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1. 「風発」

「劣化」するエネルギー政策
環境エネルギー政策研究所(ISEP) 所長 飯田哲也

ドイツで開催される「自然エネルギーサミット」(Renewables 2004)に向けて
大きく盛り上がっている世界に対して、日本は「引き籠もっている」かのよう
だ。新エネ利用特措法が施行されて1年が経過して、法の欠陥が誰の目にも明
らかになりつつあり、ますます陰うつな空気が漂っている(『自然エネルギー
促進の課題?新エネ利用特措法の検証をふまえて』「議会と自治体」No.69、
2004.2。 http://www.isep.or.jp/img/iida200401.pdf に再掲)。

政府(官僚)の失敗は明らかだが、面白いことに、欧州でも自然エネルギーを
巡って、日本とまったく同じ対立や論争の構図になったのである。つまり、官
僚と経済学者がRPSを支持し、政治や環境NPOが固定価格を支持するという政治
的対立で、そのRPS を選択した英国でも制度が躓いている(『風車が切り開
いた「新しい論争」』「飯田哲也のエネルギーデモクラシー第3回」Hotwired
Japan, http://www.hotwired.co.jp/ecowire/tetsunari/040210/ )。

この間、制度そのものよりも、むしろ環境省が設置した検討会が契機となっ
て、国立公園と風力発電の関係が耳目を集めていた。もちろん重要な問題であ
ることは否定しないが、問題を捉える構図があまりに狭い範囲に留まって議論
が進められてしまった。むしろ、風車以外の問題、あるいは国立公園の外の問
題の方がはるかに深刻であろう(GENのニュースレターNo.22に掲載)。

エネルギー政策全体を眺めてみると、「原発を国策に位置づける」という愚か
なエネルギー基本計画を定めた「国」(=経済産業省)は、基本計画に沿った
長期見通しの改定を始めている。経済産業省が進めるこの長期見通しに対し
て、環境省は温暖化大綱の検証を始めており、今やこの両者が、経済産業省
vs.環境省のバトルの場と化している。しかもその影で、原子力のバックエン
ド費用の制度化や原子力長期計画の見直しの準備が進められつつある。とりわ
け、エネルギー政策にとって何の意味もないばかりか、途方もない無駄や放射
能汚染を生み出し、誰もが失敗すると考えている六ヶ所再処理工場の運転が
刻々と近づいているのである(『原子力政策の今日的課題-戦艦大和の過ちを
繰り返さないために』原子力委員会ご意見を聞く会(2004/3/2)で報告。資料は
http://www.isep.or.jp に再掲)。

こうした「日本版RPS」の失敗や「現代の戦艦大和」(=六ヶ所再処理工場)
こそが、日本のあまりにも劣化したエネルギー政策の象徴といえるだろう
(『「劣化」するエネルギー政策』「財政と公共政策」第26巻第1号、
2004.2)。
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2. 寄稿

太陽電池の高い経済性
関西学院大学大学院総合政策研究科客員教授/ISEP理事 
山藤 泰

ロッキーマウンテン研究所を率いるエモリー・ロビンスが、彼の編著である
「Small is Profitable」という質量ともに大きな著作で、省エネルギーやデ
マンドサイド・マネジメントも含めた分散型エネルギー源には、207の経済
的、社会的メリットがあると主張している。その中で、一般に高い高いと言わ
れている太陽電池が、これを系統の一部に組み込んで経済計算すると、非常な
経済性を発揮するという論を、具体例を示しながら説明しているので、若干紹
介してみたい。

太陽電池は、日中のピーク時に発電するので、電力会社の高いピーク対応発電
設備の容量を引き下げることができるというメリットは当然入っている。しか
し、この外に、これが系統に繋がっている場合、発電所からこの太陽電池設備
までの送配電システムの負荷がその容量分だけ下がるために、その間の送電ロ
スを抑制できる。もしこの系統の負荷が容量一杯に近くなっているとすれば、
容量を増やすための設備投資を削減する、あるいは、繰り延べすることがで
き、電力会社はその資本コストを引き下げることができる。また、系統の電流
が下がるために、変圧器の温度が下がり、それだけ変圧器の効率が上がること
になり、回避できる電力損失の量はさらに大きくなるとする。発電所からこの
太陽電池までの距離が離れていればいるほど、この損失削減効果は大きくな
る。

また、面白い指摘もしている。太陽電池はインバーターを経由して系統に接続
されている。このインバーターに、系統に流れている無効電力を打ち消すよう
な作動をさせることができるそうだ。無効電力を供給しても、電気メーターは
回らないために、発電費用はかかるのに料金として請求できない電力会社は、
無効電力の比率を下げるよう努力し、投資しているが、インバーターによる無
効電力削減が普及すれば、この投資を抑制することができるし、収入増加要因
にもなる。

