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1. 風発:「想定外」の「想定外」
                       飯田哲也(ISEP所長)

7月は事変の月であった。7月16日に襲った中越沖地震は、柏崎刈羽原発を
直撃し、なすすべもなく燃え続けた変圧器の映像や亀裂の入った道路、膨大な
漏水などの映像をとおして、日本の原発の備えのお粗末さを世界中に露呈させ
た。

この間、「想定外」と言う言葉がやたらに飛び交った。曰く「今回の地震は想定
外」「活断層の存在も想定外」「原発建屋からの水漏れも想定外」「防火体制の
不備も想定外」・・・。そういえば、この春の北陸電力や東京電力の制御棒引き
抜けによる臨界事故も「想定外」だった。どれほど問題が積み重なっても、「想
定外」といえば、あたかも誰にも責任がないかのような、マジックワードとな
っている。

なぜ、原子力ムラは「想定外」という言葉が好きか。原発は、(見かけ上)厳し
い安全審査を経て、設計・建設・運転されるため、規制を受ける側の電力会社
からすれば、国の安全審査の「想定」にない事故やトラブルは自分たちの責任
じゃない=「想定外」というココロがおそらくあるだろう。規制する側の国か
らすれば、そこまでの規制は「合理的じゃない」(=お金が掛かりすぎる)とい
う言い訳が用意してある。だから、「想定外」といえば、見事に誰にも責任がな
いことになる。

これには、もう一段奥がある。じゃあ、誰がその「想定」をするのか。それは、
国と電力会社の共同作業なのだ。真摯に安全性を追求するための「想定」なら
いいのだが、必ずしもそうではない。安全審査をする側の国は、「反対派に突っ
込まれたら面倒だなぁ?」と感じる「想定」は避ける。電力会社も、お金や時間
が掛かる都合の悪い「想定」は避ける。「想定」しないことの屁理屈が成り立て
ば、「想定」しないことは問題ない。

こうして、都合の悪い「想定」はせず、都合の悪いことが起きたら「想定外」
で責任を逃れることができる、原子力ムラの「閉じた環」が完成する。今まで
は、都合の悪いことは、ムラの外(=私たちの社会全体)に放り投げる原子力
ムラの論理で押し通すことができた。

ところが、原子力ムラの「不都合」を社会の側が気前よく受け止めて見過ごす
ほど、牧歌的な時代ではなくなってきている。中越沖地震は、柏崎刈羽原発だ
けでなく、改訂されたばかりの新耐震基準や首都圏の電力安定供給、そして現
在改訂中の国の温暖化対策も「直撃」した。「想定外」という言葉で責任逃れす
るには、社会の側のリスクが大きくなりすぎているのだ。

「想定外」とは、明らかに国の安全審査の瑕疵である。ただちに安全審査基準
(とくに耐震基準)を見直す必要があると同時に、古い安全審査に沿った原発
(=つまり全ての原発)は、直ちに総点検し、場合によっては停止しなければ
ならない。少なくとも、論理的にはそうなる。

もはや、「想定外」はマジックワードではなく、単なる思考停止のキーワードに
すぎない。

                       飯田哲也(ISEP所長)


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2. 連載「光と風と樹々と」(19)
 「美しい星50」の悪夢――「原子力ルネサンス」の本当の狙い
               長谷川公一(環境社会学者 東北大学教員)

