次期政権への移行期である
ことから、大方が事前に予想したとおり、「進展なし」と総括される内容だった。
一方、非政府組織(NGO)から4度目の「化石賞」(温暖化対策に後ろ向きな
国・地域に与えられる賞)1位を受賞した日本は、相変わらず地球温暖化対策
の「劣等生」ぶりを発揮した。
 折しも11月、遅ればせながら官邸に設置された「中期目標検討委員会」で
は、ようやく中期の目標値について議論が始まった。しかし、この先ポスト京
都議定書に向けた交渉が本格化する ことを考えると、国際社会における日本の
先ゆきを真剣に心配せざるを得ない。日本には国際的孤立を招く恐れのあるい
くつかの「罠」の存在があるからだ。
(以下、次のサイトへ)
http://eco.nikkei.co.jp/column/iida/article.aspx?id=MMECcm000022122008

                       飯田哲也(ISEP所長)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
スポンサーサイト
2.COP14レポート
                     北橋みどり(ISEP研究員)

 ポーランドのポズナンで行われていた、COP14(第14回気候変動枠組
条約締約国会議)、COP/MOP4(第4回京都議定書締約国会議)は、大き
な進展がないまま12月13日に閉幕しました。
 来年コペンハーゲンで行われるCOP15で、京都議定書の次の枠組みを合
意するための今後1年間の作業プログラムがなされました。しかし、長期の世
界全体の温室効果ガスの削減目標など重要な議題の多くは持ち越され、コペン
ハーゲンの合意を加速させる役目を果たすことはできませんでした。

■削減目標
先進国に強く求められていた中期目標の設定に関しては、日本が「来年の適切
な時期に発表する」とし、カナダ、オーストラリアからの目標を表明もなく、「2020年までの25~40%の削減幅」と明確に記述されることがありま
せんでした。長期目標に関しては、メキシコが2050年までに50%の削減
の意向を示すなどのシーンもありました。しかし、「世界全体で2050年まで
に温室効果ガス排出量を半減」という文言は、先進国の十分なコミットメント
がないままに削減目標を求められることを懸念する途上国の反発もあり、こち
らも合意に至りませんでした。

■日本の交渉について
 この会議で、日本は「化石賞(Fossil of the Day)」をたびたび受賞するこ
ととなりました。温室効果ガスの中期の削減目標を示さない、削減の基準年を
1990年から現在へ変更する提案を行う等の交渉への後ろ向きな態度が主な
理由です。また、シャワーを浴びる時間を短くすることなどの国民運動を国内
対策の柱のひとつに位置づけていることに大使、削減意欲が疑問視する声も出
されました。
 日本政府が提案していた、「セクター別のアプローチ」については、効率を指
標とする考え方等に一定の賛成もありましたが、その積み上げによる低い削減
目標に難色を示す声もあり、最終的に文書から外されることとなりました。

■その他の議論
 すんなり終わるかと思われた会議ですが、途上国が温暖化の影響に対応する
ための資金(適応基金)の拡大をめぐり、交渉は最終日夜中までもつれ込みま
した。資金拡大のためにクリーン開発メカニズム(CDM)に適用されている
課徴金(share of proceeds)を共同実施(JI)や排出量取引にも適用するべ
きというG77+中国、適応対策にも優先順位をつけて行うべきとする先進国
などと議論がかみ合わず、やはり議論は持ち越され終わりました。
 「途上国における森林減少からの排出量削減(REDD)」の議論では、森林
減少対策の際に先住民族の権利や、生物多様性へ配慮するという記載が削除さ
れた時があり、会場にいた、先住民族やNGOからの反対が相次ぎ、後日、文
書に再び盛り込まれるという一場面もありました。