このようなメリットには、電力会社の収益性を高める効果につながるものが多
く、太陽光発電の普及に電力会社が補助金を出してもいいのではないかと思う
ようになっている。

3. 政策レビュー

電力会社の「社会的ウソ」-GENによる新エネ利用特措法検証を終えて
環境エネルギー政策研究所(ISEP) 所長 飯田哲也

新エネ利用特措法が施行されて以来、「自然エネルギー促進法」推進ネット
ワーク(GEN)で進めてきた「新エネ利用特措法検証委員会」は、幅広い関係
者(=ステークホルダー)が立場を超えて同法に関する議論することのできる
ものとして、社会的にほぼ唯一の場といっても良い。それだけでも、十分に価
値のある活動だったのではないか。

しかも、同時に、系統の問題についても、論点を詰めていくことができた。系
統に関しては、人材も情報もほとんど電力会社に囲い込まれているだけでな
く、技術と制度と費用の混じり合ったやっかいなテーマであるため、穿ってみ
れば、電力会社が自然エネルギーを導入しないエクスキューズ(=社会的ウ
ソ)として使われてきた。そこで、ここでは電力会社の「社会的ウソ」とその
対処方針について、紹介しよう。

(続きは http://www.isep.or.jp/res2004/200404gen.pdf でご覧ください。)
4. プロジェクト・フラッシュ
(研究員がISEP内外で取り組む活動からトピックスを拾って紹介します。)

<< Focus/重点プロジェクト >>
開催近づく「自然エネルギー2004(Renewables 2004)」

去る2月に、ISEPは「自然エネルギー促進法」推進ネットワークと共催で、国
際シンポジウム「自然エネルギー2004 in Japan」を開催しました。シンポジ
ウムの基調講演では、ドイツ・緑の党の国会議員ハンス・フェル氏が、ドイツ
の自然エネルギーの近況について話しました。わずか過去2年で自然エネル
ギーに関する雇用も倍増し、13万人に達するなど、自然エネルギーの普及がま
すます進んでいます。

また、後半のパネルディスカッションでは、国会議員、自治体、資源エネル
ギー庁などからの関係者が参加し、議論が行われました。日本のエネルギー政
策が行き詰まる中で、国会レベル、自治体レベルでは、地域の視点に重点を置
いたドイツを始めとした欧州型の自然エネルギー政策を望む声が高まっている
ことが、改めて確認されました。

ISEPでは、ドイツでの会議開催直前の5月にもシンポジウムの開催を予定して
います。ドイツでの会議中には、現地でドイツや韓国の議員・自治体と協力し
て、サイドイベントを主催します。ご期待ください。(中島正明)

「自然エネルギー2004」について詳しくは http://www.isep.or.jp

<< Green Power/グリーン電力 >> 1
「内外のグリーン電力プログラム研究会」に参加

昨年9月から、経済産業省資源エネルギー庁(新エネルギー対策課)の委託
で、日本エネルギー経済研究所(IEEJ)が、内外のグリーン電力プログラムの
研究調査を行っています。この調査は、グリーン電力プログラムに関して、海
外・国内の現状を整理した上で、日本での普及のための論点整理を行うことが
目的です。

調査を行うための議論の場として、グリーン電力に関わる専門家やステークホ
ルダーを集め、IEEJ内部に「内外のグリーン電力プログラム研究会」が設置さ
れました。ISEPからは、所長の飯田と副所長の大林が委員として参加していま
す。すでに11月の米国、1月の欧州調査を経、現在、報告書のとりまとめに向
けた作業が進んでいます。海外の例では、グリーン電力の購入をボランタリー
に宣言するネットワークの形成を政府が主導し、グリーン電力の購入者である
大口電力需要家が宣伝活動を行うなど、NGO・行政・事業者のパートナーシッ
プによる普及が進んでいます。

今回の研究調査は、そのまま日本での具体的なプログラムの導入を導くもので
はありませんが、少なくとも研究の委託など、グリーン電力プログラムに関す
る前向きな関心を政府が持ち始めたことは、大きな前進と言えるでしょう。
ISEPでは、今回のような試みを経て、実質的なコラボレーションの枠組みが生
まれるよう、働きかけを行っていきたいと思います。(副所長 大林ミカ)

内外のグリーン電力制度研究会・メンバー(12名):浅野浩志(電力中央研究
所)、鮎川ゆりか(WWFジャパン)、飯田哲也(ISEP / GEN)、大林ミカ(GEN
/ ISEP)、正田剛(日本自然エネルギー)、鈴木亨(北海道グリーンファン
ド)、冨田秀実(ソニー)、中田武男(丸紅)、船曳尚(ナットソースジャパ
ン)、溝渕寛明(住友商事)、山地憲治(東京大学教授)、吉田恵一(東京電
力)オブザーバー:経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策課事務局:
日本エネルギー経済研究所
<< Green Power/グリーン電力 >> 2
グリーン電力パートナーシップ(GPP)・プロジェクト始動