■原発復活になりふり構わぬ二代のブッシュ政権
 7月13日に、アメリカのメリーランド州で原発1基の建設・運転一括許可
申請がNRC(米・原子力規制委員会)に提出された。申請が認められ、実際
に着工されることになれば、1978年を最後に途絶えていた新規着工が、約
30年ぶりに復活することになる。
 2008年末までに約30基近い建設・運転一括許可申請が見込まれるとい
う。原子力産業は、「原子力ルネサンス」を謳っておおはしゃぎだ。 ではなぜ
今ごろになって電力会社側は、原子力復活をもくろむのだろうか。
 背景には石油や天然ガス価格の高騰と「地球温暖化問題」があるが、アメリ
カの場合、直接的な理由は、二代のブッシュ政権による強烈なテコ入れである。
 アメリカの電力会社にとって原発離れの要因は、突き詰めれば、経済性への
不安と認可申請の煩雑さにあった。この2つを解決すればいいというわけだ。
 アメリカでは、建設前の建設許可申請と運転開始に先立つ運転許可申請とい
う二段階の申請になっていた。電力会社側にとっては、建設許可申請を得て着
工し、工事は進捗したものの、政治状況の変化などによって、運転許可申請が
得にくい、運転許可申請に時間がかかるというリスクがあった。これを父親の
ブッシュ政権時代に、1992年成立のエネルギー政策法で、着工前に一括し
て許認可が得られるように、しかも運転開始前の公聴会は、特別に問題がある
ことが示された場合以外はスキップできるように「改正」したのである。しか
しこのような「改正」にもかかわらず、電力会社側からの発注復活の動きは、
その後10年以上なかった。
 そこで息子のブッシュは、電力会社側に直接的な経済的なメリットを与える
ことにした。先進諸国で例外的に、日本でなぜ原発の着工・運転開始が続くの
かを研究し、その最大の秘訣が「経済的なインセンティブ」の提供にあること
を学習したのだろう。アメリカになじむような手法で、経済的なメリットを提
供することにした。市場に委ねるのが、ブッシュ政権の経済政策の基本だが、
目的のためには、市場に積極的に介入するというご都合主義の見本のような政
策である。ブッシュ親子やチェイニー副大統領を代表とするその側近は、石油
資本とともに、原発建設を得意としてきた大手ゼネコン・ベクテル社と密接な
関わりがある。
 2005年8月8日に成立した「包括エネルギー政策法」に盛り込まれたの
は、新規建設の最初の6基までに対する「許認可手続きの遅れに対する損失補
償」(最初の2基には損失の100%(5億ドル(=約600億円)を上限)、
続く4基には50%(2.5億ドルを上限)を連邦政府が補償(計20億ドルを
上限)、「融資保証」(連邦政府が建設時の借入金の最大80%までの低利融資
を保証(再生可能エネルギー施設や石炭ガス化事業にも適用))、「発電税控除」
(運転開始当初の8年間は1.8セント/kWhの発電税を免除。100万k
Wあたり年間1億2500ドル、合計600万kW分が上限。なお発電税控除
は、2007年末までに運転開始した風力発電設備に対しても、1.9セント
/kWhの控除を10年間実施する)である。最初の6基に大きなアメを与え、
何が何でも発注を復活させようというなりふり構わない手法である。
 2008年の大統領選挙は、現状では民主党が雪辱する公算が強い。200
9年1月中旬のブッシュ政権退陣までに、建設・運転一括許可を何とか取り付
けたいというもくろみもあるだろう。原子力復活の動きに対して、ヒラリー・
クリントンやオバマなどの民主党候補がどういう態度をとるのかも注目される。

■ポスト京都の焦点としての原発
 京都議定書の重要なポイントの1つは、他国との排出枠取引や共同実施を行
った分を自国の削減量としてカウントできるようにする CDM(クリーン・デ
ベロップメント・メカニズム)の技術として、安全性や廃棄物問題などがある
ために、原子力発電を認めていないことである。原子力産業側としては、当然、
原子力発電を認めさせたい。CDMとして原発が認められれば、例えば日本政
府がODAなどのかたちで資金を提供し、ロシアや中国、ベトナムなどに原発
を建設し、原発による温暖化ガスの削減効果分を日本の削減量にカウントする
ことが可能になる。
 日本政府や東芝や日立・三菱などにとっては、国内での実質的な削減はサボ
ることができる、資金力の乏しいこれらの国々に日本のお金(国民の税金)で
原発をつくってあげることができる、原子力産業の生き残りも日本主導ではか
ることができる、このような前提のもとで、アメリカや中国・韓国などもポス
ト京都の枠組みに引き入れることができる、など、一挙四得の妙案である。だ
からこそ、東芝はウエスチング・ハウスを子会社化し、日立はGEと事業統合
をはかり、三菱重工はフランスのアレバ・グループと提携したのである。
 来年7月の洞爺湖サミットで最大の焦点と目されているのは、2013年以
降のポスト京都の枠組みづくりである。安倍政権は5月に、「美しい星50
(Cool Earth 50)」という、地球全体の温暖化ガスの排出量を2050年まで
に半減させるというプランを発表したが、その基本的な前提は、おそらく原子
力発電による排出枠取引や共同実施の進展であろう。
 原子力産業側が「原子力ルネサンス」を謳い、ブッシュ政権が原発新設の駆
け込み申請を待望するのも、原発にCDMのお墨付きを与え、東欧・ロシア、
途上国での原発大量発注への道筋をつけることに大きなねらいがあるだろう。
ポスト京都の枠組みへアメリカが復帰するための取引材料として、原子力にC
DMのお墨付きを与えることが利用される可能性も少なくない。実際、5月に
発表されたIPCCの第4次報告書の第3作業部会報告でも、温暖化対策とし
て原子力が肯定的に言及されている。
 洞爺湖サミットについて、環境NGOや世論、メディアがもっとも警戒すべ
きは、これらの点であり、官邸や経済産業省、原子力産業側のこのようなねら
いを浮かび上がらせていくことが重要である。