 交渉では自然エネルギーというキーワードが語られることはほとんどありま
せんが、先進国の削減ポテンシャルも、途上国の持続可能な発展にも自然エネ
ルギーの推進が欠かせないことは言うまでもありません。COP会場内では、
多くの自然エネルギーに関するサイドイベントが開催されていました。また、
時を同じく発表されたEU候変動パッケージでは、EU全体で再生可能エネル
ギーを20%に引き上げることを盛り込んでいます。
 しっかりと国内の削減目標や施策を持ち、(「化石賞」の表彰式でもらえる)
石炭トロフィーでなく、自然エネルギーを掲げ、世界を持続可能な社会へと導
けるようにしていきたいですね。

                     北橋みどり(ISEP研究員)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
3.今年1年のグリーン電力をふりかえって?
                   躍動をはじめたグリーン電力市場
              竹村英明(ISEPプロジェクトマネージャー)

 2008年はグリーン電力にとって大きな変化の年でした。2000年にス
タートしたグリーン電力証書システムの信頼性を第三者機関認証という形で担
保してきたグリーン電力認証機構が、今年5月、経済産業省の外郭団体である
日本エネルギー経済研究所の機構の中に位置づけられ、その名もグリーンエネ
ルギー認証センターと改められました。
 その是非は微妙ですが公的機関に一歩近づいたわけです。経済産業省の中で
もグリーン電力を活用するということが確認され、7月にはグリーンエネルギ
ーパートナーシップという「推進機関」がつくられ、グリーン電力証書の活用を
アピールしはじめました。
 ただし、この動きは環境エネルギー政策研究所(ISEP)や東京都などが
すでに立ち上げていたグリーンエネルギー購入ネットワーク(GEPF)の動
きや、7月に立ち上げた「1億人のグリーンパワー。キャンペーン」と趣旨や動
きが重なるものです。民間主導で育ってきたグリーン電力を「公」の方に強引
に持って行こうとする行為にも感じられました。逆にそれほど、政府側がグリ
ーン電力市場の成長を意識した年ということもできると思います。
 グリーン電力の市場規模は、2007年には約5800万kWhから
1億1000万kWhへと倍増しました。今年2008年の集計は出ておりま
せんが、自然エネルギー・コムでの販売量は9月時点で昨年の5倍増となって
います。実際に市場が大きく膨張しはじめたのです。

 1)グリーン電力についておさらい

 グリーン電力という言葉の定義は少々厄介です。一般的には自然エネルギー
の生み出す電気がグリーン電力であるとされています。その際には電気も環境
価値も一体です。しかし、グリーン電力証書システムというとき、このグリー
ン電力は自然エネルギーの生み出す環境価値部分を指します。自然エネルギー
のつくり出す環境価値に「値段」をつけて、電気だけでない、プラスアルファの
「収入」を自然エネルギー発電所にもたらすことで、発電所設置を促進するとい
うのが、この仕組みの目的です。
 この仕組みの中では、自然エネルギーから生まれた電気は、照明や動力にな
る電気(働き電力)と環境価値としての電気(環境電力)に分けられます。「働
き電力」は発電設備を設置した施設の機器や照明にまわり自家消費電力となる
か、使い切らなかったものは余剰電力として電力会社の送電系統に流れ出てい
きます。「環境電力」も二つに分かれます。送電系統に流れた余剰電力分につい
てはRPS法の規定に基づいて電力会社のものとなり(電力会社がその分の代
金を払っていなければ別ですが)RPS価値となります。送電系統に流れなか
った自家消費分の「環境電力」は発電者側に残り、これはグリーン電力として販
売することができます。
 したがって日本では自然エネルギーの環境価値はRPSとグリーン電力が混
在し、両者を整合性を持って結びつけるシステムはまだありません。およそ
1億kWhの自然エネルギーからの電気の大部分は、電力会社に電気を売って
いる小水力発電や風力発電です。その環境価値の大部分はRPSになり、グリ
ーン電力になっているのは数%と推測されます。市場が膨張していると言って
もまだこんなもので、そういう意味では、市場はもっと何百倍にもなって行く
可能性を秘めているということです。