ISEPは、設立当初から、他団体と協力しながら、グリーン電力の国際研究を始
めとするグリーン電力に関する多数のプロジェクトに携わっています。特に、
グリーン電力商品の透明性を高めるため、「グリーン電力認証機構」の設立に
協力、日本のグリーン電力商品の認証を行っています。また、昨年3月には、
東京で「第1回アジア太平洋グリーン電力国際会議」を開催し、世界的にも最
先端の情報を提供するだけでなく、グリーン電力の普及啓発活動も行っていま
す。

これらの活動を経て、グリーン電力をより一層広く促進するために、同じくグ
リーン電力の普及に取り組むWWFジャパンなどの団体・個人の協力を得て、グ
リーン電力パートナーシップ(GPP)を立ち上げました。GPPでは、グリーン電
力の情報提供を行う「みんなのグリーン電力」ウェッブサイト運営を中心に、
グリーン電力商品の企画や開発、イベントの開催などを、プロジェクトベース
で行っていく予定です。皆さんのご参加・応援をお待ちしていますので、よろ
しくお願いします。(副所長 大林ミカ)

「みんなのグリーン電力」: URLは近日公開します!
グリーン電力認証機構: http://eneken.ieej.or.jp/greenpower/
WWFジャパン: http://www.wwf.or.jp/

<< Sustainable Networking/ネットワーキング >>
「持続可能で平和なエネルギー・ネットワーク:アジア」(Sustainable And
Peaceful Energy Network, Asia: SPENA)公開ワークショップ開催 

3月11日に、アジアから3人の海外ゲストを招聘し、SPENAの公開ワークショッ
プを開催しました。韓国、台湾、マレーシア、タイ、そして日本の各国からエ
ネルギーの専門家が参加し、ディスカッションを行いました。

韓国からは、今年11月に韓国のデグ市で開催される「国際ソーラーシティ会議
2004」の概要等が報告されました。また、マレーシア、タイ、台湾、日本か
ら、各国の抱える問題点が指摘され、どのように自然エネルギーを促進してい
くかの提案がなされるなど、活発な議論が交わされました。

ワークショップの後のSPENA運営会議では、6月にドイツで開催される「自然エ
ネルギー2004国際会議」の機会を利用し、サイドイベントを開催するなど、新
しい取り組みが提案されました。持続可能なアジアの未来を構築するために、
活動を活発化させていきますので、是非ご注目ください。(中島正明)

SPENA: http://www.isep.or.jp/spena/ (英文)

<< Sustainable Community/地域社会 >>
地方自治体木質バイオマス政策アドバイザリー

ISEPでは山口県と福島県の農林部から委託を受け、地域の木質バイオマス政策
調査を行っています。

木質バイオマスの大幅な普及には間伐材や林地残材等の山元からの収集や木質
ペレットの製造といった「入り口」対策も重要ですが、同時にエネルギー実際
に使う需要側の視点に立った「出口」に対応する政策も大きな課題になってい
ます。木質ペレットストーブの一般家庭への普及や地域熱供給は上質なエネル
ギー供給を実現します。

山口県への政策提案では、県による木質バイオマスの「グリーン購入」や100
%自然エネルギー地域を事業として成功させるビジネスモデルへのパートナー
シップなど、地域や民間によるバイオマス市場育成のための県としての役割を
提言しました。福島県の調査では県内の木質バイオマス資源量やその利用方法
と費用事例等、現地での調査を踏まえた総合的な基礎資料をまとめています。
これまで焼却処分をしていたダムの流木を木質ペレットにして、地元の保養施
設の暖房や給湯に利用する事例等、将来的には全国レベルで取り組める特色の
ある利活用事例も数多く見られました。今後とも、地域発・地域自律のための
エネルギー利用を考えていきたいと思います。(小圷一久)

<< Community Wind/市民風車 >>
大盛況のうちに終了~列島縦断市民風車シンポジウム

去る2月に札幌、東京、福岡の3会場にてシンポジウム(市民風車の集い)を
有限責任中間法人自然エネルギー市民基金、同基金の設立者の当研究所と北海
道グリーンファンドが共同主催し開催しました。どの会場も満員御礼の盛況振
りで、次号風車実現の意気込みを主催者側から話した際には、会場から自然と
拍手がわきあがるなど、市民の風車に対するますますの期待が感じられまし
た。(笹川桃代)

自然エネルギー市民基金: http://www.greenfund.jp
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