               長谷川公一(環境社会学者 東北大学教員)


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3.「グリーンエネルギー購入フォーラムの発足」
                      山下紀明(ISEP研究員)

前号のSEENで紹介したエネルギーのグリーン購入に関するネットワーク
(事務局:ISEP)が設立された。

今回の動きは昨年度末のシンポジウム(詳しくは下記ウェブサイトおよび前号
のSEENを参照)を発端としている。すでに東京都はCO2排出係数と自然
エネルギーの比率を指定した電気のグリーン購入を始めている。再生紙などの
物品のみでなく、電気や熱、燃料でもグリーン購入を行うこと、自治体「のみ」
の率先行動ではなく、民間や国にも広げることを視野に入れた自治体「から」
の率先行動として戦略的に進めるため、「グリーンエネルギー購入フォーラム」
を立ち上げることとなった。

上述のシンポジウム参加自治体、NPOを中心とて6月5日(火)に東京都庁
にて「グリーンエネルギー購入フォーラム発足式」が行われた。
来賓挨拶での資源エネルギー庁新エネルギー等電気利用推進室の永見氏の発言
がこの活動の意義を端的に表していた。(一部要約して引用:当日の様子は下記
ウェブサイトからご覧いただけます)。

「(グリーン電力証書については)以前は関心が低かったように思われるが、自
治体の機動性もあり、この二年弱で急速に関心が高まって取り組みも進んでき
た。環境問題への取り組みについては、自治体レベルの取り組みが進むことに
よって、国レベルでの法制度を作るような取り組みというのは容易になってき
た歴史がある。グリーン電力証書についても、皆さんの取り組みが進むことは、
国の取り組みを後押しすることにもなる。」

この日を皮切りに、東京都からの全国市町村への呼びかけ、グリーン購入ネッ
トワークを通じての企業、自治体への呼びかけなどを行っている。6月20日
(水)には東京都主催の八都県市実務者向けセミナーが開かれ、ISEPや北
海道のNPOなどもシンポジウムを企画している。各地でのイベントを展開し
つつフォーラムへの参加と活動を推進していきたい。

現在の加入団体数は自治体を中心として29団体(7月26日時点)であるが、
今後企業も含めより多くの参加を期待している。日本でのグリーン電力証書の
購入量はソニーの1500万kWhが最大だが、米国ではペプシコーラが11
億kWhの購入を行っている(注2)。すでに経産省や環境省でもグリーン電力
証書のCO2削減価値を認めることや損金扱いについて議論が出ており、条件
が整えば、米国のように桁違いに大きな市場が出来る可能性がある。
非常に動きが早い分野であり、是非多くの方にフォーラムに加入していただき、
日本の適正な市場を作っていきたい。

(注1) グリーンエネルギー購入フォーラム、シンポジウム「自治体から始め
るエネルギーのグリーン購入」についてはこちらからご覧いただけます。
 http://www.gepforum.jp/
(注2)U.S. Environmental Protection Agency Green Power Partnership Top
25 Partners
 http://www.epa.gov/greenpower/partners/top25.htm

                      山下紀明(ISEP研究員)


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4. GENシンポジウム
     「京都議定書達成に、自然エネルギーは何が出来るか?」を開催し

                     大久保 望(ISEP研究員)