 2)国内排出権取引の迷走

 グリーン電力がにわかに政府関係機関によって注目されはじめた背景には前
首相の福田ビジョンで、国内排出権取引を速やかに実施することがうたわれて
いたことも関係しています。2008年という年は京都議定書の国際約束を達
成しなければならない年度の1年目です。2012年までには1990年度の
6%削減、現状からは14%削減という重い課題がイヤでも目の前に現れたと
いうことです。
 これを受けての国内排出権取引です。排出権取引というのは、まず日本の温
室効果ガス排出量に寄与している大きな事業所に(1)削減目標を課し、(2)
削減計画を立てさせて努力をさせた上で、それでも削減目標を達成できなかっ
た事業所には、(3)削減を達成できた企業の余剰分を買取ることを認めるとい
う仕組みです。この買取る分を二酸化炭素排出権とか二酸化炭素クレジットな
どと呼ぶわけです。

 つまり削減余力のある事業所は二酸化炭素に値段をつけて売れることになり、
余分に削減するだけの設備投資をしても元が取れることになります。削減のた
めには大変なコストがかかる事業所が削減するよりも、比較的容易に削減でき
る事業所がより多く削減して、困難な事業所の削減量をカバーした方が、日本
全体の削減をより低コストで行うことができるという考え方です。
 ところが日本は京都会議のあと、経済界の抵抗もあり、本気でこの仕組みを
つくってきませんでした。各事業社の排出量を把握したり、削減義務量をはじ
き出したりする準備ができていませんし、削減された二酸化炭素の量をどのよ
うに計るのかの方法も決まっていません。明確な共通ルールなく試行制度がス
タートしたのです。
 そんな中で、もっともしっかりと環境価値を測定し二酸化炭素削減量を算出
することができる仕組みがグリーン電力なのです。そこでこのグリーン電力を
温暖化防止対策法の中で位置づけるための、細部の整備をグリーンエネルギー
認証センターが進めています。国内排出権取引にとってもグリーン電力は重要
なツールになろうとしているのです。

 3)1億人のグリーンパワー

 経産省がグリーンエネルギーパートナーシップを作ったことはご紹介しまし
たが、ISEPは地球環境イニシアティブ(GEIN)やグリーンスタイル(ソ
ニーミュージック系の広報誌)など、いくつかの団体と協力して「1億人のグ
リーンパワー。キャンペーン」を立ち上げました。自然エネルギーを増やして
行くためのグリーン電力を、広く個人のレベルまで知ってもらい活用してもら
うということが、キャンペーンの目標です。
 今年(2998年)の7月7日にスタートしましたが、これは洞爺湖サミッ
トの開催に合わせたものです。オープニングとして、小田急社や東京都の協力
を得て新宿南口サザンテラスで、ダンスとコンサートとシンポジウムをコンパ
クトに詰め込んだイベントを開催しました。
 キャンペーンツールはポータルサイトの「+グリーン」です。太陽光発電や
風力発電などの自然エネルギーを増やすという意味を「+グリーン」に込めま
した。サイトにアクセスし「+グリーン」をクリックしてもらう。それが自然
エネルギーを増やそうという意思表示になるというものです。
 クリック数は現在6万クリックを超えました。キャンペーン期間は来年の
12月、つまりコペンハーゲンで行われるCOP15までと設定しています。
2012年以降の地球温暖化対策が決められるCOP15にむけ、日本の政策
は怪しいが、日本の多くの人が自然エネルギーの飛躍的普及を求めていますよ
というメッセージを届けたいからです。クリック数を現在の10倍、100倍
に延ばしたいと、来年頭からは「1億人のグリーンパワー。09」として、装
いも新たにして再スタートを切ろうと考えています。
http://www.1okunin.net/