昨年11月より行われている国の京都議定書目標達成計画の見直しが、重要な
局面を迎えようとしている。予定では8月に中間報告、年末には最終報告が取
りまとめられ、新計画が来年春に決定される。残念ながら、地球温暖化対策と
して重要な自然エネルギーは、目達計画においてもその見直しの議論において
も脇役としての位置づけしかされていない。一方、RPS法新目標は目達計画
見直しが行われている最中に決定され、1.35%(2010年度)から1.
63%(2011−2014年度)と、元々の低すぎる目標からわずか約0.
3%の引き上げにとどまった。このような状況下、日本の自然エネルギーと気
候変動対策の将来はどうなっていくのだろうか。

表題のシンポジウムは、気候変動が深刻化する中で重みを増していく上記の問
いについて議論し、方向性を探っていく機会として「自然エネルギー促進法」
推進ネットワーク(GEN)、自然エネルギー20/20キャンペーン委員会、
そして環境エネルギー政策研究所(ISEP)の共催で7月9日に行われた。

シンポジウムは前半の登壇者による報告と、後半のフロアを交えたパネルディ
スカッションに分かれ、報告では資源エネルギー庁、環境省、東京電力、WW
Fジャパン、そして東京都からお話を頂いた。それぞれがRPS法または京都
議定書目達計画見直し・気候変動対策と自然エネルギーという共通の論題を扱
いながらも、異なる立場からの話が展開された。その中で出てきた3つの論点:
1)京都議定書との関連を含めたRPS法の評価、2)自然エネルギーの熱利
用、そして3)それぞれの組織が持つ長期ビジョン、がパネルディスカッショ
ンで議論された。

RPS法の評価では、余剰電力買い取りをしている電力会社が過度の負担をし
ているという指摘が目立った。自然エネルギー普及のカギとして、公平な費用
負担と効果的な支援措置への組み込みを挙げられるが、RPS法はこのどちら
も実現出来ていない。このままでは自然エネルギーの促進が持続可能な形で進
められないというのが共通認識としてあり、電力会社のみに負担をかけない自
然エネルギー普及の仕組みについての提案がなされた。

自然エネルギーの熱利用については、国レベルでは電気分野でのRPS法のよ
うな利用促進のための政策が何も無いことの問題が議論された。このように、
ある一部分の対策を担う個々の政策はあってもそれらが孤立しており、全体を
バックアップする政策が欠けている問題は、自然エネルギー促進だけでなく京
都議定書目達計画においても存在することがWWFから指摘された。

長期ビジョンの話においては、二つの異なる基本姿勢が浮かび上がった。どの
組織も2050年目標などを持ちながらも、エネ庁、環境省、東電は基本的に
今は出来ることを手堅く積み上げるという姿勢で、WWFと東京都は目指す将
来像を見据え、その実現のために必要な施策を実行・提案する、バックキャス
ティング的な姿勢である。特に東京都の取組は、国に先駆けて大胆な施策を入
れていくという点で、参加者の関心と期待を集めたようだった。さらにその先
進的な取組は、「エネルギー消費を最小限に抑えても豊かな生活が出来る、とい
うモデルを途上国に示し、将来像として目指してもらおう」という狙いにも基
づくことが東京都の報告の中で述べられていた。

「2050年までに世界で温室効果ガス排出を現状比で半減」という大きな目
標をG8サミットで掲げつつも、自国がこの目標達成に貢献するための具体的
な策を世界に示せていない日本。それに対して「東京都」という限られた範囲
で取組を進めつつも、根底では世界へ向けた思いを持つ東京都。

どちらの姿勢の方がより多くの個人や企業、地方自治体などに広がっていき、
その姿勢に基づいた対策が各主体によって取られていくか。それは日本がきち
んと「2050年までに排出量半減」するための役割を果たせるのか、そして
日本の自然エネルギー利用を大幅にのばせるのか、を2050年まで待たずと
もこの先10〜15年の間に決定しうる、重要な分岐点と言えるだろう。

シンポジウムの当日報告資料は下記のウェブサイトから入手できます。
http://www.isep.or.jp/event/070709sympo.html
なお、当日の議事録は間もなくISEPウェブサイトにアップされる予定です。

                     大久保 望(ISEP研究員)


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5.あなたの地域の自然エネルギーはどのぐらい?
                〜エネルギー永続地帯の試算結果を発表〜
                        松原弘直(ISEP研究
員)

日本全体のエネルギー自給率や食料自給率が低迷する中、各地域でのエネルギ
ーや食料のサステイナビリティ(持続可能性)を評価し、各地域の特性に応じた
政策を後押しする「永続地帯」という指標を以前ご紹介しました。この「永続
地帯」は地域毎のエネルギーや食料の自給状況を数値化してその地域の発展や
政策評価につなげようという比較的新しい試みです。去る7月9日には千葉大
学公共研究センター倉阪研究室とISEPとの共同研究として「エネルギー永
続地帯」に関するプレスリリースを行い、日本国内の市町村ごとの再生可能な
自然エネルギーによる「エネルギー自給率」の試算結果や、その結果に基づく
政策提言を行いました。

エネルギー永続地帯の試算は、日本の全市区町村について、区域内での再生可
能な自然エネルギー(太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマス)による電力供
給状況を推計し、区域内の民生用電力需要に対してどの程度自給することがで
きるかを指標化したものです。その結果、明らかになったことは、小水力発電
が日本の再生可能な自然エネルギーによる電力量の約6割を占めていることで
す。これは風力発電の18%、風力の12%、太陽光の6%に比べてかなり大
きい割合であり、日本の小水力発電が多くの市町村において地道にその地域の
自然から電気を作り出していることを表しています。都道府県別にみると大分、
秋田、富山、岩手の4県で再生可能な自然エネルギーによって民生用電力需要
の2割以上を賄っています。特に大分県、秋田県および岩手県は地熱発電が大
きな割合を占めており、富山県はそのほとんどが小水力発電です。さらに、7
6の市町村が自然エネルギーのみで域内の民生用電力需要を満たしていること
もわかりました。その多くは、自然に恵まれ人口の少ない町や村で、地熱、小
水力、風力のいずれかの自然エネルギーが主な供給源となっています。

今回の試算結果から、次のような政策提言としています。まず、日本に適した
自然エネルギーの種別として、小水力発電にもっと注目すべきだということで
す。さらに、地方自治体におけるエネルギー政策をしっかり立ち上げ、国はエ
ネルギー特別会計の一部をこの地方自治体の自然エネルギー普及に振り向ける
べきとしています。東京や大阪などエネルギー需要密度が大きい都市自治体に
おいては、グリーン電力などの自然エネルギーの購入などの形で、自然エネル
ギーの普及拡大に寄与することが重要です。最後に地域毎の自然エネルギーに
関する基礎データが統計情報として定期的に公表されるような仕組みを整備す
る重要性を述べています。

なお、発表と同時にWebサイトを立ち上げ、プレスリリース発表資料、都道
府県ランキング、市町村ランキングなどの詳細情報を提供していますので、是
非この機会に永続地帯のWebサイトをご覧頂き、ご意見やご感想などをお寄
せください。皆さんからのフィードバックをお待ちしています。

永続地帯Webサイト: http://sustainable-zone.org/

                        松原弘直(ISEP研究
員)


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6.プロジェクトフラッシュ

1)南信州おひさまファンド 計画利回り通りに現金分配を開始!
        原亮弘(おひさま進歩エネルギー有限会社 代表取締役)

2005年に募集した「南信州おひさまファンド」は、3年間の事業期間を費
やし、飯田市内での自然エネルギー・省エネルギー事業に無事投資され、今年
の6月末、出資者に対し初めての現金分配を行うことができました。この事業
遂行にあたっては、飯田市や市民の方々、市内の事業者の方々の大変なご協力
をいただきまして、我々としては感謝の気持ちでいっぱいであります。

事業利益からの分配額は、当初の目標を達成し、出資タイプA(一口10万円)
の出資者は12,497円、出資タイプBは44,660円、合計476名に
対し、利益分配金313万円と出資元本返金分2,020万円、合計
2,333万円を分配することができました。

我々が行った事業は、「南信州おひさまファンド」で集まられた合計2億円の出
資金と環境省の「まほろば事業」の補助金とあわせ、飯田市内に自然エネルギ
ー・省エネルギーの事業へ投資しました。この3年間の事業期間中に、太陽光
市民共同発電所38カ所、208kWの設置、飯田市美術博物館など省エネル
ギーサービス12件を実施することができました。これらは現在も順調にサー
ビス提供をしており、今後もその運用面に注力し、契約期間中継続的に利益分
配していけるよう努めたいと考えおります。