 4)ローカルグリーン証書の誕生

 注目を集めはじめたグリーン電力は、CDM(クリーン開発メカニズム)や
JI(共同実施)など京都メカニズムと呼ばれる仕組みによって海外から購入
される排出権(CDMによるCER、JIによるERUなど)とともに、今後
の排出権取引の柱になってくる可能性が高まってきました。それを見越してか、
NPO的な団体から商社のような大きなところまで、いろいろな組織がこの分
野に進出してきています。4つ程度しかなかったグリーン電力証書販売会社
10幾つに増えました。
 CERは価格は安いですが、日本のお金を海外に流出させることになります
し、環境価値は買ってくるが、それが環境を良くする効果(空気を汚さないと
か、資源を無駄に使わないとか、森林を育てるなどなど)は海外においてきて、
日本の中はちっとも良くならないのです。お金をたくさん使って、国内は汚れ
て荒れ果てたままというのは少し変でしょう。
 そこで、仮に価格が高くても、国内をきれいにするという効果もちゃんとあ
るグリーン電力の活用が広がらないといけません。それをよりローカルに「見
える化」し、より地域との結びつきを強めようというのが「ローカルグリーン
証書」の取り組みです。キーワードは当然ながら「地産地消」です。
 自然エネルギー資源はほぼどこにでもあるものですが、地域的に強み弱みが
あります。風の強いところ、日照時間の長いところ、急峻な山間地でたくさん
の川が流れているところ、温泉や地熱の豊富なところ、木材資源が豊富なとこ
ろなど、その強みを生かした自然エネルギーの開発とグリーン電力の活用が可
能になるのです。
 各地のNPOや地域事業社が担い手となりローカルグリーン証書の仕組みが
スタートしました。証書発行会社は自然エネルギー・コムですが、地域の団体
がその代理店となって、独自の証書デザインを作り、地域の電源を開発し、地
域の顧客に販売することができます。

 5)枯渇する?自然エネルギー

 さて今年の私の重要な仕事は、急増するグリーン電力需要に供給を追いつか
せるために電源をさがして、グリーン電力を確保する買い付けでした。バイオ
マス発電を手がけている各地の木材・建材メーカー、大規模な太陽光発電所を
設置している企業、風力発電を独自に建てた自治体、南の島のサトウキビによ
るバガス発電所にもお邪魔しました。
 買い付けに行った先でグリーン電力についての認識を持たれているところは
少なく、これまでは認識していなかった「価値」があるらしい、しかもそれに値
段がついて売れるとは「夢のような話だね」というのが、おおむね最初に抱か
れる感想のようです。
 で「夢のよう」だからすぐに成約となるかというと、逆に「怪しい」とか「信
じられない」となるようです。私も合計すれば数千万kWhの電源を巡ってい
ますが、「売りましょう」といってもらえたのはまだわずかです。あるメーカー
ではバイオマス発電所の場所が、最初は人里離れたところだったのにまわりが
開発されてマンションだらけになってしまい、新住民から公害施設とうとまれ
ているのに、それがグリーンですか・・とびっくりされたこともあります。残
念ながら地域住民に快く受け入れられていない施設は設備認定は受けにくいの
で、実際にはグリーンにはならないとは思いますが。
 グリーン電力の需要は来年も急増すると思われますので、これら交渉中の施
設が電源として成約がなったとしても、おそらく早晩、需要をまかなう絶対的
設備の不足ということが起こるだろうと思います。自然エネルギーが足りない
わけではないのです。自然エネルギーを電気に変える施設が足りない、追いつ
かないということです。
 固定価格買取制度で爆発的に普及を続けるドイツはじめヨーロッパの各国に
比べると日本の自然エネルギー発電所は少なすぎるのです。またエネルギー資
源を発電設備に効果的に低コストで流すためのインフラもまったくできていま
せん。これだけ森林がありながら、日本のバイオマス発電はほとんど建築廃材
で間伐材などほとんど使われていないのです。自然エネルギーが飛躍的に伸び
て行くためには、このことは欠かせない課題であると思います。