また、この事業を始めるに当たり設立したおひさま進歩エネルギー有限会社で
すが、おかげさまで新規の自然エネルギー・省エネルギー事業に着手すること
ができ、飯田市を含め、南信州地域でさらに邁進していきたいと思っておりま
す。今年度も事業の大きな特徴である市民出資というファイナンス手法の利用
を検討しておりますので、その際は出資という形でご支援いただきたいと思っ
ております。


+++++++++++
2)備前プロジェクトフラッシュ
            〜備前千年 さらに今年の若葉なり〜
                  松本照生(備前グリーンエネルギー)

■営業報告と事業進捗について
 2007年度も第一四半期が過ぎました。6月には、匿名組合の出資者の皆
様に、はじめての営業報告を実施しました。昨年度、我々が実施した事業で削
減される二酸化炭素の排出量は、年間約198トンと試算しました。出資者の
ある方から、「身近で、確実な省エネルギー事業をどんどん広げていってくださ
い」と激励の言葉もいただいております。

 昨年度に導入した省エネサービス事業について、若干振り返ってみますと、
民間事業者で初めて我々の省エネルギーサービスの導入を決定していただきま
したのは、老人福祉施設でした。導入アイテムは、エネルギー高効の高い空調
とペアガラスのセットです。備前グリーンエネルギーでは、省エネアイテムを
ミックスして提案できることを得意としており、老人福祉施設のように、比較
的安定してエネルギーを使用している施設に対しては、サービス導入後の効果
もかなり良い結果が出ることを確認しております。
 今回は特に建物外皮の断熱に着目し、ペアガラスの効果と空調機器自体の能
力について十分検証し、提案をいたしました。
 職員の皆様からは、「部屋が非常に暖かくなった」「窓際が寒くなくなった」
と大好評を得ております。

 おかげさまで、昨年度末に引き続き民間事業者を対象に、今年度も備前グリ
ーンエネルギーの省エネルギーサービス(ESCO事業)を2件導入すること
が出来、さらに2件の案件について、成約前の商談を実施している状況です。

 その民間事業者は建設会社と耐火物メーカーで、いずれも省エネサービスを
導入しました。どちらにも、エネルギー効率の高い空調の導入と蛍光灯の安定
器交換を実施し、合わせて16トンの二酸化炭素排出量が年間で削減される見
込みです。

■新規事業(太陽熱温水システムとグリーン電力証書)
 一方、今年度から一般家庭向けに本格的に販売を開始しました太陽熱温水シ
ステムも、すでに導入が完了し、導入したお客様から「自然エネルギーって、
使ってて気分が良いね。」と感想をいただきました。
 家庭の二酸化炭素の排出量は、年間1億7500万トンを占めているようで
す(2005年度)。そのうち給湯部門が23%を占めています。一般家庭で使
用する「給湯」を見直すだけでも、二酸化炭素排出削減に対して、その効果は
絶大です。しかも、導入コストに対する回収期間も短く、約3年から7年とな
っております(LPガスを給湯の熱源としている場合)。地球温暖化を危惧され
ている皆様にお奨めの1品です。
 この数年間、液晶テレビが爆発的に売れているようですが、その販売に負け
ないように、使っているだけで、その経済性や安心を実感できる太陽熱温水シ
ステムを一般家庭に導入していただけるようにお願いしていきたいと思います。

 また、備前グリーンエネルギーでは「グリーン電力証書」の販売も始めまし
た。これらの仕組みについては、下記のEnergyGreenのホームペー
ジを参考にしてください。
http://www.energygreen.co.jp/

■これから、そしてお願い・・・
 「備前みどりのエネルギーファンド」の事業も残すところ、8ヶ月。これか
らが正念場です。今年も多くの若葉(省エネルギーや自然エネルギーを導入し
た施設)を増やせるように、スタッフ一同、気を引き締めて、事業に取り組ん
でまいります。

 尚、「備前みどりのエネルギーファンド」のA号出資に関しては、残り約21
00口(1口10万円、残り募集枠約2億1000万円)を引き続き、募集し
ております。
 http://www.bizen-greenenergy.co.jp/contents/fund_about.html