 6)来年にむけて

 2004年から4年間にわたり、飯田市にて「おひさま進歩エネルギー」で地
域事業に携わらせていただきましたが、今年の4月からは中野の自然エネルギ
ー・コムに戻りまして、グリーン電力担当となっています。主な役割は本文中
にありましたように「電源開発」。数少ない電源を求めて、全国各地に「買い
付け」の旅をした1年でした。各地でお世話になった皆さん、また飯田市や南
信州でお世話になった皆さんに、この場をお借りして御礼申し上げます。
 グリーン電力は来年さらに大きな市場に拡大することは間違いないと思いま
す。それにあわせ、自然エネルギー・コムも名称を「株式会社エナジーグリー
ン」に改めて再出発します。商品であるグリーン電力の登録商標を、そのまま
社名にするというわけです。最大の課題は、増大する需要に供給を間に合わせ
ることです。
 いまはほとんどグリーン電力に組み入れることができていない小水力発電の
環境価値を市場に売り出すシステムづくり、そしてバイオマスでは森林活用の
インフラづくりへの道つくり(まだインフラの一歩手前です)などがカギだな
あと思っています。その先には、日本のグリーンな電気を扱うグリーンPPS
という夢があります。昨年のSEENでは、やがては東京電力よりも大きくと
書いた記憶があります。実現に向けて、着実に一歩一歩、踏み固めて行きたい
と思いますので、これからもご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

              竹村英明(ISEPプロジェクトマネージャー)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
4.2050年自然エネルギービジョンとエネルギー永続地帯
                     松原弘直(ISEP主席研究員)

 今年、日本はG8洞爺湖サミットの議長国として、主要排出国に対し
「2050年までに全世界の温室効果ガス排出半減」への合意を呼びかけ、そ
れに先立つ福田ビジョンにおいては日本の排出削減目標を2050年に60%
~80%と宣言した。ISEPでは、気候変動対策に関する「イノベーション」
の核となる自然エネルギーに注目し、昨年末より国内の自然エネルギー関連団
体と協力して「2050年自然エネルギービジョン」を策定し、その実現に必
要な政策の提言と共に2月の「再生可能エネルギー展望会議」に発表を行った。
本ビジョンでは、2050年に低炭素社会を目指す上で、自然エネルギーに注
目して、日本で2050年までに最大限導入しうる可能性を検討している。そ
の結果、2050年の日本の姿(ビジョン)は以下のようになった。
 ■ 電力需要の65%以上を自然エネルギーにより供給している。
 ■ 熱需要の約30%を自然エネルギーで賄い、家庭部門や業務部門はほぼ
100%となる。
 ■ エネルギー起源の二酸化炭素排出量を75%以上削減(2000年比)
 ■ 一次エネルギー供給のほぼ60%を自然エネルギーで賄い、エネルギー自
給率50%以上
 本ビジョンの検討にあたっては、原則として、各自然エネルギー関係団体か
ら導入可能性やその考え方、必要な政策などを提示していただいた。その際に
自然エネルギー以外の供給想定や全体の需要想定は、基本的に国立環境研究所
の「2050年低炭素社会シナリオ」をベースにして、検討を行った。

○再生可能エネルギー展望会議(2008年2月21日)
http://www.isep.or.jp/event/080221sympo2050.html
○2050年自然エネルギービジョン
http://www.isep.or.jp/event/080603sympo/2050vision080603.pdf
○2050年自然エネルギービジョンの実現に向けた政策提言
http://www.isep.or.jp/event/080603sympo/2050policies080603.pdf

 6月に開催された「自然エネルギー政策会議」において「自然エネルギー促
進法」ネットワーク(GEN)の解散が宣言され、7月には持続可能な自然エ
ネルギー政策の実現に向けて、自然エネルギー関9団体により「自然エネルギ
ー政策プラットフォーム」(JREPP)が新たに発足した(事務局ISEP)。
現在の次の9団体が参加している。全国小水力利用推進協議会、日本風力発電
協会、風力発電事業者懇話会、ソーラーシステム振興協会、日本地熱開発企業
協議会、日本地熱学会、日本建築学会地球温暖化対策推進小委員会、日本木質
ペレット協会、ISEP。上記ビジョンは「中間報告」としての位置付けであ
り、来年のCOP15に向けて、このJREPPと市民エネルギー調査会によ
り需要サイドの見直しや2020年の中期目標などについても検討が進められ
る予定である。なお、6月に発表されたグリーンピースの「エナジー・[R]E
ボリューション日本シナリオ」にたいする協力もISEPとして行っている。

○自然エネルギー政策会議(2008年6月3日)
http://www.isep.or.jp/event/080603sympo.html
○自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)発足プレスリリース
http://www.isep.or.jp/press/jrepp_press080701.pdf
○ グリーンピース:「エナジー・[R]Eボリューション日本シナリオ」プレス
○ リリース
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20081201ce_html

 一方、現在の地域毎の自然エネルギーの供給状況と民生部門のエネルギー需
要とを比較し、市町村毎のエネルギー自給率を指標化する「エネルギー永続地
帯」の調査研究が、千葉大学倉阪秀史教授との共同研究として進められている。
9月16日には、昨年に引き続き2回目のプレス発表を実施した。今年発表し
た「2007年版」では、前年の「2006年版」には含まれていなかった太
陽熱や地熱などの「熱」が加えられている。その結果、日本の62の市町村で
自然エネルギーによる自給率が100%以上となり、民生用エネルギー需要の
全てを賄っているとみなすことができる。都道府県では、7県(大分、秋田、
富山、岩手、長野、鹿児島)が民生用エネルギー需要の10%以上を自然エネ
ルギーで賄っていることがわかった。エネルギー源別では、小水力発電
(1万kW未満)、太陽熱利用、風力発電、地熱発電、温泉熱利用、太陽光発電
の順で供給量が大きい。今回は、残念ながら最近注目されているバイオマスの
熱利用を含めることができなかったが、次回の2008年版には含めたいと考
えているので、引き続き注目して頂ければ幸いである。

○エネルギー永続地帯ホームページ
http://sustainable-zone.org/
○「エネルギー永続地帯2007年版プレスリリース」
http://www.isep.or.jp/press/20080916SustainableZone.pdf

                   松原弘直(ISEP 主席研究員)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
5.飯田事業2008年の総括として
                      柳沼佑貴(ISEP研究員)

 地方のエネルギーを巡る環境は激動の一年であったといってよい。2000
年台になって徐々に上昇してきた原油価格が、年明けから急激な上昇に転じ、
今年7月に1バレル=147ドルと空前の水準に値上がりした。それに併せて
この地方の灯油・重油価格も急上昇。メディアで大きく報道された漁船のスト
ライキはまだ記憶に新しいが、石油漬け業界の脆さが改めて明るみにでた。特
に大量の熱需要家に取って一時は経営の死活問題ほどの大きな危機にまで発展
し、私たちの地域エネルギー事業者は代替エネルギーへの助言を求める問い合
わせを多くうけることになった。
 しかし、夏以降は原油の急激な下落が始まり、原油相場は5カ月余りで
100ドル以上の幅で値下がりした。最近では40ドル台前半で推移し、一時
のエネルギー危機は一難去ったかのような情勢へとシフトした。旅館・温泉宿
や温室農家など大口の熱需要家にとっては大量消費を余儀なくされる冬前に波
が収まったことは不幸中の幸いと言えるかもしれない。しかし今年の原油価格
の乱高下がいつまた訪れるかはわからない。目の前の価格は急降下中だが、原
油を巡る見通しは依然と不安要素は多く、大量のエネルギー消費国になるであ
ろうBRICsの台頭や石油そのものの有限性の問題はいまだ解消してはいな
い。このような状況のなか、地域の未利用エネルギーの発掘はますます重要に
なることは間違いない。
 わたしたちの小さなNPOから始まった事業は、飯田市、南信州、そしてさ
らに広域に活動領域を広げ、提供できるサービスもエスコ事業、太陽光事業か
ら始まり、バイオマス事業やグリーン電力証書の販売など、バリエーションも
質も上げることができている。さらにわたしたちの取り組みを一つの糧として、
地元飯田市は内閣府が定める環境モデル都市の候補として選ばれており、12
月に最終的な選考で正式に決定されれば、さらにこの地域の環境への取り組み
の機運は高まることであろう。
 昨年度、南信州15自治体を主体として立ち上げた「南信州・地球温暖化防
止エコ推進協議会」の事業では、我々としては初めて木質バイオマスボイラー、
ペレットストーブや太陽熱温水システムなどのグリーン熱供給設備、排湯利用
や排熱回収ヒートポンプなどの省エネ設備の導入など、この地域で新しい取り
組みに着手できた。またメガワットソーラー事業は今年度が3カ年事業の最終
年度であり、一、二年目で85箇所、700kWの市民共同発電所を設置する
ことができまた。今年度加えて32カ所300kWの設置を予定しており、私
たちが現在までに取りつけることができた市民共同太陽光発電所は、他地域に
類を見ない168カ所に1281kWの設置を達成できた。もちろん、これら
の実績を重ねられたのは、全国の方々からの暖かい市民出資という応援があっ
てこそであり、今度もさらに地域に根ざしたエネルギー事業を拡大させていけ
るよう、様々な主体と連携し、新しい資源流通や経済の枠組みを作り出し、こ
の地域が循環型社会となりえるよう、一歩一歩前進していきたいと思うところ
です。今後ともご支援をよろしくお願いします。