 前段申し上げましたが、省エネサービス事業は、身近で着実にエネルギーを
削減することができる事業です。二酸化炭素排出削減量が目に見えてわかる我
々の事業に、引き続き皆様からの応援をお願いします。

【備前グリーンエネルギー株式会社】http://www.bizen-greenenergy.co.jp/


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7.インターン報告 
                    山下忠司 (ISEPインターン)

私は京都議定書、経済的手法に出会い勉強してきた学生生活を終え、自分の知
識と興味を活かせる仕事をしたと思い、就職活動と広い意味での社会勉強、言
い換えるとフリーターな一年を英国で過ごして帰国してきました。

インターンのきっかけは、活躍の場を模索するに良い機会だと考えたからです。
多くの有人や先輩との話の中から、本当にやりたい事を掴むのは決して路線上
の向こうあるゴールにたどり着く事ではないと強く認識しました。そこで、I
SEPでお手伝いやアルバイトをやりながら研究、お仕事、また社会人生活を、
すこしでも経験したいと思い立ち履歴書を送りました。私の面接や対応をされ
た方の顔、突然の私のような学生でもリタイヤしている訳でもない人間からの
申込みに驚いた顔は、今でも忘れられません。

今現在で関わっているの活動内容は、時々のプロジェクトの補佐から事務的な
お手伝いも含めて、さまざまです。どれか一つと決めてしまうのではなく、好
奇心と沢山の事を経験をしたいという欲を持ちながら頑張っています。

ISEPでの活動の中ではじめに経験したのは、英語翻訳やイベント開催のお
手伝いでした。そんな中、金融の力と環境への取組みを結びつけることを目的
としたイベントに関係者としてお手伝いできた事は、大変に幸運で現在もこれ
に関連した活動を続けることが出来ています。自分の好きなことに関われて、
これからもと言う機会に出会えたのは、本当に大きな前進です。責任感や義務
感は大切です。しかし、それだけに環境への取り組みの動機を頼ってしまって
は、いつかは疲れきってしまうと思います。上手く行く仕組み、無理をさせな
い制度作りは、実効的な取り組みを生み出す鍵だと思います。金融の知識や経
験を引き出し結び付けて利用する事、それが私がこれからも頑張ってやって行
きたいと強く思っている事です。

インターン活動を通して感じた事の一つには、良い意味での上下関係を実際に
体験したことです。補助やお手伝いは前線で活動している人のためで、先生と
生徒ではありません。決められたことを右から左へ動かすのではなく、自分で
何をどうするかを考える必要性に出会うのです。「自分:これはどうしますか?
― 上司:こうしなさい。」ではなく「自分:この件について、この様にします。
これが、必要です。よろしくお願いします。― 上司:了解。」と言うぐらいに
実際に動いていく事です。大変だから教えてもらおうなんて、なかなかオット
リとして居られないと感じました。皆さんには当たり前かもしれません。本格
的に社会に出てゆく自分にとって貴重な経験でありました。もちろん、指示さ
れなくても何でもできるようになった、という訳ではありませんが。

二つ目には、環境問題への自分なりの取組みも、決して単に自分事に留まりで
社会を変える事なんてないという控えめな気持ちから、少し前向きに飛び出せ
たのではないかなと言う事です。多くの仕事や人を近くで見知る機会に接する
と、自分にもいつかは出来るチャンスさえあれば社会的に意味の在る活動に参
加したり、そんな運動を興してゆくこともあるのだなと、感じました。私がお
手伝いをさせて頂いている方は日本でも数少ない国際的な活動に参加している
人であったり、環境問題の最前線で活動してる人に出会ったりするわけです。
そんな中で自分との差や至らなさに気づきますが、決して自分とは別世界の事
ではないなと強く感じる機会に接したのは意味あることではないでしょうか。

最後に、やりたい事にどの様に辿りつくか?やりたい事って何か?という社会
人になってしまうと考えている場合でない問題に、ある意味贅沢に、しかし慎
ましやかな生活の中で向き合えるインターンの機会は有意義です。終わりは特
に見えていませんが、私はこの猶予期間の中で一層頑張ってゆきたい、さらに
前進する手がかりを見つけるよう活動して行きたいと思っております。


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