                      柳沼佑貴(ISEP研究員)


----------------------------------------------------------------------
7.「インターンシップを通じて気付いたこと」
         石村雄一(備前グリーンエネルギー株式会社 インターン)

 今回、備前グリーンエネルギー株式会社のインターンシップに約1ヶ月間参
加させていただきました。

 インターンシップ当初の印象は、社員の方全員が膨大な仕事を抱えていて忙
しく、苦労や努力をしながらもその中でどこか仕事を楽しんでいるように見え、
その姿に疑問を感じていました。

 しかし日が経つにつれ、一人一人の社員の方が中心となって地域の人や社会
のために仕事をされている姿を見て、やりがいをもって仕事をされているのが
すごく伝わってきました。そしてそのやりがいが仕事をする中で楽しみになっ
ているのではないのかと感じました。これは仕事をしていく上でとても大切な
ことだと考えるようになりました。

 また、約1ヶ月という短い期間にも関わらずとてもたくさんの経験をさせて
いただきました。今までに使ったことのなかったパソコンのソフトを使用させ
ていただいたり、様々な施設の図面を読み取り、ペレットや薪の配達、エコイ
ベントへの参加など大学では経験できないことをさせていただいたのでとても
いい経験になりました。そして、仕事の合間にたくさんの環境事業に関する多
くの知識を積極的に教えて下さったおかげで今後研究したいことを見つけるこ
とも出来ました。

 それと同時に自分に足りないものにも気付くことが出来ました。マナー・人
との接し方など日々の生活では十分だと感じていたことが仕事をする上ではま
だまだ不十分であることや、パソコンのソフトにおいても身に付けるべき能力
がさらに必要だと実感しました。しかし、それを改善していくことでまだまだ
自分は成長をすることが出来き、そして成長していかなければならないことに
気付きました。

 日々、地域社会のためにエネルギーを通じて活動し活躍している人たちの中
で少しでも一緒に仕事をさせていただくことが出来き、そこで働く方々の努力
やプロジェクトの結果に至るまでのプロセスなど教科書やパソコンの画面では
見ることのできないリアルな現場を自分の目で実際に見ることが出来てとても
勉強になりましたし、この経験がこれからの研究、そして自分自身にすごく意
味のあるものになったと思います。私も将来、備前グリーンエネルギーの社員
の方々のように地域の人や社会のためにやりがいを感じながら仕事をし、活躍
したいと思いました。

 今回、お世話になりました備前グリーンエネルギー株式会社の方々、備前市
の方々には誠に感謝しております。本当にありがとうございました。

         石村雄一(備前グリーンエネルギー株式会社インターン)


-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。